2007年2月17日の例会の記録の第3ページです


 化学テスター (田中さん  
 最近化学分野が授業の中心になっているそうです。液体の導電性を確かめるための化学テスターを作りました。 2本の導体棒が導通すればピッピッという音が出てLEDが点滅します。
 
 装置を弁当箱に入れ首からかけて使います。 この大袈裟ともいえるような道具立てが、生徒の興味の増進に効果ありとのことです。
 
 授業は道具だけでなく演技も必要ですね。

 

 食塩水と水道水での導通確認

 サーボモーターを使ったパラメーター共振2 (田中さん  
 昨年5月の例会で発表した装置を改良しました。
 R8/C15という20ピンのPICのようなマイコンで、サーボモーターを使ったパラメーター共鳴専用の制御器を作りました。随分小型化されています。

 サーボモータの先につけるのは、単振り子でもばね振り子でもOKです。この配置だと共振周期の1/4に合わせると大きな振幅で振動しだします。
 合わないときはサーボモーターの移動幅で振れるだけです。
 簡単に共振曲線の定量測定ができますね。
 小型の装置は収納にも便利です。


<参考>
 http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/
                    r_2006_05_20/newpage.htm
 サーボモーターを使った単振り子のパラメーター共振

 モーターコントローラー。周期を任意に変えられます。

 ハイテクごまの分解 (鈴木さん・船橋さん  

 以前に紹介された4時間回り続けるコマにこだわっている鈴木としさんが、複数手に入れて壊してもよいと提供してくれました。
ボタン電池を取り除き、カバーを外すと配線が出てきて、抵抗とLEDと遠心力を利用したスイッチが確認できました。さらに分解するとコードの付いたディスクが出てきました。電池をつなぐと中で何かが回転しているようです。これを分解すると、円盤状の磁石と、蝶の羽根のように組み合わせた2つの扁平なコイルが出てきました。コイルは蝶の頭の位置に軸があり偏心しています。そして6つの接点があり、これらは回転によりコイルの電流の向きが変わる仕掛けでしょう。他方で磁石は、鉄粉を振りかけると、4極になっていることが分かりました。

。このモータは携帯電話のマナーモードの振動子であるとの情報があり、それを角運動量保存の法則に乗っかって応用したのですね。
    
                   磁石に鉄粉をかけました。
<参考>
 http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2005_12_03/newpage2.htm
 4時間回り続けるコマ(奥谷さん)










  モーターの中には磁石とコイルがありました。
 林さんが昨年2月の例会で「回り続けるコマ」の仕組みを解明したわけですが、林さんのコマは内部コマの慣性モーメントが大きく、外部コマが小さいものでした。分解したコマは、床に接触する外部コマが大きく、内部で回転するコイルはかなり小さい慣性モーメントに見えます。これで回り続けられるのでしょうか。(現実に回り続けていますが・・・・・)
 議論が沸き起こりました。
 解決したと思ったら、また疑問が・・・
 本当に物理って面白いですね。
 
 <参考>http://www2.hamajima.co.jp/ikiikiwakuwaku/record/r_2006_02_18/newpage.htm
       回り続けるコマ (林 煕さん)
 

 金箔の色 (井階さん  
 金箔の色について、理科年表のデータからのアプローチをしてみました。
 グラフは、金属面の分光反射率というデータで、金属を真空蒸着してつくった新鮮な表面に、種々の波長の光が垂直に投射された場合の反射率を%で表したものです。
横軸は波長(nm)
縦軸は反射率(%)

 ―◇― Al 
 ―■― Ag
 ―●― Au
 ―○― Cu

 アルミニウムや銀は可視光の波長をほとんど反射してしまうことがわかります。だから白っぽい(銀白色)になるのですね。
 金や銅は550nmあたりから反射率が下がります。
 金箔の透過光が緑っぽく見えるのは、このあたりの光が反射されにくいからです。

 もし銅の薄い膜を作れたら、きっと金と似たような透過光になるでしょう。



 最近の携帯の画面 (井階さん  
 携帯電話の画面やノートパソコンの画面に液晶が使われていますが、液晶画面は偏光を利用しているので、偏光板を画面の上において回転させると、どこかの角度で画面が暗くなります。なるはずでした・・・・・。

 ところが、最近生徒の持っている携帯電話の画面で、偏光板を画面の上において回転させても暗くならないものが多数あることを発見しました。
 色が出るものもあります。

 参加者の携帯の中にも暗くならないものがありました。
  どうしてこんなことが起こるのか確かめるために、バックライトと液晶の代わりに、アクリル板とLEDを使って3原色の光源を作りました。
 
 アクリル板の脇からLEDの光を入れます。板に穴や傷があると、そこで乱反射して光が出てきます。
 星座版などに使える技術です。
 

 アクリル板の表面全体に粗い傷をつけ、ざらざらした表面にします。こうすると板全体から光が出てきます。
 LEDを赤、緑、青にして3枚の光源を作ります。
 各光源の間に偏光板をはさんでLEDを点灯し最前列の偏光板を回します。
 間にはさむ偏光版の軸方向を様々に変えてみましたが、やはり最前列の偏光板を回すと暗くなる位置があります。色が残ることはありません。

 液晶の利用である限り、必ず暗くなるはずなのですが・・・・
  

  コントローラーで発光を制御します。
 船橋さんが、液晶ではなくて有機ELではないかと実物を提示してくれました。光るだけですが、偏光板の角度で明るさは変化しません。
 有機ELは蛍の光などと同じ原理での発光で、液晶に必要なバックライトがなくても明るい画面がつくれるようです。

 携帯電話のサイトを調べてみると確かに有機ELの携帯が販売されているようです。
 とすると、生徒の多数が最新のモデルを使っているということに・・・・・

 親父達はいつの世でも若者に一歩後れているのでしょうか・・・

 秒進分歩のエレクトロニクスの世界は、常にアンテナを高くして情報収集に努めないと、生徒に大きく遅れをとりそうですね。
 

 そんなに明るくはないが四角い面が光っています。

 例会の最後まで纐纈さんに参加していただきました。
 感想をお聞きしました。
 「自分も議論をし出すと熱中して止まらない方です。だからニュートンなどの原稿を書くときは独断で書きます。相談すると議論になりかけなくなってしまいます。」
 「機会があれば、また参加したい。」
 
 本当に有難うございました。 

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