例会速報 99/05/19 柏陽高校
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超伝導 市江さんの発表
市江さんが、かねて念願だったイットリウム系高温超伝導物質の焼成に成功!実験のもようをビデオでレポートしてくれた。詳しくはこのたび開店した横浜物理サークル苺IAのページへ。
焼き上がった超伝導体ペレットに液体窒素を注ぐ(左)。割り箸でつまんだネオジムリング磁石をそっと乗せると・・・
あ、浮かんでる!!ゆっくりと回転する幻想的な浮遊感を動画でお見せできないのが残念。
スィートスポット 右近さんの発表
バットやラケットの「スイートスポット」にはどんな物理的意味があるか。右近さんは種々の参考文献にあたり、(1)跳ね返り係数最大、(2)ボールの運動量最大、(3)バットやラケットの振動の節、の3つのアプローチをそれぞれ整理した。下の画面はインタラクティブ・フィジックスで(2)のシミュレーションをしているところ。詳しくは次号YPCニュースで。
花子による手作りスリット 水上さんの発表
花子で作図したパターンをレーザープリンターでOHPシートに直接出力して、光の干渉実験用のスリットを量産した。このごろ千円以下で手にはいるようになったレーザーポインターと共に生徒に配って、手軽に生徒実験ができる。
壁に映ったレーザー光の干渉縞。
+−板の紹介 水上さんの発表
マグネットシートにボール紙の円盤をはりつけただけでできる「+−板」。たくさん用意して静電気の説明に使う。導体中にはあらかじめ+−の電荷が同数存在する。電子の移動を行った後で、同じ場所に存在する+−を一組ずつ取り去っていくと、いつのまにか静電誘導の図になっている。+電荷が移動しないのが説明のミソ。
F=μNの演示 水上さんの発表
水上さん得意の教室出前型実験。最大摩擦を水のおもりを使って直接測定する。ゴムシートを敷いてμを増したり、床下に仕込んだ磁石でNを増したり、アクセサリも充実している。何より「お手軽」がウリ。
戦車の綱引き 水上さんの発表
右近さんが開発したおなじみの「戦車の綱引き」実験を水上流にアレンジした。作用反作用から綱引き必勝法へとアプローチする。どうしたら勝てるかを生徒に討論させ、一つ一つ実験して確かめていく。
足元が滑らないようにゴムシートをしいたらどうだろう(下左)。相手が戦車でなくただのおもりなら、重いほど摩擦が大きく動きにくいのは直感的にわかる(下右)。そして戦車同士でも、モーターの強い方ではなく、重い方が勝利するのである。
Lodgeの電気共振実験 右近さんの発表
Lodgeが1888年に行ったとされる電気共振の実験だ(島津製)。コンデンサーとしてライデン瓶が用いられている。1ループのコイルと共にLC回路が形成されている。送信機側(左)には誘導コイルをつないで電源とし、固有周波数の電波を発生させる。向かい合わせに置かれた受信機側(右)では、この電波に共振して電気振動が起き、付属のネオン管が点灯する。
受信機側はライデン瓶を可変コンデンサー(バリコン)に切り替えることもでき、固有周波数を変えると受信できなくなることも示せる。
右近さんによれば、Lodgeがこの実験を開発したのはHertzより早かったが、ライデン瓶を組み入れたこの回路だと電波の波長が長くなりすぎて、電磁誘導ではないことを明確に示すことができなかったため、有名なHertzの実験に先を越されてしまったのだという。
誘導コイルの代わりに、前々回右近さんが紹介してくれた直流高電圧回路でも同じ実験ができることを確認した。スパークギャップを調節すると、コンデンサーに電荷がたまるたびに間欠放電が起こり、ちゃんと電波の送受信が確認できた。
半球の不思議 喜多さんの発表
喜多さんが持ち込んだのは、プラスチックの透明半球。
ルーペとして機能する。1.5倍ぐらいに拡大されているようだ。でも、はみ出した方眼の分はどこへ行っちゃったの?
半球をどけてみると、あら不思議。下には文字が隠れていた。この半球には死角があるのだ。
この半球の半径をR、屈折率をnとすると、十分上方から観察する場合、全反射のため断面の中心からr=R/nの円外にある部分は見ることができない。上の写真からみると屈折率はn=5/3.3=1.5ぐらいのようだ。
二次会 大船銀座「栄寿司」にて
今回は皆さん忙しかったとみえて、例会参加者も少なかった。恒例の二次会もご覧のとおり。二次会の人数が10人を切ったのは何年かぶりだ。でも、おかげで大勢では決して入れないとっておきのお店で、安くて旨い鮨をたらふく食べることができた。
それでは、カンパーイ!
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