2005年5月14日(土)愛知工業高校での例会の記録です。

 4月25日に起きたJR宝塚(福知山)線の脱線事故は衝撃的でした。電車の車体がL字型に折れ曲がりマンションにへばりついている映像は、まるで映画のシーンのような印象を受けました。
 その後明らかになりつつある原因は、遅れを取り戻そうとしてのスピードの出しすぎによるものらしいということです。
 大きなスピードでカーブに進入すれば、車体は、速度の2乗に比例する外側に押し出される力(遠心力)を受けることは、力学の基本です。二輪車ならば、車体の傾きを制御することで遠心力の大きさの変化に対応できるかもしれませんが、傾きの決まっているレール上の電車では、遠心力の大きさの変化に対応する術はないと思います。安全速度を守るしかない、ということが運転手の常識となっていたのでしょうか。
 (常識になっていたとしても、営業利益のために危険を冒すよう仕向けさせていたとしたら、管理職の安全に対する科学知識の欠如といえるでしょう)
 自然科学の成果を利用して便利な生活を営んでいるのですから、基礎的な自然科学は国民の常識となっている必要があるのではないでしょうか。
 国土交通省は、カーブでも速度を制御できる新型自動列車制御装置(ATC)を導入させるようです。フールセイフのシステム作りも大切かもしれませんが、突発事態に対応するのは人間ですし、その人間が安全と危険を正しく判断できることの方が大切なような気がしてなりません。

共振は狂振
(川田さん)
 ハンドミキサーに、ばね振り子をつなぎます。そのさい、ミキサーの回転軸の中心とずれた位置に振り子をつなぎます。

 ハンドミキサーの回転数を徐々に上げていくと(スライダックでコントロールします) ばね振り子の固有振動数とハンドミキサーの回転数が一致したところで、ばね振り子のおもりは大きく振れ出します。
 一致しない回転数では、ばね振り子はほとんど振れません。
 
 回転数が小さいので、回転数は簡単に測定できます。振幅を測ると、下図のような共振曲線をつくろことができます。

 ハンドミキサーは回転数が低いのでこのような力学的な共振を見るのに好都合ですね。
 



←フックを通すことで回転運動を直線運動に変えます。

迷路通り抜け振動モーターカー
(清水さん)
 迷路を作って、その中で振動モーターカーを走らせます。角の部分を滑らかにすることで、振動モーターカーがうまく角を回り、迷路を通り抜けます。まるで考えて迷って行動しているようにみえます。

 ポイントは、偏心おもり(写真では消しゴムを使っています)が、車体からとびでていること。
 このことで、おもり部分が壁にあたったときに、車が向きを変えることができます。

 大きな迷路を作って、たくさんの車を走らせて競争すると楽しいかも・・・・

風船の質量
(林 煕さん)
 大きな風船の質量を求めるにはどうしたらいいでしょう。

 巨大バルーン(中村理科で5つで4000円ぐらい)の質量を測っておきます。
約125gでした。これを膨らませて。直径1.4mの風船にします。これを秤にのせたら何gをさすでしょう。

 (膨らますのはブロワ−を使います。口で膨らますのは不可能でしょう(^^;))
 この風船を動かそうとすると、結構な力が要りますからさぞ大きな値になると思われるのですが、秤にのせると何とほんの数gしか違いません。
 不思議ですね。

                                 
 よく考えると風船には浮力が働くので、中の空気の重量はほとんどかからないことになります。

 では、この風船の本当の質量は何gなのでしょう。どうやったら測れるでしょう。
 考えてみてください。

 答のページ

吸収スペクトル
(林 正さん)
 物質の色は、その物質が吸収しない色なのだ、ということを実感できるためのスペクトル観察器です。
 観察窓にグレーチングシートをはり、反対側に細長い穴を開けます。(手作り分光器ですね)
 今度の工夫は、反対側の穴を2つにして、片方は生の光を、他方は、物質を通した後の光を見られるようにしたことです。
 つま光源のスペクトルと吸収スペクトルを一目で見られるというものです。

 硫酸銅は青い色をしていますが、硫酸銅を通った光のスペクトルは確かに赤の部分がなくなっています。

超簡単線香花火
(船橋さん)
 とっても簡単な線香花火の作り方の紹介です。

 キャンプ用に使われる着火剤を針金につけます。それに鉄粉をふりかけます。(鉄粉をつけすぎるとうまくいかないようです。どのくらいかは試行錯誤をしてください)
 あとはライターで着火するだけ。

 見事な火花が走ります。
 他の色を出すことはできないか、との声があり、早速試してみました。
 着火剤をつけて硫酸銅や酸化銅など振りかけて着火してみました。
 炎色反応は見られましたが、火花が飛ぶということはありません。

 鉄粉だとどうして火花が飛ぶのでしょうね。

超小型静電気モーター
(奥谷さん)
 おなじみの静電モーターです。高圧電源につなぐよく回ります。
 今回はフィルムケースよりうんと小さい静電モーターです。マチ針と大きさを比べてください。表面に導体がなくてもビュンビュン回ります。

 分子レベルのマイクロモーターの候補として考えられているのもうなずけます。

 回転子を円板状にしても回りそうですね。

 それも作ってあります。フィルムケースの底、発泡トレーなどで円板を作ってもよく回ります。
 高圧電源ではなく、摩擦電気でも十分回ります。

 アルミ皿に絶縁体の取ってをつけた簡単な電気盆でもよく回りました。
 塩ビ管を摩擦しただけの摩擦電気でももちろん回ります。
 生徒が一番驚くのはどの電源でしょうね。 
 モーターの応用として(遊びとして)渦巻き模様を回転させ、錯視現象を起こすこともできます。

 このぐらい大きな円板になると、やはり導体があったほうが回りやすいので、裏にアルミテープを貼ってあります。

円板になるシャボン玉
(奥谷さん)
 米村傳治朗さんが、よく行う帯電したミラクルシャボン玉の実験です。
 濃い砂糖水に界面活性剤を少量いれ、シャボン液を作ります。
 シャボン玉を作るとき、ストローにつけた導体を通して摩擦電気をシャボン玉に送ります。
 こうして帯電した、われにくいシャボン玉ができます。
 シャボン玉は帯電しているので、同種の摩擦電気で反発させ、長く空中にとどめ置きます。
 すると、シャボン玉が割れ始めますが、砂糖の粘りのせいで、時間をかけて割れていきます。くらげのような形から、UFOのような円盤型になり、最後に円板状になって落下します。
 どうして割れたあと円板状になるのかとの疑問が出されましたが、帯電している電荷同士の反発力によるものではないか、との答えがだされました。 

  球⇒             くらげ ⇒          UFO ⇒            円板 ⇒          板状のまま落下 

     [次ページヘ]