オーハウス精密天秤

 デジタル天秤が普及して出番がなくなった物理天秤だが、力のモーメントのつりあいを考える良い教材なので、実験室の常設展示とした。生徒が自由にさわれるように公開している。あえて解説はしない。観察してその仕組みを考えてもらおうというもの。

 秤量150g、感量10mgの精密天秤だがなかなかスマートな作りで気に入っている。右の皿に物体を乗せ、アーム上のスライダーを動かしてラフにバランスをとったあと、アームの右側のバーニヤで精測する。
 バーニヤ部拡大。銀色のシリンダーがスクリューになっていて微動する。先端位置で100mgの位、シリンダー上の目盛りで10mgの位を読む。

 アームの先端には渦電流を利用したダンパーがついていて、揺れをすみやかに減衰させる。茶色い銅板を両側から強力磁石がはさんでいる。原理は単純だが随所に工夫がみられ、完成度の高い道具になっている。こういう知恵は大切にしたいものだ。

 このように遊休物品はどんどん生徒にさわらせて活用しよう。死蔵するよりは壊されてもさわってもらった方が有益だ。

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