日本数学協会 近畿支部     活動コーナー             to

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   第7回 日本数学協会近畿支部講演会 平成18年5月28日(日) 京都大学理学研究科6号館

   第4回日本数学協会近畿支部設立準備会 平成17年5月22日(日) 場所:大阪清風高等学校

   第3回日本数学協会近畿支部設立準備会 平成17年2月20日(日) 場所:大阪教育大学天王寺キャンパス
   第2回 近畿支部設立準備の会 平成16年9月26日(日) 場所:京都キャンパスプラザ
   第2回 近畿支部設立準備の会 平成16年5月30日(日) 場所:大阪経済大学



  第7回日本数学協会近畿支部講演会の報告

5月28日(日)の午後 京都大学理学研究科6号館において72名の参加で行われました。
まず、最初に第2回の総会を行いました。昨年9月25日の結成大会後初めての総会でした。
2005年度の活動と収支の報告、2006年度の活動計画の報告がありました。なお今回初めて運営費用のためのカンパの呼びかけを行い、多くの方々がご協力下さいました。
続いて2つの講演がありました。まず、「アーベル・ガロアと方程式」と題して、上野健爾氏のお話がありました。式計算はチョークによる板書、歴史は貴重な蔵書のスライドを用いて、説明は平易かつ流暢な語りで
進められました。根と解の違いに始まり、変数変換による3次方程式の解法の筋道を板書で辿り、ボンベリ、フェラーリ、ガウス、ラグランジュ、ルッフィニ、アーベル、ガロアまでの歴史を数学の内容的意味に沿って語られました。ガウスは複素数を係数とする代数方程式は複素数内に必ず根をもつことを言い、ラグランジュは、3次4次方程式の解法を根の置換を使って説明し、ルッフィニは一般の5次方程式は根の公式をもたないことを「証明」したとする論文を発表している。アーベルは、根の公式がある(代数的に解く)、ということの意味を初めて明らかにした、つまり、方程式の係数から四則演算と累乗根を使って根を表すことができることを、代数的に解くというのである、と。対称群、体の拡大に関するガロアの考え方に触れられ、そして最後に、楕円関数を使えば5次方程式の解の公式は表すことができる、と締めくくられました。
次に「塵劫記の里を訪ねて」と題して、中井保行氏からお話がありました。訪ねられた塵劫記の里は、宇治を出発点に滋賀、亀岡、保津峡、伏見、高瀬川、嵯峨嵐山へと至ります。吉田・角倉氏の系譜を辿りながら、角倉家による隊道の事業などの紹介があり、自ら撮影してこられたスライドを通してそれらの現代の姿が案内されました。
今回は案内を葉書で郵送したこともあり、高校生も含めて多数の参加があったことは喜ばしいことでした。
次回は10月の予定です。(高田 加代子 記 2006.5.30)


  第6回日本数学協会近畿支部・数学講演会の報告

2月5日(日)の午後 大阪教育大学天王寺キャンパスにおいて19名の参加で行われました。
開始前までは、1月11日(水)に開催された数理科学フォーラムのビデオの放映がありました。
日本数学協会後援、大阪教育大学主催のこのフォーラムは、映画「博士の愛した数式」の原作者である小川洋子氏を迎え、菅原邦雄氏、宇野勝博氏、岡部恒治氏たちが、数学の魅力について語り合ったもので、開始前の良い時間となりました。最初に菅原邦雄氏から、珠算・和算に関する展示物と対数尺模型作成のプリントについて少し説明していただきました。
本題の最初は、「高校生のための誤り訂正符号入門」と題して、植田隆巳氏からお話がありました。
デジタルデータに雑音が混入して誤りが生じたとき、誤りが少しであれば、誤り箇所を発見して訂正するものとして誤り訂正符号というものが考えられたということです。その一つのBHC符号について丁寧な説明がありました。BHC符号の仕組みには、高校の数学U・Bの多項式の乗除、剰余の定理、ユークリッドの互除法、ベクトルなどの知識が用いられており、高校生にも学習可能な教材として研究されています。
次に、「造って見る空間幾何」と題して、木戸哲也氏にお話いただきました。
まず入門コースとして、3色の帯状の紙3枚に折り目をつけ、それに沿って織り込んで立方体を作りました。織り込み方のヒントを一つ提示された後は、各自独力で取り組んでいました。充実コースは、折り目線のついた4色の帯状の紙4枚を折り目に沿って織り込んで今度も立方体を作りました。挑戦コースは、4色のひし形状に折り目の付いた波型の紙4枚から、ひし形12面体を作りました。造った後によく見ることが大切ということで、ひし形12面体3個で空間充填の様子を見ました。ドーナツ面やいろいろのお話もありましたが、
皆さん多面体作成に苦労していたように思いました。次回は5月京都の予定です。

