春の七草をみてみます
せりなずな ごぎょうはこべら ほとけのざ
すずな すずしろ これぞ七草
教室で七草の話をしたら,保護者の方が七草の
鉢植えをとどけてくださいました。
七つの鉢に分けて,花が咲くまで育ててみることにします。
春の七草は,「若菜」です。
青い色の食べ物が乏しい冬を越えて,野にところどころ顔を出した若菜を摘み,早い春を楽しむ。
これは,秋の七草が「花」を見て楽しむのに対照的だと思います。
身体が生きるための 春の七草。
心を満たす 秋の七草。
昔の人の豊かさが,ここにあるように思います。
そんな昔の人の生活に思いをはせながら,今年も,七草の季節を過ごしました。
「昔」といいましたが,私にとっては,それほど昔ではないのです。
今は床を張ってしまいましたが,玄関を入ると「土間」でした。そこには,籾殻を入れて,そのなかに
サツマイモを貯蔵して冬の間の食料にする穴があります。秋の終わりに山の畑の土手に穴を掘り,
その中に野菜を貯蔵していたことを覚えています。
今では,季節感のない野菜に囲まれています。
冬でも新鮮な野菜をたくさん食べることができるのは,とても幸せなことです。
それがどれほどありがたいことか。その背景に,どんな技術的発展が,また,環境負荷があるのか。
できればこういったことも考えておきたいのです。
せり
なずな
ごぎょう
はこべら
ほとけのざ
すずな
すずしろ
もうひとつの 「ホトケノザ」
理科の教科書に「ホトケノザ」として載っているのは,この草です。
まったく別の植物なのに,どうしたことでしょう。
その元は,日本のリンネと呼ばれる 小野蘭山 の誤解によると聞いた
ことがあるのですが,それ以上はわかりません。
「ホウガイソウ」とか「サンガイグサ」という呼び名が広まれば混乱が少な
くなると思うのですが,どんなものでしょうか。