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 *授業「フラクタル」高1生
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 COLOR(red){5月31日(木)}
 
 1ケ月前に,年間指導計画を作り,生徒向けにガイダンスをしました。10名が興味を示してくれました。
 フラクタルの高校1年生向け1学期分のテキストを作成して生徒に配布して第1回の授業をしました。フラクタルの紹介をして,フラクタルの定義と種類を簡単に説明したわけですが,
 
 (1)縮小写像
 
   距離を縮めるような写像を考えて,縮小率(0<λ<1)を定義しました。1対1対応から逆写像の存在によって,拡大の概念を説明しました。縮小写像の性質について証明するのは,高校3年生でしようと告げました。
 
 #ref(syuku.JPG,left)
 
 (2)自己相似集合
 
   自己相似集合の定義を示したのですが,数学記号に慣れていないので,イメージ付けを狙い,縮小写像されたXの部分集合を沢山集めて,X自身を被覆(この言葉も高校1年生では理解不能)する例を示しました。苦しいですが,何とか理解はしてくれました。
 
 #ref(jiko.JPG,left)
 #ref(teigi.JPG,left)
 SIZE(9){さすがに,ハウスドルフ空間(大学1回生の後半〜2回生辺りの内容)まで踏み込むことはできませんが,参考程度に示しました.大学数学って抽象的なことをするだぞとか.}参考文献:フラクタル数学 石村貞夫・石村園子
 
 (3)フラクタルの種類
 
   アフィン・フラクタルとランダム・フラクタル位しか,1年間では扱えないです。マルチ・フラクタルのような複素数関数を利用するものは,意気込みのある生徒に対しての個人対応で行うことにしました。
 
 (4)人工的なフラクタル図形として,
 
 コッホ曲線構成の見方について,視点を教えました。線分の長さ等を求めるには,等比数列を教えなければならないのですが,EXCELを使って計算させようと思い,まずEXCELのレクチャーをしたわけです。
 吃驚しました。EXCELを使いこなせる生徒が少ないこと。中学校や情報の授業では,関数を作ったりして頭を使う処理をしていないので,生徒は「面白い!!」と飲めり込んでしまいました。その時の目は,生き生きしていました。(今日はここまで,次回は等比数列から入ります)※ラボの様子の画像はまた掲載します。
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 COLOR(red){6月7日(木)}
 
 今日は,等比数列の一般項と総和を指導して,コッホ曲線の変換の様子と線分の長さや三角形の状態を調べさせました。
 
 (1)2,6,18,54,・・・の第10項をexcelで求めさせましたが,1週間ぶりの授業。式を作ってコピー・ペーストという単純なexcelの作業も知らないということが判明しました。びっくりしたのは「一般項を出してみなさい」と発問しましたら,excelで計算できると思った生徒がほとんどで,excelが便利な万能計算機と錯覚しているようでした。
 
 (2)同様に,上の数列の第10項までの総和を計算させようとしましたら,cellに挿入する式を捻出することができない。う〜ん。情報の授業っていったい何を教える予定なのだろう。どうやらデータを入力してグラフウィザードを起動してハイ!お終いらしい。情報の授業以外の教科で情報機器を導入する指導をしなければならないということが,明確になってしまいました!!!
 
 #ref(060701.JPG,left)
 
 COLOR(red){「情報の授業じゃねぇ!!」}と怒りながら教えていましたが,あまりに生徒が面白い!と喜ぶのでサービスで教えました。でも,数列の第10項や,初項から第20項までの和の数値計算を求めさせる時に,セルに代数計算を考えさせることをしたのですが,
 最初は全く思いもつかなかったようです。教えた途端に,こんなことで感動してくれるのかと呆れてしまいました。もっとビックリしたのは,一般項を求めよとしたのですが,その式もexcelで求めようとした行動。素直で純真というか便利だと思えば,疑いもなく文明の利器に心酔してしまう恐ろしさを感じました。
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 #ref(peano.jpg,left)
 うまく解釈できないのですが,5という数字を利用しているのでしょうか?
 
 COLOR(red){1週間に1回}の授業で,tree位が限界かな?と思っています。生徒に作らせるものとして,実生活に繋がる・自然科学に融合するものを中心に扱おうと考えています。ペアノ線までは・・・残念です。
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 COLOR(#fe891c){説明抜きですみません}でした。ペアノ曲線です。先週のコマネチ大学がペアの曲線だったもので,metapostで描いてみなくちゃと思っていた矢先にこの記事で,ついつい貼り付けました。ペアの曲線はフラクタルですか?などと訊いてみたりする。
 
 COLOR(red){アフィン・フラクタル}と思っていますが・・。最初に与えられた形状があり,平行移動,回転移動,相似変換をして増殖していくと見ましたが・・・。えっ!違うのでしょうか・・・。
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 COLOR(red){下図のように} 
 同じコッホ曲線でも
 
 (1)線分という1次元の世界から見ると,線分の長さの総和は∞
 
 (2)三角形の面積という2次元の世界から見ると,三角形の面積の総和は0
 
 では,該当次元log34という世界でみると,その値は,幾つになるのでしょうか?
 
