2008年7月12日(土)の例会の記録の第2ページです


 ゴムの帯電 (杉本さん  

 はく検電器の金属板をゴムで摩擦します。
 このとき、ゴムをそのままで摩擦するのと、伸ばした状態で摩擦するのでは、検電器にたまる電荷が異なります。
 摩擦した塩ビ棒で箔の開きを調べると、逆になります。

 どうしてでしょう。不思議ですね。


 剛体の受ける力について (川田さん  
 
剛体のつりあいで、剛体に働く力の作用線が一点で交わることを理解するための教材です。
 任意の形の布(紙でもOK)に輪ゴムをとりつけ、これを写真のように黒板上で静止させます。
 ゴムの延長線は確かに一点で交わります。ゴムの位置を自在に変えられますので何度でも確認できます。

 もし、一点で交わらなければ、剛体は偶力を受け回転することになりますね。

 泡の形 (川田さん  

 雨粒の形についての発表が以前の例会(2007年9月1日例会:雨粒の形(林さん))でありましたが、 水中を上がっていく泡の形はどうでしょう。

 終端速度を見るための実験装置を生徒に回したところ、ある生徒が、泡の形に興味を抱き何度も何度も繰り返し観察をしていたそうです。生徒は、こちらの狙いを越えて学ぶ存在ですね。

 我々も生徒に習って観察してみると、下図のような形に見えます。筒を斜めにしてみると、ちょっと違うような・・・・。さらによく見てみると、細かい泡の形はどちらかというと球形・・・・・。
 
 どうも、筒と流体との粘性抵抗が大きな影響を与えているのではないかということになりました。ただ、抵抗が大きいと写真のような形になることは説明できていません。
 
 身近なところに面白いテーマが潜んでいますね。 


  泡の形?

 剛体球の振動周期 (川田さん  
 曲面に沿って運動する場合の物体の運動について考察していた際に、次のような問題が目に留まりました。

 【問題64】 図に示すように円筒形の樋(半径=5R)の内側を固体球(半径=R)が滑ることなく転がる。樋の長さ方向に垂直な方向に起きた平衡位置からの小さな変位に対して、球は周期Tの単調和運動をすることを示せ。




Raymond A Serway著 松村博之訳「物理学」362頁    


  問題の条件で計算してみると、解は、問題文の周期Tにはならず、次の値になることを導きました。
  

 日本の多くの本は、上記の本の孫引きか(?)、同様の誤りの解を記載しているとのことです。

 例会の場で解の成否を確認できませんでしたが、後でじっくり考えてみます。

 ワインボトルスタンド (奥谷さん  

 カンガルーの模様のついた棒。何かと思えばワインボトルスタンドです。
 オーストラリアのお土産だそうです。


 ワイングラス共鳴 (奥谷さん  
 ワイングラスの端を水をつけた指で摩擦すると、澄んだ高音を聞くことができます。2つのワイングラスの片方に、爪楊枝をのせて、先の方法で他方を鳴らしてやります。うまく共鳴すれば、爪楊枝がはねて落ちるはず・・・・。

 奥谷さんが何度も周波数計で振動数を合わせて行っても爪楊枝は落ちません。どうしてだろうという問題提起です。

 共鳴していても振幅が小さいので落ちないのでは、という意見が出ましたが、どうでしょう。
 井階さんが、大き目のワイングラスのセットを出してきてくれました。これでやってみようということになりましたが、どうも固有振動数が一致しません。水を入れて調整すればあうかもしれませんが時間がかかりそう。
 今後の課題となりました。

 不思議な帯電 (佐野さん  
 不思議(?)な帯電現象を見せてくれました。

 ペットボトルに発泡スチロール球を入れ、強く振ってやると、摩擦により帯電し容器の壁にへばりつくようになります。摩擦した塩ビ棒を近づけると、発砲スチロール球は逃げていきます。負に帯電していることがわかります。

 ここで、この塩ビ棒を中に入れてやります。
 塩ビ棒に何個か発砲スチロール球がくっついてきます。

 さて、何が起こるでしょうか・・・・

 写真のように塩ビ棒の先に何個か発砲スチロール球がくっついてきます。しばらくそのままにしていると、1つまたひとつと発砲スチロール球が棒の先から勢いよく飛んでいきます。これはびっくり。
 どうしてこんなことが起こるのでしょうか。
 
 発砲スチロール球をはく検電器の上において、ウイムス・ハースト型の静電高圧発生装置で帯電させてみようということになりました。はたして、飛びはねるか・・・・。

 やってみると、箔は開きますが(当たり前か・・・)発砲スチロール球は飛び出しません。
 奥村さんが、昔、下敷きで同様の実験を行ったことがあるとのことでしたので、ファイルケースでやってみました。
 今度は、しばらくすると発砲スチロール球が飛びはねました。

 不導体の電荷が発砲スチロール球に徐々に移っていったと考えると、この出来事の説明ができます。
 木綿糸で2つのはく検電器をつなぎ、片側を帯電させると、他方が徐々に帯電していきます。この現象と同じと考えてよさそうです。でも、塩ビ棒の表面でどう電子が移動しているのか、はっきりとイメージするのは難しそうです。

 佐野さんの調査によると、文献による帯電列ではペットボトルの材料(ポリエチレンテレフタレート)と発砲スチロールを比べると、発砲スチロールのほうが+になりやすい物質です。それなのに、先の実験では負に帯電したのはどうしてだろう。

 実際の帯電は、物質の種類だけでなく形状にもよるので、必ずしも不思議とはいえないのでしょうが・・・・・。はっきりしたことはわかりません。 

   [前ページへ]                [次ページヘ]