例会速報 2026/03/22 和洋国府台女子中学校高等学校・Zoomハイブリッド
YPCホームページへ| 天神のページへ| 他のサークル・団体等へのリンク| 次回例会のご案内
YPC例会のもようを写真構成で速報します。写真で紹介できない発表内容もありますので、詳しくは来月発行のYPCニュースで。例会ごとに更新します。過去の例会のアルバムはここ。
授業研究:エネルギーと熱 伊藤さんの発表
伊藤さんは3学期に行った物理基礎の授業を報告してくれた。
物理教育研究会(APEJ)主催の基本実験講習会でも紹介された、自由落下や振り子で力学的エネルギー保存の法則を確認する実験が紹介された。自由落下の生徒実験では物体の落下運動を通して、エネルギーがどのように移り変わるかを確認した。机の面を基準とし、さまざまな高さからビー玉などの小球を落下させ、。落下途中の速度を速度計測器(ビースピ)で測定した。高さから決まる「位置エネルギー」と、測定された速さから決まる「運動エネルギー」の変化を追い、それらの合計がどの高さでも変わらない(保存されている)ことを生徒自身が発見していく手順となっている。

振り子の生徒実験では最下点の速さを測定値と計算値で比べた。
鉛直ばね振り子の実験ではばねの弾性力によるエネルギーがある場合の計算結果と実験結果が似たものになる検証を行った。机から吊るしたばねに重りを取り付け、重りが静止する「つりあいの位置」を記録した。その後、重りを「自然な長さ」まで持ち上げて静かに手を離し、重りが最も低い位置(最下点)まで伸びる様子を観察した。つりあいの位置での伸びと、最下点での伸びの関係を比較することで、計算結果と似ている数値になることを確かめた。

熱の単元では、ペルチェ素子を使って温度差で発電し、プロペラを回す演示やアルミ缶に燃料用アルコールを入れ、紙コップを飛ばす演示をして熱機関につなげた。

さらに、比熱測定や、フィズキーパーを使って断熱膨張によりペットボトルの内部に水滴を作る実験を行った。
伊藤さん提供の資料データのダウンロードはここ。

色の変わるハーブティー 越さんの発表
越さんは色が変わるハーブティー3種をお菓子・ドリンクコーナーに用意してくれた。いずれもアントシアニンが含まれているので、レモン果汁など酸性のものを入れると赤紫やピンク、赤色に変わる。休憩時間に参加者はそれぞれに実験をしながら、ハーブティーを楽しんだ。
バタフライピーはお湯に入れるとすぐに濃い青色を出し、酸を加えると紫色に変わる。


マロウブルーは薄い青から紫の色が出るがバタフライピーほどの鮮やかさはなく、時間が経つと自然に紫からピンク系に変化するのが特徴。
また、マロウブルーの方がバタフライピーよりもハーブティーらしい香りがする。

サンルージュは紫〜薄い黄色だが、レモン果汁や炭酸水を加えるとアントシアニンが反応し、鮮やかなピンクや赤色に変わる。

銀樹 越さんの発表
これも休憩時間に廊下での発表だが、越さんは、先日中学3年の授業で行った双眼実体顕微鏡での銀樹の観察実験を紹介してくれた。ホールスライドグラスの凹みに細い銅線(0.1mm程度)を置き、数滴の硝酸銀水溶液に浸し、双眼実体顕微鏡で観察する。そうすると銅線の周りに銀の結晶が成長していく様子をリアルタイムで観察することができる。この結晶は自己相似性を持つ「フラクタル構造」をしており、双眼実体顕微鏡を用いることで、その微細な枝分かれの様子を低倍率で立体的に観察できる。
音の干渉の可視化・その2 鈴木健夫さんの発表
前回例会での「音の干渉の可視化」の続報。前回は、Arduinoを使った音量によってを光る電子工作品を使ったが、今回はスマホアプリ「phyphox」でできないかという試行。最初はphyphoxの「音波振幅」でやてみたが、実際に人のいるざわついた教室で行うと、あまり良く判定できない。例会の場でいろいろ試してみて、「聴音器」(いわゆるオシロスコープ)というモードのほうが良いという提案があった。右の写真はその様子で、「音波振幅」よりも音の振幅の違いが視覚的に判断しやすい。
なお、前回例会の後、鈴木さんは、同僚の熊田さんから、音の干渉では音の波長を1mにすることで腹と節の間隔を大きめに取ると、腹線節線を生徒が明確に認識できるという工夫を聞いた。鈴木さんは、腹と節の間隔が小さい方が耳を少し動かすだけでわかるので良いと思いこんでいて、波長を大きくするという発想に至らなかったとのこと。例会では0.8mの音源間隔で、波長が0.8mになるように振動数を設定して試行した。この場では節線を明確化するまでに至らなかったが、鈴木さんは「聴音器」を使い目印を置いていくなどの工夫を検討するという。

