NetaTaneMenu >>>> 立方体の射影
*立方体の射影
----
COLOR(red){京都大の○○先生のアイデアです。}SIZE(9){敢えて御名前は,控えておきますね}
その先生の研究室で,
1回生が課題の立体を持ってきたので,その様子を見ていました。
すると,立体は全て立方体の箱にきっちり
入りますが,直交する3方向から見て正方形に見える仲間だというのです。
しかも,条件があってその立体の頂点は,

COLOR(green){立方体の頂点か辺の中点をとること。}

COLOR(green){形は,凸で極小(これ以上小さくすると凸でないか,正方形に見えない)であること。}

です。
学生は,14個作ってきたのですがどうやら違うようです。
私も指導の下,下記の図のように作りましたが,明らかに間違っているのが
3個ほどあります。潰すのがもったいなかったので。
「展開図を頭に描いて糊代付き立体を作成すると,本当に難しく立体感覚が身に付く」と小波先生が言っていたのを,つくづく身に染みています。

#ref(rippou.JPG,center)

どなたか,数学的な解答(何個存在するのかは教えてもらいました。全ての展開図も知りたい。時間無く力尽きた・・・)を頂けません?  by kawasaki

----
 COLOR(#fe891c){面白い}ですね。元が四面体だったらとか,連結性は?・・・って凸だっていうからには連結か。もちろん面は全て平面なんですね。つまり凸多面体。でも時間がありません。しくしく。
----
 COLOR(#fe891c){時間が少し}できました。考える時間というよりは絵を描く時間ですけど。

 1つ次元を下げて平面で考えて見ましょう。
:平面での問題:
 つまり,図形は全て正方形の中にきっちり
入りますが,直交する2方向から見て正方形の幅の線分に見える仲間って?どんなん?
しかも,条件があって,

+COLOR(green){その%%立体%%平面図形の頂点は,正方形の頂点か辺の中点にとること。}
+COLOR(green){形は,凸で極小(これ以上小さくすると凸でないか,正方形に見えない)であること。}

 さて,この問題を理解するために絵を描いてみました。

#ref(path5230.png,center)

 5つ並べていますが,右から2番目の橙色のものは条件に合いません。
左端のものと同じ赤い対角線に「小さく」しても大丈夫だからですね。

 では,平面の場合この4種類だけ!でしょうか。
(あるいは残りの4つの中にも不適格なものがあって3種類とか2種類とか?)
どのように説明できるでしょうか。
----
 さて,上の「平面での問題」が解決できれば,本来の3次元の立方体の問題では,
立方体の各面に表れる図形は「平面での問題」で得られたいずれかのものということになります。
(って本当にそうかな?)
その可能な組合せを検討することで,問題が解決しませんか?

 更に4次元,5次元,と高次元についても,この手法を繰返し使えます「か」?
----
 というわけで,また少し手が空いたので,本題に戻りましょう。
#ref(g4367.png,center)
左側の方は裏面(見えてないところ)は何通りでしょうか?
それとも正四面体に限定されますか?どうでしょう。
そして右側は?こちらも裏面はどうなるのでしょうか。
----
COLOR(red){毎度毎度感嘆いたしますが,本当に綺麗な画像にされて分かりやすく説明して頂けますね!!} 私の場合,実際手で作ってみなければイメージできないタイプなので,ここまで整理されるとは素晴らしい。

大体,自分なりに解釈していたことと同じ周辺だなぁとホッとしています。手元に具体物が無くて,恥ずかしながら今確認ができません。ただ消去法で何個できるかの詰めで苦しんでいます。上記の図は,立方体に触れている図形のことでしょうか?右から2番目の図は,同感と言いますか自分の解釈の後押しになってラッキーです。

ということは
#ref(orokana.JPG,left)
は,ダメですね。(実際作った後でも納得しました。)

しっかり題意を吟味していないのですが・・。では,これは? 
#ref(korewa.JPG,left)
----
 COLOR(#fe891c){今回は}inkscapeというソフトで絵を描いてみたので,元は綺麗なのですがどうやら部分保存する際に美しくなくなった(かすれたりした)ようです。設定が悪いのかも。

 という話はおいておいて,上の直角三角形はただの対角線に「縮退」(勝手にそれらしい用語を使います)できますよね。幅のある(面積のある)図形という条件はありませんので線分でよいわけです。この「縮めることができる」という部分をきちんと吟味すれば意外と簡単かも。

----
京都大学の立木(ついき)といいます。
最初に, kawasaki 先生の訪問を受けたものです。
この解は,15通りあります(その中の一つは鏡像をもっています)。
それらは,COLOR(red){京都大学総合博物館}に今年の8月7日から展示してあります。機会があったら見に来てください。これは,kawasaki 先生の訪問中に来た学生(総合人間学部,寺山君)が作ってくれました。非常に丁寧に作られてるのがこの写真でも分かると思います。

(正面のガラス張りの所にあるので,入場料を払わなくても見れたりします。)

#ref(15syurui.jpg,CENTER)

15種類の求め方ですが,12個の各辺の上に頂点があるようにすればいいことは,すぐに分かると思います。立体の頂点と立方体の頂点がややこしいので,立体の頂点は「丸」と呼ぶことにします。12個の辺の上に丸があるようにする訳ですが,それらは,立方体の頂点にあるか,辺の中点にあるかです。ですので,立方体の頂点にある丸の個数とその場所の組み合わせについて,順に考えていくと,簡単に求めることができます。ある頂点とそれにつながった3つの頂点に同時に丸を置くことは凸性からできないことに注意してください。立方体の頂点の方を定めると,辺の両端とも丸がないときに辺の中点に丸を置けばいいことになり,辺への置き方は一意に定まります。

この結果は,来月に,京都市内の中学を訪問して,これらの立体を用いたワークショップの授業を行う予定なので,それが終わってからホームページにも公開するつもりだったのですが,こんなところで盛り上がっているので,一足先にこの WIKIに公開します。

私のホームページに,博物館に置いてあるいろんなオブジェやそれと関連した数学の紹介をしてあるので,よかったら見に来てください。今までに小学校などを訪問して行ったワークショップの説明もあります。

[[//www.i.h.kyoto-u.ac.jp/~tsuiki:http://www.i.h.kyoto-u.ac.jp/~tsuiki]]


トップ   新規 一覧 単語検索 最終更新   ヘルプ   最終更新のRSS