とける」ということ /// ことば・・・記号と意味・・・ /// Sep 17 2001
昼放課に理科室の流しを洗っていました。
5時間目に授業のある6年生がやってきました。3年生のときに担任した子達でもあったので,
すこし,理科の話をふってみました。
6年生はちょうど,「水溶液の性質」,酸・アルカリの学習です。先週,準備室にアルミ箔の上に
塩酸をたらし,変化を見ているビーカーがおいてあったので「とける」という「ことば」について聞
いてみました。
「4年生のとき,食塩やホウ酸を溶かす実験ってした?」
C 1「うん,したよ。」
「そういえば,アルミ箔の上に塩酸をのせてあったよね。あれ,どうなった?」
C1「とけたよ」
「そっか,とけたんだ。食塩のように溶けたんだね。」
C1「そうだよ。」
すると,隣にいた子が
C2「えっ,違うよ。食塩のように溶けたんじゃない」
C1「でも,見えなくなったじゃない!」
自分で持っている授業ではないので,これ以上は控えました。
このあと,この子達はどのように学んでいくのでしょうか。
「とける」という記号としての「ことば」はもっています。しかし,そのことばがもっている「意味」
が,まだまだ不安定です。
「とける」という「現象」・「概念」これもまたはっきりしていません。現象と概念の関連をつかむ
ことができなければ,ことばが意味をもつことはないのでしょうか。
いままであまり意識してこなかったことですが,「学び」のプロセスはどのようなものなのか。
僕にとってはこのことを勉強しなくてはと思わせてくれた数分間の会話でした。