なんでも 理科室
NANDEMO RIKASHITSU


     初等教育研修会         筑波大学附属小学校
                                   2004年2月19・20日


 

久しぶりに,「初等教育研修会」へ参加しました。
参加者は,北海道から沖縄まで,各地から集まります。
いろいろなことばを聞くことができます。
ふと・・・国語の「方言」教材は,ここで取材できるかもしれないなと思って
しまします。
一人で参加していることと,ここでは知人にあわないこともあって,ぼくの
三河弁は響いていません。
今回は理科の会場で一度発言しているので,無意識に三河弁になってい
たかもしれません。
知人にあわないと思っていたら・・・帰り際に!!同じ市内から,それも理
科の教員が来ていました。

「研修会参加のコツ」
世の中いろいろなコツがあります。同じ研修会に何度か参加すると,ちょっと
要領がよくなります。
いくつかここに。
ま,参加される皆さんが全員実行したら,これはもうコツではなくなってしまい
ますね。

地下鉄の最寄り駅は,丸の内線茗荷谷駅。小さな駅ですから,帰りの切符
売り場は大変な混雑です。御茶ノ水大附属小の会が重なると,待ち時間は
大変なことになります。
帰りの切符は,ぜひ早めに購入しておきましょう。
ぼくは,地下鉄に乗るとき「メトロカード」を購入しておきます。一泊のうちには
あちこち乗ります。残れば次回に使うこともできます。なによりも,便利です。

 それにしても,大変な人の数です。
 黒板の前に授業者。
 人の谷間に子どもたち。
 この写真を撮って,出てきました。

 (学習公開,理科室での授業)






 これは,初等教育研修会の
 提案授業です。
 場所は,体育館。
 





----【理科;提案授業 6年 水溶液の性質】----------------------------------

  

 

理 科のテーマは「 子ども理解と授業の成立」。
提案の趣旨として

 理科は,「自然を対象にしながら問題を自分のものとし,解決を求めていく
プロセスを通して,共生・共創する資質や能力を育てる」という教科である。
自然の認識が直接の目的になるのではなく,自然は媒介であり,その自然
を媒介にして共生・共創の資質や能力を育てることが本質的な学びではな
いか。
 知識や見方・考え方は結果として身につくものである,という考え方である。
 共生・共創の資質や能力とは,「多様性の尊重」「協同的な思考と表現」
「創造された価値の共有」という三つの条件を満たすことである。

ということが示されている。
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研修会の議論より・・・感想も含めて

 塩酸の中に水素があるかということを議論している子どもたちを通して,子ども
の本質を知りたいという授業者の目的がある。
「NaClが水に溶けることとAlがHClに溶けることの比較なら検証可能なのに,なぜ
検証不可能なことを議論するのか」という問題が提起された。
子どものもっている「問い」は,彼らにとって検証不可能である。検証不可能なこと
を議論する価値はあるのかということである。
 
 理科は,子どもたちが事実を付き合わせていく中で意味を考える授業である。
子どもたち同士で「対話」をすることで新たなものが創造できる。
                           …ところで,「新たなもの」とは?

授業者の露木先生から「子どもに余計な混乱をさせないために,教えるべきことは
教える」という発言があった(Al・FeとHClとの反応の議論において,Al・Feが単体
であるということ。これを子どもに余計な混乱をさせないために教えるという)。

授業の目的が「対話」である。このとき,検証不可能な議論をすることにどのような
意義があるのか。科学(的知識)が科学者共同体の合意といわれるように,教室と
いう学習者共同体のなかで対話を通して合意を追究していくと考えることができる。
             ・・・・・このあたりの議論で,発言してきた。
                 前半は,どうしても発言は少なめ。
                 こういうときにはとにかく議論に参加しないと。  
             
 子どもたちは,数年先には科学的事実を学ぶ。今は,塩酸の中に水素があるか
どうかというより子どもたちの知的認識を理解することを大切にしたい。
 一方,子どもたちは,教科書的知識を教室外の情報からすでにもっている。それ
らを使わずに議論している声もあった。

      学習者共同体
        学習者が探索的に学習する過程で,自らの知識を構築し,他のメンバーと
        知識を共有する「学習者共同体(community of learners)」
        (Brown and Campione, 1994; Mcgilly, 1994) (岐阜大のサイトより)
     このことばがあるのかどうか知らないままに話してきたけれど,どこにでもいる
     小学校教員が思いつくことばなどは,当然のように世の中には存在するわけ
     です。

 たしかに,この討論の過程こそ「科学」であるということはよくわかります。
 純粋に討論し,学習者共同体としての合意ができたとき,子どもたちは「科学の楽しさ」
を味わうことができます。
 しかし,この合意が,科学者共同体の合意と一致するかどうか。
 ここでは,これは重要ではないということである。
 
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この言葉だけがすべてではないが,「教えるべきことは教える」という言葉を筑波
の会で聞くとは,実は,思いもしなかった。この議論は大きく意見が分かれていた
が,結論となる意見はでなかった。 
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グループや黒板での討論の道具として,半球モデルを使っていた。
塩酸も1つの半球であらわしていた。
HClということで,2つの半球を使ってしまいがちだが,ここで1つにしてあるところが
討論になるポイントではと思う。1つだからこそ,さまざまな考え方が出てくるのでは
ないだろうか。

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昼食と,夕食後による店があります。
茗荷谷の駅から,少し東に歩いたところの2階です。
ここに行く楽しみは,はずせません。
ランチタイムは,大変な賑わいです。
マスターが「いくら忙しくても,味は落とさない」
と話してくれました。
この話,意味が深いですね。授業にも通じます。
お店の名前?ここに書く了承を得てないので遠慮しておきます。
さがして出かける価値は,十分にあります!花の名前です。


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