2005年2月12日の例会の記録の第2ページです


赤・緑レーザー光の回折
(井階さん)
 緑色レーザーが比較的安価に手に入るようになり、波長に違いによる回折像の違いを、直接見ることができるようになりました。
 天体望遠鏡の光軸あわせの仕組みを見本にして、赤と緑のレーザー光を、回折格子の一点に当てるよう調整すると、写真のように波長の違いがはっきり出ます。

キセノン管の不思議
(山岡さん)
 カメラのストロボなどに使われているキセノン管は、通常、大きな光量を得るため瞬間的に大電流を流して使われています。

 このキセノン管に定電流を流すようにしてみたところ不思議な現象に出会いました。
 写真は、自動車のフラッシュに使われているU字型のキセノン管。発光部分が広がらずに曲がっています。磁石を近づけると、磁力線に巻きつくように変形します。
 電流(電子の通り道)を見ているとするとなぜ細いひも状になるのでしょう。
 蛍光灯を放電させると、管全体に発光が見られます。決してひも状になりません。磁石を近づけてもキセノン管とは異なります。
 そこで、電流をとことん小さくしてみることにしました。
 すると、更なる不思議が・・・・・。
 写真は装置の全体。トランジスタを直列に入れ、管に流れる電流をコントロールしています。
 磁石を近づけたら、やはり磁力線に巻きつくようにひもが曲がります。
 管に加わる電圧が脈動状態だと、磁石がなくてもひもがうねります。いったい何がおきているのでしょう。
 ストロボ用のキセノン管はストロボにしか使わないのですが、そんな管を目的外使用してみると不思議な(単に説明する力がないだけかも・・・)現象に山岡さんは出会いました。
 皆さん、いろんなものを目的外使用してみましょう。面白いことにぶつかるかも。

不思議なランプ
(奥谷さん)
 山岡さんのキセノン管と同じようなひも状の発光が見られるランプです。プラズマランプと同じように見えますが、白いひも状の発光が特徴的です。
 磁石を近づけると形に影響を受けます。
 携帯電話用インジケータを上に載せると光りますから、高周波交流で発光させていると推測できます。

 白いひも状になるのは、管内の気体の成分が違うのでしょうか。
 
 このあたりにも未知の領域が広がっています。

ほたる
(奥谷さん)
 コンセントの片側に差し込むと、交流電源のアース側(コールド側)では点灯せず、非アース側(ホット側)では点灯する、という中村理科の製品。
 検電ドライバー「ほたる」という名称で販売されています。一般壁コンセント
 壁コンセントの穴は、その長さに差があります。向かって左側が長く、右側が短い。長い方がコールド側で電気的に大地アースされているはずです。確実にコンセントの極性を確認するときに、検電ドライバーを用います。

 ホット側の検電中にドライバーの金属部分に触れると、感電します!

ヘリウム風船で静電気力を見る
(伊藤さん)
 ゴム風船にヘリウムガスをいれ、紐でくくります。
 紐がたるんでいるところで切れば、風船は浮いたまま静止します。

 ゴムを頭の毛で摩擦すると帯電します。この状態で浮かせると、静電気による引っ張りあいや反発を見ることができます。
 静かに浮かんでいるのでやりやすい!

 電気くらげよりゆっくりできます。
 
 手をかざすと近づいてきます。

 同じような風船をたくさん作って浮かべると、互いに反発して面白い分布を描くかも。
 
 予算と時間のある方、やってみませんか。
 使ったヘリウムは、肺に入れて声変わりを楽し
む遊び用のもの。少々値が張るのが気になります。

光の墜落
(林煕さん)
 深いところほど、濃度の濃い砂糖水になるようにした多層の砂糖水に、横からレーザー光をあてると、レーザー光は図のように墜落していきます。
 横方向には等濃度ですから、まっすぐ進むような気がしますが、光は波なのですね。ちゃんと屈折していきます。


 ここで問題です。
 中心から外へ向かうほど屈折率が小さくなるような軸対象のファイバーがあったとしましょう。
 このファイバーの中心を通る光は直進します。
 しかし、外へ向かった光は、光の墜落と同じように曲がってR点に達します。
 このときPQRと進む光とPQ’Rと進む光では、どちらの方が時間がかかるでしょうか。

 屈折で光が進むファイバーでは、入射角度にかかわらず同一時間で光が進むことを証明できるかという問題です。難しそう・・・・。

議論は沸騰しましたが・・・問題は難問。


缶楽器
(鈴木さん)
 昨年夏の科教協の札幌大会に参加したときに入手したものです。
 何だと思いますか。
 たたくと、ちゃんとドレミファを奏でます。これは楽しい。

 広島の土肥さんの作だそうです。
 聞くと、一つ一つ叩いてみて音階に合うのを選ぶそうです。
 同じメーカーの同じ缶でも、缶をたたいてへこませたりして音程を変えるとか。

 缶の中身と同じように、苦い味のした作業だったのでしょうか、それとも甘い薫り高い作業だったのでしょうか・・・・・。
 

厚紙補聴器
(鈴木さん)
 これも札幌大会に参加したときに入手したものです。
 厚紙で耳を覆い、前から来る音をしっかり集めるようになっています。
 使用してみると、確かに良く聞こえるとのこと。
 
 電池も要らず、安上がりで、よく聞こえるなら、素晴らしい発明ですね。



百見は一考にしかず
(近澤さん)
 おもちゃの扇風機に文字を書いて回転させます。
 生徒に、読んでごらん?
 当然読めませんね。そこでストロボの登場。回転周期にあわせて発光すると、羽根が止まって見えます。これなら読めます。
 そこで、生徒に聞きます。 回転していないように見えるが、手を入れられるかな。

百聞は一見にしかず、という言葉がありますが、同様に、見えていても、何が起こっているかを考えることなしには危険を避けることはできない、真実を知ることはできない、という教訓でした。
 百見は一考にしかず。

 けだし名言だなあ・・・。
簡易ストロボ装置で光を当てると、扇風機の
羽根が止まって見えます。

垂直風洞1
(近澤さん)
 伊藤さんの開発した垂直風洞を、近澤さんも作りました。
 紙で作ったヘリコプターや自然の種などを回して浮かすことができます。
 ストロボ装置で発光させると、回転している種やヘリコプターが止まって見えます。

 止まって見えるのに落ちない。うーん、確かに、百見は一考にしかず、だなあ。

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