なんでも 理科室
NANDEMO RIKASHITSU


     メダカ ―ことばの記憶と絵の記憶―         Jul 20,2002


理科「メダカのたんじょう」の学習です。
ここでは,まず,メダカのオスとメスとを区別します。
さて,このとき私たちはどのようにして「記憶」するのでしょうか。

子どもたちはフロッピーディスクに記録するタイプのデジタルカメラを使っています。
画像の記録は文字の記録に比べて大変大きな容量が必要なことを知っています。
これと同じことが人間の記憶についてもいえることを話しました。
絵として記憶することは,ことばとして記憶するよりはるかに大変ということです。
メダカの雌雄の区別を絵ではなくて文字で記憶することにしました。

    オスは しりびれが大きく 背びれに切れ込みがある
    メスは しりびれが小さく 背びれが丸い

と覚えました。
この後,背びれ,しりびれの描いてない絵にひれを描き加えてみます。
記憶することばには,否定語を使わないようにしました。
背びれのところで「切れ込みが無い」としないということです。
肯定の文は絵に描くことができるけれど,否定の文は絵にかくことができないからです。

さて,ここまで準備したら,実際にメダカのオスとメスとを区別してみます。

  

100mlのビーカーにメダカを1匹ずついれました。
これを一人ひとつずつもっていきます。

 

雌雄の区別は「記憶」しているので,自分が持ってきたビーカーの中のメダカ
を観察し,雌雄の判定をします。
ペットボトルで作った水槽に入れます。

メダカに卵をうませ,子メダカをそだてることが目的です。1匹目のメダカがオスなら
メスのメダカを,メスならオスのメダカがもう1匹必要です。
二つ目のビーカーをもってきたら目的の性別かどうかを確かめなくてはなりません。

 



  自分で確かめ,隣の子にもみてもらい,慎重に
 確かめていきます。ここで間違えば,卵が生まれ
 ないのですから。










  もし同性のメダカだったら,同様の子のメダカと交換したり,
 テーブルの上のメダカと交換したりします。








  教室の後ろには,ペットボトル水槽が38本並びました。
 オスメスの判定が正しかったかどうかは,もう少し先になります。





 卵を生んでほしい。卵の育つ様子を見たい。という気持ちでいっぱいです。
 ですから,何もいわなくても自分の水槽の観察に行きます。隣の水槽も気になります。
 
 メダカの雌雄の判定結果は・・・途中で死んでしまったメダカがいたりしたので正確な数字は
出せないものの,ほぼ100%正解でした。
 40日後のペーパーテストでは,正答率95%でした。

 図を先行させたものとの比較はできていませんが,「ことば」で記憶することは効果があると
考えています。


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