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 *2008(Fractal)2学期
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 COLOR(red){SIZE(18){9月11日,18日(木)11th.18th.Sep}}
 
 今年もスウェーデンの高校生との協同研究を行います.11日に生徒に報告して
 18日16:00〜には,自己紹介が実現しました.
 昨年嵯峨野が発表した「Chaos Game」,「Fractal Dimension」を先方がすることにしました.
 今年の嵯峨野はアフィン変換による描画とマンデルブロ集合について
 発表することとします.
 画像と音声がクリアーなのが好評で,30分間の交流が打ち解け合って1時間に伸びてしまいました.(歌や演舞など脱線してしまいましたが...)
 #ref(2008091803.JPG,left)
 
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 COLOR(red){SIZE(18){9月25日(木)25.Sep}}
 
 約2ケ月後のマンデルブロ集合の発表に向けて,複素数やガウス平面,漸化式の
 知識を持っていなければなりません.本日は,複素数(演算まで)とガウス平面(2点間の距離まで)を突貫でしたが教えました.生徒からは,「難しい」という言葉が無かったので,程良い内容で落ち着きました.
 
 #ref(200809251.JPG,left)
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 COLOR(red){SIZE(18){10月2日(木)2.Oct}}
 
 本日は漸化式についてのレクチャーをしました.まず実数定数の係数での1例を示し,初項から第5項を順次求めていく計算をさせました.続いて,あえて収束・発散する事例を1つずつ示して,極限がどうなるのかを考えさせました.さすがに,一般項を求めたり,極限の概念や極限値を求める手法は知りません.しかし,彼らなりに苦心して求めようとする姿勢が見られ,そのための考える時間を与えました.途中一筋縄でいかないから諦めずに,「何か都合の良い道具がないのか?」と発問したところ,EXCELを使い始めて計算し出す生徒が現れました.それに反応して何人かが続いて,収束・発散の実態を把握させた次第です.
 #ref(100202.JPG,left)
 #ref(100203.JPG,left)
 次に複素数の世界に移り,
 
 Z1=1+i,Zn+1=(1/2)Zn+1
 
 Z1=0,Zn+1=Zn^2+(1+i)
 
 の初項から第5項を順次求め,ガウス平面上の点がどのような動きをしていくのかを考えさせました.2つ目の式で原点を初項にしたのは,原点からの距離を意識させるためです.距離がどのようになれば,発散すると解釈してしまおうと指導して終わりました.
 #ref(100201.JPG,left)
 次回の授業では,マンデルブロー集合を表す漸化式から,excel(複素数の計算が分析ツールの関数にあるなんて吃驚しました)を用いて,収束する何点かを方眼紙にプロットさせる作業をさせる予定です.
 
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 COLOR(red){SIZE(18){10月16日(木)16.Oct}}
 
 中間テスト後の最初の授業でしたが,盛り沢山な内容でした.
 スウェーデンとの協同学習の素材を整理する時間を確保するために
 マンデルブロー集合の内容を20分間だけ扱うことにしました.
 しかも,この日はカザフスタンの大学から数学・数学教育関係者の
 来訪もありました.
 
 さて,マンデルブロー集合の複素平面上における描画に手作業で挑戦する
 内容まで,今日は辿り着くことに成功しました.
 漸化式を
 Zn+1=Zn^2+C,Z1=0
 として,EXCELのセルに反復式を組み入れて,50回計算させて表示する方法です.
 
 COLOR(red){「Znを表す点が原点からの距離2以上になったとき, Znは反復計算で発散する」}
 という前提でSIZE(9){(これが何故なのか.どなたかお教えください)}
 
 C=a+biとし,点( a , b )の値を入力して
 距離が2以内の場合は,"中".
 2を越えた場合は,"外"
 という表示をし,収束・発散する速度が見て分かるように設定しました.
 "中"で終了したときの a , b を複素平面上にプロットさせ,その作業も
 10点程打って終了させました.
 
 もっと多くの点を打ちたい場合は"プログラム"する
 ことで処理できるということを告げたのです.
 10/30には,そのプログラムを講演と兼ねて学習する予定です.
 #ref(101601.JPG,left)
 板書
 #ref(101602.JPG,left)
 #ref(101603.JPG,left)
 カザフスタンのスタッフ(一緒に問題を解いている)・学校長に贈呈式
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 COLOR(red){SIZE(18){10月23日(木)23.Oct}}
 
 今日は,ポルヘムギムナジウムとの遠隔協同学習の初めてのレッスンです.前日急遽電子黒板での発表を使おうということで,開始10分前から準備で大わらわでした.
 
