2011年7月2日(土)愛知工業高校での例会の記録の第3ページです。


 時計皿でレンズ (鈴木さん  
 普通の大きさの時計皿2枚でレンズをつくることができます。 間に水を入れ、太いゴム輪でおさえるだけです。
 簡単に作れ凸レンズの働きを見ることができます。
 
 また、間に空気を入れて、水中での空気レンズの働きをみることもできます。どんなレンズになるかわかりますか。
 

 空気レンズは水中では凹レンズとして働くことがわかります。
 光線の進路を考えてこの現象を理解できれば、生徒のレンズ理解は1段階up間違いなし。


 手作りコンデンサ (鈴木さん  
 クリアーファイルとアルミ箔でコンデンサをつくりました。
 ファイルの中と間にアルミ箔をいれ、同じ側のアルミをクリップで押さえます
 電池をつないで充電し、溜めた電気でLEDを付けようとしましたが、なぜかうまくつきません。

 念のためテスターで調べると何と導通が・・・。どこかに穴が開いているのかも。
 
 
 

 赤外線紫外線カットめがね (臼井さん 
 臼井さん手持ちの各種の眼鏡を紹介してくれました。

 まずは、拡大鏡眼鏡。
 度の強い老眼鏡、つまり凸レンズですが、細かい作業のさいには必需品です。欠点は目が疲れやすいこと。
 次はコンピュータグラス。
 コンピュータの作業時に使いますが、すこぶる調子がいいそうです。


 眼鏡メーカーの宣伝文句を見ると
 「パソコン、テレビなど液晶画面から出る青色光は、紫外線と同様に目への影響が憂慮されています。紫外線をほぼ完全にカットするだけでなく、光の成分のうち眩しさの原因となる青色系の短波長を有効にカットすることでちらつきや眩しさを抑え、コントラストを高めます。」
 だそうです。効果ありですね。
 次は、紫外線、赤外線カットのサングラス。
 ただのサングラスと違うとのことですが、本当でしょうか。
 この宣伝が本当かどうか、赤外線について調べてみました。
 テレビのリモコンから出る赤外線を、フォトトランジスタで受光し赤外線の強度を調べる回路を作りました。強度は音(出力をアンプにつないで聞きます)や電圧計で測ります。

 間に眼鏡を入れたときと入れないときを比べると、電圧計の値は10分の1以下に落ちます。確かに効果ありです。
 安物のサングラスは変化が小さいです。

 音で聞いたときはそんなに大きな変化は感じられませんでした。感覚は対数の変化を感じるといいますから、そのためかなと思われます。
    高級品(?)はカット効果大。 安物(?)はカット効果ほとんどなし。
 今回は赤外線についての効果を調べましたが、紫外線についても確かめてほしいですね。
 

 拡声器の秘密 (臼井さん  
 燃えないゴミ置き場にあったメガホンから拡声器を作りました。
 メガホンそのものが拡声器ですが、長さが短いタイプの拡声器にしてみました。
 使ってみると結構な性能を発揮します。
  この装置の構造です。   折り返しをつなげれば、元のメガホンと同じですね。
 ゴミ置き場には、使える電池式の拡声器もありました。
 中央部分をはずして、その効果を確かめてみました。
 ラジオの音を流しておいて、中央部分の着脱をしてみると、効果の違いがはっきりわかります。

 振動板の音は、滑らかなホーンを通って出ることで、音波が効率よく放射されるのでしょう。

 それにしても、不燃物置き場は Stray Cats の宝箱?!。
 
  中央部がなくても聞こえますが、音は大きくありません。着けるととたんに音は大きくなります。

 ベルヌーイの定理 (川田さん  

 流体力学を理解する基本法則はベルヌーイの定理です。
 流体がされた仕事が位置エネルギーと運動エネルギーの増加に等しい、と置く事で理解できます。     P+1/2ρv2+ρgy = 一定

 飛行機の揚力、野球のカーブ、霧吹き、ブーメランなどあらゆる場面に現れます。
 そこで、この定理を理解するための装置をつくりました。

 ブロワーで空気流を送り、塩ビパイプの通路のなかでの圧力を測るというものです。 
 穴での空気流の圧力を発泡スチロール球のあがる高さで見ます。
 

 中央の太い管のところは高く上がるので空気流の圧力は高いことになります。
 
 定理からは、管が太いところでは流速が遅く圧力は高い、管が細いところでは流速が速く圧力は低い、となります。
 圧力が高いところからは空気流が勢いよく出ますから、写真のような発泡スチロール球の高さで見ると、定理のとおりになっているといえます。

 ところが、ここで重大な疑義が出されました。 「いきいき物理わくわく実験2」のピッチングマシンの記事の中に、右図のように空気流があると、管の側面の口からは空気が出るのではなく吸い込まれるという記述があるのです。川田さん自身が書いた記述です。

 穴をふさいで確認してみました。確かにふさぎ方しだいで、残りの穴から空気が出たり吸い込まれたりが起こります。
 どうも結果はブロワーからのホースの太さなどにも関係していそうです。

 結論としては、このままではベルヌーイの定理の説明実験としては難があるということになりそうです。

 
 

 傘で太陽熱調理器 (伊藤 政夫さん  
 骨が多い傘が販売されています。
 この傘は骨が16本。このくらい骨があると丈夫なので形が崩れにくく、いろいろな実験に使えます。

 傘の面はほぼ回転放物面なので、中棒を切って焦点の所に耳を当てると遠くの話がよく聞こえます。

 内部にアルミ遮光シートをはるだけで太陽熱調理器をつくれます。
 
  遮光シートを三角に切り、台紙に貼り付け、傘には洗濯ばさみで固定します。
 傘が丈夫なのでこれだけ太陽熱調理器が完成です。
 
 焦点の位置に缶に入れた水を置くと、30分ぐらいで80度ぐらいまで上昇したそうです。次はポップコーンを作る予定です。

 ただ、傘の傾きを固定しないと、わずかな風で動いてしまうようです。といって手で押さえていると、反射光が強くサングラスなしでは危険(?)なぐらい。作る人は気をつけてくださいね。
 

 
 太陽熱調理器の状態でも集音できます。こちらのほうが音の反射率がよいかも。

 最近は24本骨の傘も出ているようです。
 もっと丈夫なものを作れるかもしれませんね。
 

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