「ひらめき☆ときめきサイエンス 〜ようこそ大学の研究室へ〜 KAKENHI」
(研究成果の社会還元・普及事業)
平成29年8月19日(土)実施
数学的モデリングチャレンジ岐阜 2017
−データから身の回りを探究するイノベーション!−
(整理番号 HT29170)
研究代表者 河崎 哲嗣 (岐阜大学) 実施分担者 花木 良 (岐阜大学) 中村 琢 (岐阜大学) 協力講師 稲葉 芳成 (立命館宇治中学校・高等学校) 丸山 解 (カシオ計算機株式会社CASIO) 小林 一茂 (カシオ計算機株式会社CASIO) |
【このプログラムのテーマと関係する科研費】 (1) 基盤研究(C) 15K01063 H27-29 「グローバルな算数・数学教員養成を目指す遠隔協同セミナーの研究」 (2) 基盤研究(C) 23501187 H23-25 「小学校教員を志す文系大学生を対象とした数学的モデリング授業の開発研究」 (3) 奨励研究 19911012 H19 「中高及び高大接続を意識した特設単元における科学・技術の融合教材の開発研究」 |
7月1日(土) 10:00〜13:30 JR岐阜駅前 岐阜大学サテライトキャンパス |
カラー液晶関数グラフ電卓講習会が大盛況で終了しました。(7月1日10:00〜13:30,JR岐阜駅前 岐阜大学サテライトキャンパス) 8月19日(土)には、この機器とセンサーを使用して、現象データを抽出をして、普段の算数や数学の授業内容に結びつけて、更に深い学びをします。 参加者に夏休み中貸し出しをしていますので、自由研究に役立ててくれることでしょう。 |
講座参加申込み者の内訳 申込み上限枠を軽く超えてしまいました。 参加出来なかった人御免なさいね。 画像をクリックすると拡大します。 小学校4年生は保護者同伴の見学です。 |
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講習の様子と協力講師によるセンサーと電卓の使用方法の説明 次回に向けての連絡 (電子機器の活用について、参加者の飲み込みが早いのにはいつも驚きます。世代を感じました。) |
数学的モデリングチャレンジ岐阜 8月19日(土) 12:00〜17:30 JR岐阜駅前 岐阜大学サテライトキャンパス |
「速さ」という数量の認識をイメージできているのか、事象の変化をどのような2つの数量で表現できるのか。 センサーとグラフ電卓を用いて、そのモデルをグラフで表すときに、「速さ」はグラフの何処に隠されているのか。 表すことのできる2つの数量関係の意味をグラフから読み取れるか。 また運動の様子や量感を数学的に考察できるのか。 |
協力講師の稲葉先生 | 岐阜大学の院生指導による認識の事前調査 | 2つの台車のどちらが早い?? (最初の映像を見たとき、受講生達は思わず、 んんん??という声が上がりました) |
先ずは、距離センサーと関数グラフ電卓の復習から、実際に歩いてグラフを描かせてみよう。 | 床に貼った50cm間隔のシールを目印に、1秒につき 1つずつ、また1つ飛ばしの2種類の歩き方をして、 グラフの違いを考えよう。 (速さはグラフの何処に表れるのかな) |
段々と速く歩く場合のグラフはどんな様子になるかな。 一定の速さの歩き方と比べて、ゴール付近の 「一瞬の速さ」の違いはどのようにして考えようか。 ケーキタイム中にゆっくりとまとめてみました。 |
8つのグループ毎に工夫をして、他のグループに考え させられるようなオリジナルのグラフを描いてみよう。 どんな動きをすれば良いのか、創造性を膨らませます。 |
どのような動き方をして、どのような測り方をすれば、 どんなグラフになるのかをグループで議論をします。 約30分間、身体を思いっきり動かしてヘトヘト。 |
各グループのグラフを見て、どのような動き、 どのような測り方をしたのか、想像できますか? |
ギザギザのグラフを描くために、何回も飛び跳ねたり、或いは姿を消したり、おんぶをして突如離れてみたり、スタート地点を変えたり
自分達の普段の生活の中で無意識だった身体の動きを、グラフに表すために「どうだったか」を必死に思い起こそうとします。
そして複雑で斬新な創造的な動きをしようとすることは、いつの間にか速さの変化とグラフの形のイメージ作りを体感によって身につけてくれるはずです。
やがて、時間と速度の関係や加速度についての概念を学んでいくとは思いますが、このような体感はその概念獲得のイメージに後々に役立つ筈ですね。
身の回りの生活現象を感じるようにして、何故そんなことが起こるのかを意識的に問題として捉えるようにしてみようよ!!