 さて,日本側のレッスンは1学期から学んだ内容の提示です.
 
 (1)fractalとは(自己相似集合,内部自己相似集合)
 
 (2)コッホ曲線とシェルピンスキーのギャスケット(無限等比級数)
 
 
  ・線分の長さの総和の極限が∞
 
  ・図形の面積の総和の極限が0に近づくという内容
 
 (3)アフィン変換での作図
 
  ・製作した樹木曲線・羊歯・正方形等での発表
 
 (4)3D造形物として
 
  ・樹木(アフィン変換を円柱座標に応用)とメンジャースポンジ(45゚斜めに切った切り口の問題に発展させました)
 
 となりました.
 
 途中に相手への課題として,樹木曲線の線分について2種類の課題(無限級数と黄金比絡み)を提示して,次回のDL(Distance Learningの略)の宿題にしました.
 #ref(10231.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){  左から  フラクタルとは → 線分の長さと図形の面積の調査 → 課題の提示 → アフィン変換の説明}}
 #ref(1023menger.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){  メンジャースポンジ(第1世代から第3世代まで)}}
 #ref(1023trees3d.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){  樹木(第1世代から第3世代まで)}}
 
 次に,Polhem側のレッスンで,Chaos Gameの内容です.
 
 日本側が図形の移動で,シェルピンスキーのギャスケットを考えたのに対して,
 点描で作図する手法での取り組みとなりました.
 
 ルールの説明が一通り行われた後,シミュレーションが行われました.
 (実際に作業をさせてもらえるのか期待したのですが,相手は出来合いのjavaソフトで示してくれました)
 ↓
 
 http://www.shodor.org/MASTER/fractal/software/Sierpinski.html
 
 描画の様子を見て「わぁ〜.え〜っ何故?」という歓声が上がりました.
 
 その後,何故そんな現象が生じるのかという証明?説明が行われました.その様子は楽しそうに聞いていたと思うのですが,分かったつもりだったのかも知れません.
 
 最後に相手から次回DLに向けての課題が示されました.
 点描を中点だけに絞って作図していましたが,カオスゲームのルールを変えて中点,1:2,1:3というローテーションで点を打つとどんな図形になるかというものです.当初解釈に戸惑い,幾度と相手校との質問・説明を繰り返して主旨を理解しようとしました.結果は私も理解していたのですが,生徒が議論してどんな結論になるか楽しみに見ていました.次回までの課題だったのですが,TV会議の後2時間程居残って拘った生徒もおりました.ライバル心があるのか高校生では斬新な内容に,モチベーションが高められた瞬間です.皆さんもどんな図形を描くか考えてみてもらえませんか?
 #ref(1023java.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){  JAVAソフトでの演示実験に興味津々の様子}}
 #ref(1023taskdiscussion.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){  相手の課題に四苦八苦.議論を重ねて各自で挑戦が始まった!}}
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 COLOR(red){SIZE(18){10月30日(木)30.Oct}}
 
 今日は,プログラムを通してマンデルブロー集合の描画をしました.講師は,嵯峨野高校の卒業生で府教委前次長の勝間喜一郎先生です.コンピュータを使ってのフラクタル描画には思い入れが強くて,現役の時から色々と研究会等で情報発信されておられました.以前より気心知れていましたので,私どもの予てからの願いで「高校1年生に味わえるフラクタル図形描画」としてマンデルブロー集合の講義を引き受けて頂くことになりました.COLOR(blue){SIZE(11){(実は教える我々も新たな見識や清涼感を得られることと,ちょっとホッとしたいという気もあります)}}
 
 以前行われた3回程のガウス平面やマンデルブロー集合の考え方の授業は,この講義のためやDLに向けての下準備に該当していたのです.10数ページの緻密なテキストまで作られる意気込みで「約20年ぶりの授業で緊張する!!」という程最初は緊張されていました.しかし,授業中は熱を帯びてきて上着を脱いで生徒の元へ駆け寄って,1人1人丁寧に教え楽しんでおられました.
 言語は,javaやCではなく,10進BASICです.
 
