日々の あれこれ
ESSAY


   「池があるから」 学校での池づくり


                                               学級だより「アンダンテ」 No.156   1999/03/03

       3年生の子が1年生のときに,南庭に池を作りました。名前は,レインボー池。

       池ができて少しすると,トンボがとんできたりしていました。でも,水がすぐにもれて

      しまいました。

       池を掘ってみると,池を作るときに入れた赤土が5cmほど。その下は,砂でした。

      それが50cmほど続き,次は,石です。

        学校に池を作るとき,より自然に近いものをということで,土だけで作ることがあり

      ます。土で作った池は,よくできた池だといわれます。でも,南庭の状態でそうしようと

      すると,とてもたくさんの土を入れ替えなくてはならなくなります。

       水が抜けて,ただのくぼ地になっている「池」を見ると,もう一度水を張りたいと,これ

      また余分なことを思ってしまいました。

       この前の夏休み(1998年夏)。自然志向に反するのですが,セメントを張ってみま

      した。

       2学期。水の入った池が,南庭にもどりました。周囲にセメントは見えますが,そのか

      わり,水がもれることはありません。

       しばらくすると,トンボのかわりに,石を持った子どもたちがあらわれました。石を投

     げ込んで遊んでいるのです。5匹いたコイはいなくなり,池の底には,石がたまりました。

      池があるから,石を投げたくなる。

      池らしくないから,石を投げたくなる。

      自分たちが作った池ではないから,石を投げたくなる。

      理由はともかく,石の上に水がのっている池になってしまいました。

      今日,体育の続きで,池のそうじをしました。先日,落合川から持ってきたガマや,会

     議室前の池から持ってきたアヤメを植えました。

      3年生の子達にとっては,まちがいなく,自分たちが作った池です。これまでも,石を

     投げ込んでいる子に注意をしたよと話してくれる子が何人もいました。

      さて,今日からは,どうなることか。池があるから,あれこれ考えます。なくしてしまえ

    ば楽なのですが,それより,池を通してあれこれ考えていくほうがいいのではないかと思

    います。                                 <1999/03/03>


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