ハチミツと温度 車田さんの発表
車田さんが紹介してくれたのは、東京都理化教育研究会で仕入れたネタ。フタつきチューブにわずかに空気が残るようにハチミツ入れて封印する。上下さかさまにすると空気の泡がゆっくりと上昇する。これをお湯で温めると空気の泡は非常に速く上昇する。とても温度に敏感だ。使用したのは、セリアで購入(4本110円)したオイルチューブ(湯煎するのででガラス製)。
写真は温める前。当日の室温は15℃程度。泡は非常にゆっくりとしか動かない。

こちらはお湯で温めたもの。上昇のスピードが劇的に変化する。ハチミツを温めると、ハチミツの分子の熱運動エネルギーが増大する。ハチミツの分子が激しく動くことで、お互いを束縛していた分子間引力を振り切りやすくなり、分子が自由に位置を入れ替えられるようになるため、液体全体がサラサラになる。空気の泡からすれば、冷たい時は「分子の鎖」に阻まれて進みにくかったのが、温まることでその鎖が解け、スイスイ進めるようになるというイメージだ、と車田さんは説明した。ハチミツに含まれる糖分などの分子量が大きく、複雑に絡み合っているため、現象が顕著に表れる実験だ。ハチミツの温度と空気の上昇速度の関係などは、探究活動の課題になりそうだ。

考えを共有しながら聞くアプリ 中田さんの発表
中田さんは「オシロビジョン」という会社を創業して、学習支援アプリの開発を行っている。今回は、現在構想中の新しいアプリのアイデアを披露してくれた。生徒は演習問題を解くときに、頭の中でいろいろなことを考えているが、解いた後、答合わせをする頃には、途中の思考過程を忘れてしまう。しかし、物理の学習で大切にしたいのは思考過程である。それを共有できたらと、開発に取りかかったのが今度のアプリだという。会場では参加者が自分のスマホでβ版で試行しながら説明を聞いた。
問題の提示画面は右図のようになっている。図と問題文の下に「思考メモ」という欄がある。問題を解く過程で、頭で考えたこと、わからないことなどをこの欄にチャットで書き込んでいく。音声認識もできるので、つぶやきを記録することもできる。「頭の中を追加する」ボタンを押して送信すると「思考メモ」欄に記録される。わからない場合は、匿名で「わからない」と回答することもできる。

処理された思考過程は画面上にバブル状に表示されていく。授業者側には、誰がどんな思考をしているか、全体の正答率はどうかなどが随時表示される(右図)。

一方、生徒側には左図のような画面で評価が示される。授業者側のアシストとして、AIも活用して簡単に問題が作成でき、即座にQRコードで生徒に提示できる仕組みも用意している(右図)。アプリの開発のコンセプトとして、問題を解く際に悩んだ過程をあとで見返せると、メタ認知に役立ち、思考力を育てることにつながると、中田さんたちは考えている。

80年代の炎の実験 天野さんの発表
天野さんが実演してくれたのは、伊藤さんも授業研究で触れていた、アルコールロケットの実験。アルミ缶の底部近くの側面に直径数mm程度の穴をあけ、缶の内部にアルコールを数滴入れて振り、蒸気を充満させる。紙コップをしっかりかぶせてから、側面の穴に火を近づけると、「ポン」と爆発音がして紙コップが飛び上がる。下の穴からも炎が吹き出すので、手を近づけないようにチャッカマンなどで点火する。動画(movファイル2.6MB)はここ。

もう一つは、ウイスキーやブランデーを飲み干したときに空きビンでよくやるランタンの実験。まだアルコール分の残っているガラスビンの中に線香の煙を入れて(大人はタバコの煙を吹きこんでもよい)、しばらく置くと煙の粒を核にしてビンの中にアルコールの霧ができる。乾いたビンでやるときは、スポイトでアルコールを数滴垂らしてからよく振る。

こうしてアルコールの霧が充満したビンの口に火を近づけると、「ゴォー」という音と共に炎が吹き出す。部屋を暗くしてやると演示効果抜群。写真のように炎はかなり上まで達するので、顔や手をビンの真上に置かないように注意する。動画(movファイル2.5MB)はここ。