  日時 平成17年5月22日(日) 午後  大阪清風高等学校

第4回日本数学協会近畿支部設立準備会・講演会の報告
5月22日の午後、大阪の清風高校において17名の参加で行われました。
まず、清風高校の公庄庸三氏による講演がありました。グラフ電卓を使った授業で、中学生、高校生がどのように、どんなことを発見したかについて経過と内容が報告されました。これまでの授業の「教師が問題を出す→解き方を教える→知識の定着を評価する」の流れに対して、「遊びの世界→議論から科学的世界、知的世界への移行→他人の考えを知った上で自分の考えをまとめる→生徒の考えを肉付けした発展的講義」というステップを踏んで進める授業が話されました。実に興味深い内容でした。内容の項目は次のようなものです。二項定理、ピタゴラス数(中学2年)、7で割ったときの余り(中学3年)、(xn-1)の因数分解(高校1年)、放物線の内サイクロイド(高校3年)、極を使ったグラフ(高校3年)次に京都数楽教育研究会の黄瀬正敏氏による講演がありました。卒業を目前にした高校3年生に自らの高校生活を数式で表す課題を与えた実践で、その作品の数々を生徒の実像をまじえながらお話されました。その後参加者全員に、「限定した期間を数式で表す」というテーマが与えられ取り組みました。その結果を一人ひとりが皆に発表しました。数式を白板にマジックで書き自分の思いを紹介しました。これまでの自分の歩みを表すもの、今の自分を表すもの、これからの自分を表すもの、とさまざまでしたが、はからずも日本数学協会の会合にふさわしい自己紹介の機会にもなりました。次回第5回は近畿支部結成大会とし、9月25日(日)の午後に行う予定です。

(文責 高田加代子)


   日時 平成17年2月20日(日) 午後2:00〜  大阪教育大学天王寺キャンパス

第3回日本数学協会近畿支部設立準備会・数学講演会の報告

2月20日の午後、大阪教育大学天王寺キャンパスにおいて26名の参加で行われました。約半数が非会員の方で、会員外の方にも関心があるテーマだったと思います。
 まず、高田加代子氏による講演がありました(2時間)。これは高田加代子「暗号と数遊び」『数学文化』第2号(日本評論社刊)をレジュメにした詳細な説明があり、その後、電卓を使って実習をしました。公開鍵を使って暗号化し、秘密鍵を使って復元化する過程にはオイラーの定理が使われています。私は累乗と剰余の計算がうまくいかず暗号文がうまく復元できませんでしたが、暗号化はIT技術の最新の話題で、ここにも数学理論が生かされていることに感激するとともに、その仕組みの一端を覗けたような気がしました。暗号化はデジタル署名など今後の動向が注目されます。