上の2人の様子から、白板のどのグラフがこれに該当 するか分かりますか? |
池谷学部長先生による表彰式です。約40人の参加者1人 1人に対して、丁寧に未来博士号を手渡されました。 |
皆さん、身体も頭もフル稼働して達成感がありましたか? |
毎年この日のために、半年ほど前からフラフラになって議論や準備をしてきて、「今年でこの催しもギブアップしようか」と弱音を吐いたりしていますが、 参加者の自由奔放に楽しそうで熱心な様子を見てしまうと、 「来年もやらないといけないなぁ」と奮い立ちます。 特にビックリしたことに、講義中に気づかなかったのですが ふとっ、会場の外側を見ますと、10人ほどの校長先生や算数以外の教科の先生達が様子を見に顔を覗かせてくれて、普段見られない子ども達の様子を、 ずっと真剣にご覧になられていたのです。 新しい価値観に対する議論をしながら、「何故、こんなにも子ども達が、自主的に議論できているのか」 と評価をして頂いたことは、有難かったですね。 |
−−−【恐縮】御礼のお便りが来ました。−−−
7/1および8/19の2日間、数学的モデリングチャレンジに参加させていただき、大変ありがとうございました。 次男は早速、翌日から講座の内容を自由研究としてまとめていました。じょうずに纏めている姿を見て、やはり自分で体で感じ、考えたことは強烈に頭の中に 刻まれているのだなと感じました。 我が家は主人は理系、私は文系です。河崎先生がおっしゃっていたことと全く同じことを我が家では子育ての中で主人が何度となく子供たちと私に説いております。 私は典型的な文系で、まさに河崎先生がおっしゃっておられた通り、物理で崩壊した人間です。 高校の数Tまでは数学が得意だと思い込んでいまして、実際にできていました。しかし、高1の秋に微積と代数幾何が始まり、理科でも物理を習いだした頃、変 位、加速度が出てきた時点で非常に苦痛を感じるようになりました。 幼いころからずっと、私は日常の事象が数学的理学的に結びついているとは到底思えず、受験のための机上の数学、理科を学習しておりました。 数学や理科をなぜ学習するのかさっぱり分からず、少しも面白くありませんでした。 理系の分野に興味を持っている子供たちのお蔭で、私は子供たちを通して改めて科学や数学の面白さに気づかされ、理学的・数学的モチベーションの大切さを身 に染みて感じております。 どうしてあの時もっとこういうことに気付けなかったのかな、こう考えていたら、数学も科学も物理ももっと面白かったはずなのになと発見の連続です。 市立の小学校に通う次男(6年)は、まだ速度について学校で学習しておらず(単位量当たりの計算はやっておりますが、速度・時間・距離としては習って いない)今回の講座は初めて聞くことばかりで、最初は少し戸惑ったようでした。近辺にはなかなか附属小・附属中等へ通う環境が無いこともあり、今回の講座で 皆さんと交流できたことはとても刺激になったと思います。 また、学校で学習する前に”速さ”について学び、海外での授業のように、自分の身体で実際に感じ、考え、試して、結果を考察して・・・と経験できたことで、 強烈に頭の中に残ったようです。 戸惑っていた最初とは異なり、受講後は自分の言葉で速さ・距離・時間に関する事象を説明できるようになっており、驚かされました。 日本でもこのような授業が増えると面白いのになぁと切に感じました。 素晴らしい講座を、ありがとうございました。 河崎先生をはじめ岐阜大の先生方、大学院生の皆さん、立命館大学の稲葉先生、カシオの丸山様、小林様、子供たちの為にご尽力いただきました全ての皆様に、 どうぞよろしくお伝えください。ありがとうございました。 |