2012年7月14日(土)愛知工業高校での例会の記録です。 

 ヒッグス粒子発見のニュースがメディアをにぎわせました。
 他の素粒子に質量を与える素粒子として、話は聞いていましたが、理論的なことは難しすぎて(?)よくわかりません。
 CERNの2つのチームが独立した測定で「99.9999パーセント」の確率で存在すると言明したのですから、普通は絶対間違いないと思いますが、それでもヒッグス粒子とは別の現象である可能性もあるようです。
 まさに、万人を納得させるまで実験的な追及は続くのですね。


 手作りレコード (近澤さん  

 今はすでに過去の遺物(?)状態の、手作りアナログレコードを持ってきてくれました。
 ニクロム線で暖めた針をスピーカーに貼り付けて、音を出しながらTPシートを回します。すると、シート上に、音のデーターが記録されます。 (シートが熱で柔らかくなり、針の振動パターンを溝に記録します。)
 手動で針を移動させながら行うと、結構長時間の録音が可能です。
 音を記録したレコード板(TPシート)を回して、ピックアップを置くとちゃんと音が出ます。
 こうして記録した懐かしい(?)歌声の記録を聞かせてくれました。

 こうしたアナログの記録方法は、デジタルになれた学生にどんな印象を与えるのでしょうか。
 過去の遺物と感じるか、それとも驚きの方法に感じるか・・・・。

 ピックアップ装置がもう手に入らないかもしれません。これも手作りの必要がありますね。
 
  熟練の技で作り上げた手作りレコードです。線の間隔が密で、長時間の記録が刻まれています。
  残念ながら、技術の必要度も時代とともに移ろうのですね。
 
 記録方法の変遷という観点で、コンピュータの記録媒体の移り変わりを見せてくれました。
 いまや、フロッピーディスクはほとんど使われていません。ハードディスクも、大きさや記録容量は昔のものとは雲泥の差があります。時代の変化についていくだけでも学習を怠れませんね。


 無効電力を使ったLEDライト (市川さん  
 省エネのために、照明を蛍光灯や白熱電球からLED照明に換えつつありますが、低消費電力、高効率の良い点の裏におもわぬ落とし穴があるという話です。

 AC100Vで使うLEDライトは、整流して直流電圧を利用します。
 LED側に電流が流れるには、電圧の閾値があり、この電圧になるまでは、電源から回路に電流が流れません。
 つまり、電源電圧が低い間は電流が流れない無効電力となるということです。
  整流素子やスイッチングのためのFETなど。  通電すると明るく光ります。
 V0がLEDの閾値を超えるまで電流が流れないので、電源側から流れ込む電流は、パルス状になります。つまり消費電力のグラフもパルス状になることになり、無効電力が発生するというわけです。
 
 市川さん製作のLEDライトは、このLEDの閾値を回路の工夫で低くすることで、無効電力を減らそうというものです。
 (回路図は、参考のサイトを参照してください
)
 実際に市販されているライトでは、この閾値はどのくらいなのでしょうか。
 愛工にあるLED電球が何Vで点灯するか、スライダックを使って調べてみました。
 結果は11V。電圧が低いとライトが点滅します。

 高価(?)なLED電球では無効電力は少ないようです。
 ただ、安価なものでは無効電力が大きいものもあるようです。
 
 
 電力を有効に利用するには、LED照明なら何でも良いというわけではないようです。

 <参考> LED照明のリスク
 

 最速降下線のおかしな記述を見つけましたの顛末 川田さん  
 前回の例会で紹介した、最速降下線に関するおかしな記述の本について、出版社から右のような手紙と、修正した新版が送られてきました。

 修正版は、数式も本文も正しく訂正されていました。
 川田さん、ご苦労様でした。
 

 ベルヌーイの定理を確かめる (川田さん  
 ご存知、ベルヌーイの定理です。
 管の中を水流が通るとき、管の太さで流速が変わり、圧力が変化します。 
 
 水道用の塩ビ管で右図のような模型を作り、水を流します。
 流速の違いによりアクリルパイプ゚の水面の高さが異なり、理論どおりの結果が得られます。
 
 さて、この2本のアクリルパイプをつないだらどうなるでしょう。 
 

 
 圧力の高いほうから低いほうに水が流れるということになります。
 やってみると確かに予想通りになります。
 ベルヌーイの定理は正しい!(当然!?)

 
 Thinking Physics という本にある問題です。
 ベルヌーイの定理の応用ですね。
 
  その他、飛行機の翼での空気流の話など、ベルヌーイの定理に関する現象を説明してくれました。
 

 
 <参考> ベルヌーイの定理 (川田さん)

 空洞中の重力場 (川田さん  
 地球に大きな空洞があったなら、その内部の重力はどうなるだろうと考えました。
 (1)半径R、質量M、密度一定と考え、地球の中心から r の位置にある質量mの質点が受ける万有引力
    は中心からの距離に比例した大きさになります。
         

 (2) 半径R/2 の空洞があるものとして、空洞内のP点、Q点にある質点が受ける力 f1, f2 を求めてみます。

 つまり、P点での重力は空洞がない場合の半分の大きさということになります。


 Q点でも同様に同じ大きさの力を受けることになります。

 (3) 同様にして、空洞内の任意の点(地球中心から r1、空洞中心から r2 の点)での重力を求めます。 

 空洞内の重力場が一様になるなんて、面白いですね。
 川田さんは、物質内の電場の計算がヒントになって、この問題を思いついたそうです。
  

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