なんでも 理科室
NANDEMO RIKASHITSU


授業ノート
NOTES OF WORKS


生物学習の評価のポイント 「関心・意欲・態度」の評価一覧
                                     =どこに目をつければ見えてくるか

                             「楽しい理科授業」 (明治図書)
                                         No.308  1992/12  p.53
                             岡崎市立竜南中学校  小 田 泰 史


「関心・意欲・態度」とは

 物事に対して関心があるということは,そのことに対する知識欲であったり,勉強することに対して
楽しさを感じることである。さらに,関心をもつことによって,「意欲」的に取り組むことにようになり,そ
れが「態度」となって目に見える形で現れると考えることにする。
 言うまでもなく,知識欲とか楽しさというものは目に見えないものである。したがって,教師の目を通
して,「関心」を評価することはできない。我々が目にできるのは,生徒の具体的な行動として現れた
「意欲」の一部,それと「態度」ということになる。
 では,具体的な授業の場面で評価のポイントとなりそうなところをいくつかあげてみる。

「動物のからだのつくりとはたらき」

◇自分のからだを調べたり,数値を予想するとき
 脈拍をはかり,そこから心臓がどのくらいの量の血液を送り出すか計算してみる。1分間,1日,1年
とおっていくと驚くほどの数字になる。
 ここでは「ノートによる評価」ができる。

◇カエル等の解剖をするとき
 取りかかりに多少の抵抗があるものは注目すべきものがある。
 たとえば,カエルの解剖は初めは嫌がったりしても,途中から(開腹のころ)は興味を示す生徒が多く
なってくる。
 ここでは「観察チェックによる評価」をしていきたいので,できれば解剖を生徒実験としたい。評価のた
めには生徒の記録物も欲しい。
 スケッチさせるのであれば,それは略図程度にとどめたい。生徒の関心とスケッチのでき具合は,必ず
しも一致しない。「カード・ノートによる評価」として授業後の感想を書かせたほうが生徒の内面までみるこ
とができ,評価に役立つ。

「身近な生物とその生活」 

◇校庭や校外に植物調査にでかけるとき
 このような野外観察では,その記録の中に,自分なりの新しい発見があるかどうかに注目をしていきたい。
 タンポポについて集中的に観察させるなど,視点を限定しておくと評価しやすい。
 ここでは,「観察チェック・カードによる評価」ができる。

「きらい」だけれど

 カエルの解剖をやりたくないという生徒がいる。でも,その生徒には,カエルがかわいそうだからという理由
がある。
 2分野の「関心・意欲・態度」について評価するときには,教材に対して何らかの拒否反応を示す子のいるこ
とを考慮すべきである。もちろん,こういう子に対して,それだけを理由に「関心・意欲・態度」に低い評価を与え
るべきではない。こういったことも評価のポイントとして忘れてはならない。


  7年も前の原稿です。これを書いたころに教室にいた子ども達は,昨年(1999年)成人式を迎えています。
中には,教育学部にすすんでいる子もいます。大学の研究室で公開しているデータベースをみていたら,この
原稿が登録されていました。それで,ここにものせることにしました。
「教材に対する拒否反応」が一番激しかったのは,私でした。あの,足のないは虫類がだいっきらいです。なの
にこれ,教科書には登場します。定期テストにはもちろん使いません。でも,市販の問題集やプリントにはお構い
なしに出てきます。それでも,子ども達はやさしかったですね。教科書の都合で黒板には○をかいてその中に
「へ」と書いていました。ちゃんとそのとおりに書いてくれる子がいるのですから。 それもけっこうたくさん。
 こうすることの是非は,ここではふれないことにします。


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