 #ref(koch.JPG,left)
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 COLOR(#fe891c){ペアノ曲線の場合は,曲線だけで平面を埋め尽くす(充填する)ようにみえます。1次元なのに2次元?。}
 コッホ曲線の場合は曲線が「擬似的に?囲む」図形の面積を問題にするのですか?
 では,ペアノ曲線の場合は,どの部分の面積になるのでしょう。うーん。と尋ねてみたりする。
 
 COLOR(red){マンデルブローは,その次元の概念を新たに定義して}1次元と2次元の間にも次元が存在するとしています。位相次元と言うのでしょうか・・。コッホ曲線の場合で面積からのアプローチは,参考文献を見て初めて知りました。ペアノ曲線にも何かの図形の内部面積に自己相似集合をあてはめることには,無理があるようにも思えるのですが,可能なのかな?
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 COLOR(red){6月14日(木)}
 
 今回は,コッホ曲線とシェルピンスキーのギャスケットの性質をEXCELや等比数列の特徴を生かして,表に記入をさせました。
 
 それぞれの図形に対して,縮小率λ→「"入"るって何?」と聞かれた時は,面白かったですね。線分数(個体数)nを確認させて
 
 #ref(061402-1.JPG,left)
 写像によってできた集合を
 
 写像した回数,小線分の本数,小線分の長さ,小線分の長さの総和
 
 小三角形の個数,小三角形の底辺の長さ,小三角形の2等辺の長さ,小三角形の高さ,小三角形の面積,小三角形の面積の総和
 
 縮小をして第1世代の図形の枠をはみ出さずに,被覆するようにを意識させました。
 また写像の回数を∞回した場合に,線分の長さや図形の面積の総和が
 どのように変容するかをEXCELの数値の変化から予想させました。
 
 ご存じのように,
 r^nで公比が,0<r<1のとき0, r=1のとき1, 1<rのとき∞
 #ref(061406-1.JPG,left)
 となる予想は,容易く答えて
 発見してくれたことは成果でした。(これ以上厳密にはしていません)
 
 次に,同様な相似集合が正六角形でも行えるかどうかを
 作図させました。その際にも縮小率と個体数を計算させて
 終了しました。次回は,カントール集合と内部自己相似集合と
 黄金分割について学習する計画です。
 
 ちなみに,縮小率と個体数の数値は,後々授業の進度によっては
 次元が扱えるかもしれません。
 その数値を利用できるならばと,あらかじめデータとして取っている
 次第です。
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 COLOR(red){6月21日(木)}
 
 まず,シェルピンスキーのギャスケットに倣って,正六角形の自己相似集合を作成させました。縮小率は計算によって求めさせて,画像処理ソフトで確認させて描画させました。画像処理ソフトは,計算した結果を実現させるのに手頃です。生徒は順応が早く,しかも器用にマニュアルも必要なく,少しレクチャーすれば見事に造形してくれました。「すごい!綺麗!」「面白い」というような声を連発してくれましたが,フラクタルの不思議な構成に対するものではなく,ソフトの利便性に対するもの。授業が本末転倒にならぬように自制させるのに苦労しました。コッホ曲線が表れることに気づかせなければならないですからね。
 #ref(062100.JPG,left)
 次に,カントール集合の概略を説明して,次元には整数次元以外にも実数まで広げる概念があることを教えました。
 
 COLOR(red){内部自己相似集合}は,人工的な図をより自然に近い表現に近づけた概念です。
 #ref(062103.JPG,left)
 #ref(062104.JPG,left)
 SIZE(9){参考文献:石村貞夫,石村園子,『フラクタル数学』,(株)東京図書,1997/9}
 
 そこで,題材を多角形にしていますので,黄金三角形と黄金五角形のフラクタル図形を
 画像処理ソフトで描かそうとしました。生徒には,縮小率は教えず,
 #ref(062105.JPG,left)
 SIZE(9){参考文献:H.ヴァルサー[著],蟹江幸博[訳],『黄金分割』,(株)日本評論社,2002/10}
 
 構成定理に従って描かれていることを示しました。
 #ref(062108.JPG,left)
 COLOR(red){時間が無くなってきたので,次回の授業では,縮小率の求めて作図することをテーマにして,そのヒントとして,図のAB:AC=BC:ABであることに注意させて終了しました。}次回の授業は,期末考査を挟みますので3週間後になります。
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 COLOR(red){7月12日(木)}
 
 期末考査明けの最初の授業でした。たぶん前回の授業の記憶は飛んでなくなっていると思い,簡単な復習をしました。前回の授業で黄金図形のフラクタルが内部自己相似集合である話をしましたので,その縮小率について考えさせました。x>0において1+x:x=x:1という比例式で2次方程式を作り,解を求めさせてその比が黄金比であるということを確認させました。フィボナッチ数列の各項の比と黄金比との比較をexcelで導出した生徒もおりました。黄金比が(1+√5)/2であることが拡大率であるということ。拡大率と縮小率は,逆数の関係だから,分母分子を入れ換えて有理化をすれば縮小率が求まることを指導して,
 実際にその数値で黄金三角形のフラクタル図形が出来上がるかどうかの確認作業をさせました。
 
 授業の終わりに,夏休みを通して立体のフラクタル図形を作ろうということになり,彼らに製作例の幾つかを示しました。目敏く予想通り「シェルピンスキーの四面体」を作りたいと言いました。以前からお世話になっているCOLOR(red){京都大学立木先生}監修の自家製のモノ(校舎と校章の図)を見せました。
 
 次週の授業は,その製作手順等の話し合いをすることになります。
 #ref(shimentai.JPG,left)
 
 COLOR(#fe891c){ガスケットになってない}んですね。というか所謂フラクタルでもない?(いやまあ,フラクタルっちゃーフラクタルなんですが…。)全部同じ大きさの正三角形で切り抜くとそれはそれで面白いですが,…

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