2011年7月2日(土)愛知工業高校での例会の記録の第2ページです。


 爆走チェーン (山岡さん  
 チェーンをモーターがついたプーリーで回転させます。回転数が上がるにつれて、遠心力によりチェーンはプーリーから外れやすくなり、プーリーからはずして床に落とすと、チェーンは勢いよく床を走り出します。
 <参考> いきいき物理わくわく実験2 爆走するチェーン

 短いチェーンでこれを行うと、なぜかプーリーにくっついたようになりプーリーからはずせなくなります。いったい何が起きているのか高速度撮影ができるカメラで撮ってみました。
      
 
 チェーンが楕円形のまま、プーリーと同じ角速度で回転しています。
 プーリーに接している部分は中心向きに引かれるため、プーリーから外れにくくなると思われます。
 
 身近な出来事を高速度撮影や微速度撮影をすると、今まで気づかなかったことを発見できるかもしれませんね。


 丈夫なアイウエオコップ (前田さん  
 右は清水さん製作のこれまでのアイウエオコップです。ストロー部分を水でしめらした指で摩擦すると、左から順にアイウエオと聞こえます。
 素材が丈夫な材料ではないので、しまっておくうちに潰れたりします。そこでもっと丈夫な材料で作ってみました。アルミ缶と蛇腹のついた細めのビニールホースを使います。
 
 
  キャップの部分は取り外し可能になっています。   上段左からアイウ、下段左からエオが聞こえます。
 
 蛇腹部分を指でこすってやると、何とかアイウエオと聞こえます。若干苦しい、という声もあり・・・・。

 でも、装置を丈夫に作るというのは大事ですね。持ち運ぶだけで動作が狂ってしまうのでは授業に使えませんからね。

 <参考> アイウエオ

 円形定常波 (前田さん  
  バイブレーターにピアノ線を通し、振動させます。
 長さと振動数がマッチしたとき、円形定常波が見られます。
  これまでは点波源にしようと、一点での振動にこだわっていましたが、バイブレータにピアノ線を通してもOKであることがわかりました。
 
 原子構造の学習に使えますね。
 円周=2λの定常波です。  円周=λの定常波です。
 

 光るドップラーボール (前田さん  
 100円ショップで購入した7色に光るボールに、圧電式のブザーとスイッチを組み込みました。商品名は?。
 これだけでドップラーボールが完成です。

 ひもをもってボールを回してやると、光の色が7色に変化し、音の高さも変化します。

 簡単につくれそうですね。
 でも、光の色も回転で変化すると勘違いする生徒が出るんじゃないか・・・、という声も出ました。
 指で指しているのが組み込んだブザーです。  ボールを振り回すと音の高さが変わることがわかります。

 音を楽しもう (前田さん  

 木でできた蛙です。
 背中の凹凸を木の棒でこすると、ゲロゲロと蛙の鳴き声(のような音?)が聞こえます。
 たたいてみると木魚のような音もでます。(こちらの方がいい音!)
 
 次は、シンギングボールです。
 チベットの高僧・尼僧が宗教儀式に用いる法具のひとつです。

 仏壇のりんと同じですね。たたくとうなりますが、使い方はたたくのではなく、木の棒で縁のところをこすってやるのだそうです。
 徐々に波打つようにうなりの音が聞こえてきます。
 もっと安価な材料で同じことができないかと探していたら、韓国製の金属食器でもうまくいくことを発見しました。
 小型座布団を敷いた上に容器を乗せて、木の棒で周りをこすってやります。 
 うまくこすれると、シンギングボールのような音が聞こえてきます。
 
 次は、波の音を作る装置。
 右の容器をゆっくり傾けると、ザーザーという波の音もどきが聞こえます。
 商品名は?

 でもこれはおもちゃなのでしょうか。この機能だけで売れるのか心配です・・・・。
 最後は、「Musical Marble Mountain」です。
 中心の棒に葉っぱのような板を順につけていき、上からビー玉を落としてやると、玉が板に落ちるごとにいろんな音階の音を出すというものです。
 上手く下まで落とすには難しく、途中で玉が飛び出してしまいます。
 

 おせっかいですが、Mountain より Tree の方が形状に合っているように思います・・・。
   一枚ずつ所定の位置に板を入れていきます。結構力が必要で全部組むのにしばらくかかります。できあがったら、上からビー玉を落とします。
 

 車の重さと安全について (伊藤 昇さん  
 台車の衝突実験です。同じ質量の衝突の場合も、質量の大小がある場合も、台車のバネの縮みは同じになります。
     等質量でも質量差があっても、衝突時に働く力は作用反作用の法則により同じになります。
 トラックと自動車の衝突でも、車に働く力は同じですが、運転手に働く力はどうなのでしょう。
 これを調べるために、くまの人形にアルミパイプとバネで力の大きさをはかるための仕組みを付けました。
 
                                          パイプにつけた紙で、パイプがどこまで縮んだかわかります。 
 衝突時の力は等しくても、各々に生じる加速度は異なります。
  F=ma (運動の第2法則)
 よってトラックの方が質量大なので加速度が小。
 運転手の加速度も小なので、トラックの運転手にかかる力は、乗用車の運転手より小さい、つまりトラックの運転手の方が安全といえる、となります。

 バネの縮みを見なくても、人形の動き方でわかるよ、と川田さんのアドバイス。確かに質量小の台車のくまは、衝突後台車から落ちました。
 

   [前ページへ]                [次ページヘ]