2011年9月23日(金)の例会の記録の第3ページです


 磁気量(磁荷)の測定 (川田さん  
 生徒に、磁荷のクーロンの法則を説明しますが、磁石の磁荷を実際に測定することはほとんどしません。(反省!)
 そこで、ネオジム磁石の磁荷の値を2つの方法で測ってみました。

 小型ネオジム磁石を10個程度重ねて細長い磁石を作ります。

  (1)斜面でのつりあいを利用して磁荷を求める。
    30度にセットした斜面に、片方はテープで固定、もう片方は磁力で静止するよう
   静かに置きます。
  
 

  測定値は L=6.0cm、d1=6.7cm、d2=9.0cm、棒状磁石の質量M=35g
  F1=Mg・sin30°+ 2F2cosα のつりあいの式と磁荷に関するクーロンの法則より

  磁荷量q=1.0×104 〔Wb〕  

  (2)磁針振動から磁荷を求める。
    細い木綿糸を磁石ではさみ、磁針を作ります。地球磁場の中で振動させると、
   その周期から磁荷にはたらく力がわかります。

    測定値は L=12cm、 M=70g 、H0は地磁気の強さで25A/m。
    O 点まわりの慣性モーメントT=1/12・ML2
    回転の運動方程式 q・H0・L・sinθ=-T・d2θ/dt2

    

    振動の周期を測定すると 3.0秒。よって

    磁荷量q=1.2×104 〔Wb〕  

  2つの測定値はよい一致といえそうです。
    


 遠心力に親しむおもちゃ (永田さん  
 遠心力の不思議さを感じて、子供が親しめるおもちゃを工夫してみました。

 ペットボトルの中に蜂の姿をしたおもりをいれ(何と引っ張られると蜂の口が光ります!)、外側のおもりにつなぎます。

 外側のおもりを回すと、回転数が増すにつれて中の蜂が上がっていきます。
 頭を蓋にぶつけるとLEDが光ります。
 
 ブンブン回すと蜂が飛ぶ・・・・・。

    
 ←ブンブン回すと蜂が飛ぶ




 ←蜂が頭をぶつけると光ります。
 2人で遊べるおもちゃも作りました。
 2つのおもりをストローを通して糸でつないであります。糸の真ん中には蝶がついています。
 おもりを回し始めると、遠心力の大きいほうに蝶が寄っていきます。

 2人で蝶を競い合うと楽しめそうです。

 丁々発止の戦いになるかも・・・・・・

  一人でもできるのですが・・・。

  二人でやると子供のように・・・・・・。

 震災復興ボランティアツアー (井階さん  
 夏休みに、震災復興ボランティアツアーに参加しました。
 1泊2日でしたが、有意義なツアーでした。

 宮古島の野蒜(のびる)地区で、漁師のお宅での海苔養殖の準備作業を手伝いました。
 津波ですべて流されてしまったので、筏作りから網作りまで一からやり直しです。
 
 津波では多くの消防団員の方が犠牲になりました。井階さんも地元の消防団員なので、とりわけ鎮魂の思いをもって海岸での儀式に参加しました。
 現地に行って多くのことを感じました。
 現地では海産物の生産、加工、販売、および船や道具の整備、修理など港を中心とした生活で、その港が、地震、津波で破壊され生産活動が大打撃を受けています。復旧に向けて港の修復等が早急に求められていますが、中央が復旧の計画を立てているのでは現地の要望にうまく答えられないだろうということです。復旧には、現地が権限を持って事に当たるための分権が重要であると強く感じました。

 ツアー参加のための名古屋から仙台までの新幹線の車中で放射線量を測定しました。所持している線量計での値です。
やはり福島、郡山の値が高くなっています。
 福島については、これから除染の方法、汚染土壌の処理等の問題を解決していかなければなりません。

 本の紹介 (井階さん  
 これからの日本社会のあり方を考える上で参考になると思います。ぜひ一読してください。

   小出裕章 / 筑摩書房  ¥1、050 (税込)

   福島の原発事故をめぐって/みすず書房
                    ¥1、050 (税込)

 レンズで見える像 (鈴木さん  
 虫眼鏡を覗くと、見ているものの像のほかにも像が見えます。
 写真は蛍光灯の実像を机の面に映している所ですが、この状態でレンズを覗き込むと蛍光灯の像が2つ見えます。
 
 これはどういう像かわかりますか。

 実はレンズの上面で反射した光(つまり、凸面鏡の反射)でできた像と、レンズの下面で反射した光(つまり、凹面鏡の反射)でできた像です。
 
 いわれてみれば、レンズの曲面で光が反射するのですから、像ができて当然なのですが、対象物しか見ていないので気づかないことが多いですね。
 いつもとは違う視点でものを見ることが大切ですね。

 ものの重さが手に伝わるという考えを克服するために (鈴木さん  
 ものを手に載せたときに手が感じる力は、重力が手に伝わってきているためだと考える生徒がたくさんいます。重力と手が感じる力は別物であることを何とか理解させるための実験を考えました。
 
 1つ目は、台ばかりを手の代わりにして、おもりを載せたまま上下に加速度運動させるというものです。

 台ばかりの目盛りの大きさが手が受けている力の大きさになることを理解する必要がありますが、加速中のはかりの目盛りは、静止時と値が異なりますから確かに 重さ≠手の受ける力 です。
 (最も加速中の目盛りを正確に読むには優れた動体視力が必要になる・・・・)

 
 

  この場合は 重力=手が受ける力 ですが・・

  台ばかりを上下に加速度運動させます。
 2つ目は、台ばかりごと水に沈めて、浮力の分だけ目盛りが小さくなることを見せようというものです。
 残念ながら、空気の抜きがうまくいかず、はかりが水に浮いてしまいその結果を確認できませんでしたが、濡れても困らないバネ式の台ばかりならうまくいくでしょう。
 上からつるすバネばかりでおもりをつるし、水中でその目盛りが変化することはよく行いますが、台ばかりを沈めて行うのはダイナミックな考えですね。生徒の概念も変わっていくでしょう。

 そんな複雑なことをしなくても、手で支えたまま水の中に入れれば、体でわかるという声もありました。
 
 正しい基礎概念を作り上げるには、まだまだ工夫が必要ですね。

  はかりを密封して水中へ。

  自分でやれば体でわかるという声も。

 電離箱2 (市川さん  
 前回の例会で発表した電離箱を改良して、測定結果を持ってきてくれました。
 アンプ部を改良して安定した増幅を可能にしました。

 残念ながら時間がなく、測定結果についての詳しい内容が聞けませんでした。次の機会に発表をお願いしました。

 <参考> 電離箱 

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