 つぎに、菅原邦雄氏による「オルダム継ぎ手の模型作成」の説明と実習がありました(1時間)。これは昨年5月、西山がオルダム継ぎ手を報告し、そのときは木製の模型を示しましたが、直径の異なる2本のストローを使えば簡単に原理を再現できるというものでした。ストローとテレホンカード、セロテープなど身近な素材だけで見事に作られた氏の模型を触ってみる人、デジカメで撮影する人もいました。
 この日は2つの報告がありましたが、時間があっという間に過ぎました。次回は5月に清風高校で公庄庸三氏等の報告を予定しています。(文責・西山豊)


     日時:平成16年 9月26日(日) キャンパスプラザ京都

             13:30〜14:00 挨拶 日本数学協会会長       上野健爾
            14:10〜15:10 特別講演
                          「珠算技術者トップの実力はー日本と世界ー」
                                               益田 明(社団法人 大阪珠算協会常務理事)
            15:20〜16:20 一般公募報告

上野会長の挨拶 益田明氏の特別講演 一般公募報告

                                                                    場所:キャンパスプラザ京都

第2回日本数学協会近畿支部設立準備会・講演会 報告

9月26日キャンパスプラザ京都において33名の参加で行われました。
まず、上野健爾会長の挨拶がありました。
30分という短い時間でしたが、「塵劫記」、「勘者御そう紙」などから、江戸時代の人々がどのように数学を楽しんできたか、また、数の計算方法の進歩からコンピューターの計算の仕組みまで、軽快にお話し下さいました。次に、「珠算技術者トップの実力は・・・日本と世界・・・」と題する益田明氏の特別講演がありました。日本の教科書の中の暗算についての歴史の紹介のあと、中国で開催された第1回世界珠心算競技大会の映像が紹介されました。中国選手は日本選手の2倍早い、とのこと。中国選手の技術の背景にある方式の一つ「一口清(イーコーチン)」の説明がありました。続いて、立命館大学2回生十段の方の模範演技が披露されました。引き続いて、小寺裕氏と杉岡幹生氏による一般公募報告がありました。
少し内容量が多く意見交流の時間が不足だったように思いました。今後の会に生かしたいと思います。
(文責 高田加代子)



     日時: 平成16年 5月30日(日)  大阪経済大学
         13:30〜14:00  日本数学協会近畿支部設立準備の会
         14:15〜16:30  講演会
         14:15〜15:15  「博物館で見たオルダム継手」 西山豊(大阪経済大)
         15:30〜16:30  「対数表と計算尺--電卓の出現で消えたもの」 菅原邦雄(大阪教育大)
     

    場所: 大阪経済大学 B館22号室     

近畿支部設立準備会・講演会の報告

5月30日に大阪経済大学において24名の参加で行われました。準備会では、参加者が自己紹介と会への期待などを語り合いました。西山豊先生の「博物館で見たオルダム継ぎ手」では、仕組みの説明のほかに博物館めぐりの足取りや自作模型の回覧などがありました。また、オルダム継ぎ手が現在実際にエアコンの構造の一部に取り入れられていることが紹介されました。そして現場の技術者の方が送ってくださったという、その部品を皆が手にとって触っては考え、考えては触り・・・という光景がみられました。菅原邦雄先生の「計算尺・対数表―電卓の出現で消えたもの」では、まず電卓の歴史に続いて電卓以前の計算手段としての機械式計算機の歴史が紹介されました。いよいよ対数表と計算尺誕生までの歴史です。1614年のネイピアの対数に始まり1894年日本での計算尺製作開始、1901年孟宗竹を使った合板による計算尺完成、1960年日本のヘンミ計算尺年間100万本の出荷量、そして、1975年一般的な計算尺は作られなくなってしまう・・これらを写真や実物を取り入れて話してくださいました。最後に、用意してくださった対数方眼紙に参加者が各自メモリを入れて、掛け算をしてみました。終始和やかな雰囲気のなか、3時間がまたたく間に経っていました。

第2回は9月26日()13時半から16時半、キャンパスプラザ京都で開催の予定です。    2004.5.31 高田加代子 (文責)