 まず,10進BASICサンプルファイルの"MANDELBM.BUS"を開いてソースの解説です.
 #ref(10301.JPG,left)
 
 1つ1つの単語の意味の説明に加え,記述の間違い(描画画面領域や反復回数等)から生徒に正答を考えさせました.少しは,10進BASICに触れていたので,スムーズに対応でき正解を出している生徒達は多かったです.
 #ref(10302.JPG,left)
 COLOR(blue){SIZE(11){板書の一部}}
 
 さて,このソースの目玉の改良は,拡大したい焦点と倍率まで自在に指定してフラクタル図形の美しさを追求させることです.
 #ref(1030man.JPG,left)
 このソースは,x軸に関して対象な図形であることを前提にしています.
 つまりy≧0の領域をコピーして作図する手法で,描画が速いという利点があります.しかし,座標平面上の点を指定しての拡大には不便なので改良をしなければならないということでした.
 
 
 #ref(10303.JPG,left)
 生徒はかなり格闘をしていましたが,プログラムの点検をされたお陰で大凡の生徒が点を指定して拡大ができる所まで到達しました.
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 COLOR(red){SIZE(18){12月11日(木)11th.Dec}}
 
 11月6日,13日,20日とマンデルブロ集合の発表に向けて,議論やレクチャーを
 繰り返していました.期末テスト終了後には直ぐDLを再開しました.
 
 今回は,スウェーデンの学校教育(特に高等学校)を研究している京都大学大学院教育学研究科の本所さんの来校もありました.今回はなかなかの力作を提示して来ました.
 
 ・Polhem側の生徒発表
 
 フラクタル次元の説明(Polhemのパワーポイントの一例も参照してください)
 
 まず,図形の次元として1次元から3次元の説明.次元の考え方を拡張するために対数の利用を提示し,フラクタル次元を説明.MengerSponge の次元が2.7.見た目に相似性が分かりにくい図形の次元測定をするために,Boxcount法を用いてスウェーデンの海岸線の次元を測定した.その値が1.1.そして,嵯峨野への宿題を提示した.
 COLOR(red){(生徒にとって対数の性質に対する知識があったので,数式による説明理解は事も無げでした.しかしBoxcount法の説明については,理解しづらい内容であったようです.データを取って解析する手法にも慣れていない様で....)}
 
 #ref(121101.JPG,left)
 ・嵯峨野側の生徒発表
 
 マンデルブロ集合の作図について発表をした.複素数について基本的な性質と原点からの距離について説明した.
 次に,漸化式で表した複素平面上の点列の収束・発散の様子を中心にして解説した.
 
 本題のマンデルブロ集合において|Zn|>2の場合には発散するということが分かっているということのみ伝えた(証明等難しい).色々なエリアでの拡大を試みて,相似性の発見と美しさの部分を提示した.最後にPolhem側に宿題を課した.(1週間後嵯峨野も実践するのだが)
 
 COLOR(red){嵯峨野のPowerpointシート}
 #ref(121102.JPG,left)
   COLOR(green){DLの様子}
 #ref(1211.JPG,left)
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 COLOR(red){SIZE(18){12月18日(木)18th.Dec}}
 
 #ref(121801.JPG,left)
 勝間先生の講義(第2弾)です.今回は,無限大に発散する領域の色付けのプログラミングのレクチャーである.計算途中で絶対値が2より大きくなった場合,発散することを利用して,その計算回数での塗り分けに挑戦しました.256色しかないので,MODを使って表現する方法と使わない場合とで頭を捻りながら,プログラミングをしました.拘りを持って興味深く取り組んだ生徒もいて,ジュリア集合についても熱くレクチャーされました.
 たぶん彼らは,自分らなりに理解したレベルでこれらの内容をDLで発表してくれることでしょう.
 
 #ref(121802.JPG,left)
 最初のソースの計算回数が250回だったので,色分けの配慮は必要が無かったのですが,
 色々な計算回数に対応する汎用性が必要なのです.COLOR(red){写真右は,収束部分の色を黒(生徒は好きな色にしていました)にしてプログラムを走らせた様子.写真左は,塗り分けを白黒の2色にした場合です.(版画の様で独特です)}
 #ref(121803.JPG,left)
 剰余系の問題.便利なMOD記号を用いずに,小数値に焦点を絞ってプログラムをした場合です.写真左下は,完成したプログラムで10×10倍に拡大した図です.
 
 

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