法則化理科研究会合宿 兼 【理科の部屋】オフ 98/05/23-24


 埼玉県蓮田市立蓮田中学校で開かれた法理研合宿&【理科の部屋】オフに、遠く山口から特別ゲストのイルカさんを迎え、各地から仲間が集いました。以下はその報告です。容量の関係で発表内容やモノを中心に紹介することをご容赦ください。収録しきれなかった方、ごめんなさいm(__)m。
 なお関係者の方は、当ページへのリンクはフリーです。画像素材の使用もご自由にどうぞ。


 蓮田中の理科室
 実験器具や展示品がところせましと並んだ理科室(左)と、一般教室を完全手作りで改造した第二理科室(右)。えーちゃんの熱意が伝わってくる教室でした。



FDケース利用の理科室用ディスプレー ごろごろぼっちさん

 FDのプラスチックケースを利用したちょっとおしゃれなディスプレー。理科室のアクセサリーにいかが。このほかに、クロサンショウウオの幼生の標本配布やマツバボタン(ジュエル)の紹介がありました。

LINK製作法など詳しい記事はここをクリック

植物の葉のつき方 太田さん

 植物の葉のつき方が大変わかりやすいモデルで示されます。


現世種人類の歯骨のレプリカ えーちゃん

 いわゆる「入れ歯」です。生徒の中に歯科医の息子さんがいて、分けていただいたとか。こんなものも教材になるんだなあと感心。


鉛筆でアーク放電 関口さん

 両端の芯を削り出した鉛筆2本に商用交流100Vを加え、ちょっとショートさせたあと芯先を数mm〜1cm離すとアーク放電が持続します。ブレーカーつきテーブルタップ(右)を使うと安全に実験できます。紫外線が出ているので近くで長時間見つめないこと。



シャボン玉の中に雲を作る 鈴木さん

 グリセリンやPVAをまぜたセッケン液を熱湯で作り、その表面にシャボン玉のドームを作ると、内部で霧の粒子が対流しているようすが見えます。部屋を暗くして側面から懐中電灯で照らすと観察しやすいです。

 このほかフィルムケースを利用した花粉管の成長の観察の紹介もありました。


雲を作る実験アラカルト えーちゃん

 (左)ペットボトル+フィズキーパー+デジタル温度計で、雲づくりと温度変化の観察。実験に興じるのは関口夫妻。(下)ジュースの小型ガラス容器と浣腸器で雲づくり。見事に霧が現れたり消えたりします。このほか梱包材を握りしめて断熱圧縮を体感する実験なども。



雪の結晶のレプリカ標本 パレットさん

 天然の雪の結晶をスライドグラス上にレプリカ固定する方法の紹介がありました。北大からの直伝です。紹介してくださった本は、小林禎作『雪の結晶 冬のエフェメラル』北海道大学図書刊行会刊。右は実際の標本の拡大画像。本当にきれいです。



藍染めの白衣 にしきさん

 染色の実験で白衣をそめてしまったにしきさん。なかなかおしゃれ。


3色発光ダイオード にしきさん

 RGBの3チップが同梱され、原理上フルカラーが作り出せる発光ダイオード。お値段はまだ¥1000以上するそうです。


イルカさんを囲んで 夜の懇親会(於蓮田駅前福寿屋)

 向こう側左から、EBAKOSさん、えーちゃん、イルカさん。えーちゃんの陰は宮内さん、イルカさんの後ろは藤澤さん。手前は左から、あら坊さんとごろごろぼっちさん。

集合写真。デジカメではきつい。

「知識が真実を隠す」 イルカさんの講演から

表面張力

 そばだれの中の薬味のネギが互いにくっつくのはなぜでしょう。「表面張力のため」という答えでわかった気になってはいけないという教訓的なお話でした。
 水に浮かべた一円玉は互いにくっつきますが、割り箸の木片は一円玉には近づきません。一円玉は容器の縁に寄りませんが、木片は壁にくっついてしまいます。
 もう一歩踏み込んで、「なぜ」を発展させましょう。

 →イルカさんの解説記事へ


光と色

 「光の3原色を重ねると白くなる」も「赤いものは赤のスペクトルが多いから赤く見える」も正しくない、というお話。視覚のからんだ現象はほんとうにむずかしい。
 左は三原色の混色。デジカメでは白くないのに見た目には白く見えてしまいます。右は「2色疑似カラー」の実験、緑と赤のフィルターで撮影したモノクロスライドを、白色光と赤色光で重ねて投影します。デジカメの画面では確かに白黒と赤しか見えないのですが、実際に見ると他の色も見えてしまうのです。
 下の二枚の写真の境目に見える赤い筋は実験室の暗幕を透過した光なのですが、肉眼ではどう見ても緑にしか見えませんでしたが、このデジカメには赤く写ります。デジカメでも機種によって再現される色が違うようでした。

 →イルカさんの解説記事へ



テルミット2題 イルカさん、左巻さん


 アルミとベンガラの混合粉を竹筒につめておこなう「イルカ法」テルミット。竹筒の底に硼砂を敷いておくのがきれいな鉄塊を得るコツ。左は竹を割ってスラグから鉄を取り出しているところ。
 薬品が湿気ていたのか火勢が今ひとつで残念でした。


 教室でお手軽にという「左巻法」テルミット。ぬらした濾紙と乾いた濾紙を重ね、薬品をつめてマグネシウムリボンで点火。燃え落ちてくるのを水を入れたビーカーで受けます。左は取り出した鉄塊。


ダイヤモンドの燃焼 左巻さん

 ダイヤモンドは炭素の同素体でだから、燃焼して二酸化炭素になるはず。理屈として知ってはいても体験することは少ない現象です。本物の天然ダイヤを燃やしてしまおうという贅沢な実験。直径2〜3ミリのクズダイヤを三角架のセラミック棒の上にのせてトーチで強熱します。
 赤熱したところで純粋酸素を静かに供給するとダイヤは自ら光を放って燃え続けます。


エコログ マンタさん

 中村理科の新製品。イスラエル製のポケットセンサー&記録器。温度、湿度、気圧、光量、音量の5つのセンサーが内蔵されていて、一定時間(設定変更可)ごとにデータを取得し、メモリーに蓄えてくれます。測定終了後、パソコンに接続して付属のソフトでデータを読み出し加工処理できます。小型軽量なのでどこへでも持ち運べる百葉箱といったところ。いろいろな応用が考えられそうです。発売が待ち遠しいです。予価¥39800。


ホタルの粉末 村上さん
 キッコーマン株式会社が開発した化学発光素材「ホタライト」。A,B粉末を水に溶かし混合するとビーカー内の液体が蛍の光を放ちます。A剤はルシフェラーゼ、B剤はルシフェリン+ATPとのこと。



関連ページへのリンク
イルカさんのホームページへ
EBAKOSさんの「出会い」のページへ
にしきさんの【理科の部屋】オフ会のページへ ←テルミットの実験のムービーがあります。
ごろごろぼっちさんのオフ会のページへ
えーちゃんの「小森理科資料室」へ
天神の「カーナビで地球の大きさを測る」へ ←当日発表した内容です。


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