実験を中心にした授業の感想 斎藤さんの発表
高校生の物理実験を担当したという斎藤さん。学年末の授業アンケートから、種々の制約の中で、授業に実験を取り入れて効果を高めるにはどうすればよいか考えた。今年度は講義と実験で担当者が分かれていたために、講義で理論を学ぶのにだいぶ先行して実験を行うケースも多く、生徒からは実験の理解や考察に苦労したという声が集まった。結果を論理的に予測して確かめるように進めたかったが、何をやっているかを呑みこめておらず、授業中は指示にしたがって手を動かすだけになりがちだった、という具体的な指摘もあった。

一方で、予備知識なしで実際の現象に触れて、試行錯誤することは、物理の意義を考えると妥当な順序である旨の評価もみられた。
人気があった実験は、ストローで自作するウエーブマシンやCDでスペクトルを観察する実験など。熱力学ワーカーズも評判がよかった。人気の実験/演習は、YPCで紹介されて広まったものも多かった。

シュリーレン現象をLEDおよびレーザー光で観察 夏目さんの発表
夏目さんは、こども向けの科学イベントで、子どもたちにやらせている実験を披露してくれた。以下、夏目さん自身による解説。
本実験では、まず図1のように、実験をするための簡単な装置を組み立てる。イベントでは、参加者全員に1人1セット作ってもらう。スクリーンとして用いるのはB4画用紙である。これを左右および下からそれぞれ7.5
cmの位置で折り曲げて立体的な遮光板を作り、これを机の上に立てる。これに画像を作るわけである。次に、このスクリーンの手前に透明なアクリルケース(横6cm、奥行き6cm、高さ9cm程度)を配置する。続いて、試料として砂糖アメ(パイン飴が真ん中に孔が開いていて便利だが、成分はショ糖および麦芽糖である)あるいは岩塩(スーパーマーケットの調味料売場にある)を用い、これをビニール付き針金(糸でも可)で結び、ケースの上部に橋渡しした割り箸(棒)から吊り下げる。
ここへ、光源として赤色LED(高輝度50000~60000mcdで前方角15°の砲弾型がよい)とボタン電池(CR2032)を準備し、図2のように、電池の両側をLEDの足で挟み、木製の洗濯ばさみで固定する。金属製のもので挟むとショートして危険なので注意すること。この光がアクリルケースを通過してスクリーンに届くように配置を調整する。このとき、スクリーン上に試料の下部がはっきりと映るように、LEDの位置や向きを微調整する。LEDを適当な大きさの台に乗せてもよい。

次に、アクリルケースに水を静かに注ぎ、吊り下げた試料の下部が水に浸かるようにする。すると、十数秒後に砂糖アメ(岩塩)が溶け始めイベントでは盛り上がってくる。下の方が少し浸かるだけでどんどん溶け、濃度の異なる領域による縞模様が形成される。この濃度分布は水の屈折率の分布でもあるため、LEDからの光はわずかに曲げられ、左下の図3のように、スクリーン上には明るさのむらやゆらぎとして像が現れる。これがシュリーレン現象である。すなわち、試料の溶解に伴って生じる流れや濃度勾配の変化が時間とともに現れ、対流や拡散の様子を視覚的に捉えることができる。ここで、観察を最適に行うためには、スクリーン、試料、および光源(LED)の位置関係が重要である。特に、水平方向の距離を調整することで、像の大きさやコントラストが大きく変化する。また、試料や光源の高さを微調整することで、スクリーン上に現れる模様の位置や鮮明さを制御することができる。どんどん溶けるには重力の働きも必須で、溶けて出来た密度の大きな液体が下へ落ちることによって、純粋な水が(横から)試料に補給されることも重要である。
さて、砂糖や塩が「水に溶ける」とは何を意味するのかを考えてみる。図4を見てほしい。ここでは「溶解」と「電離」を区別することが重要である。まず、塩(例えば食塩)の場合、水中ではイオン結晶を構成していた正イオン(Na⁺)と負イオン(Cl⁻)がばらばらに分かれ、水分子に取り囲まれて安定化する。このように、イオンに分かれて水中に広がる過程を「電離」といい、電解質の典型的な溶け方である。一方、砂糖の場合は異なる。砂糖分子は電離せず、そのままの分子の形で水中に分散する。このとき、水分子は砂糖(ショ糖、麦芽糖)のもつ多数のOH基(ヒドロキシ基)と水素結合を形成し、分子を取り囲むことで安定化する。すなわち、「水素結合を介した分子レベルの相互作用」によって溶解が起こるのである。
したがって、「溶解している」ことと「電離している」ことは別である。溶解とは、水分子と溶質との相互作用によって均一に分散する現象であり、その中に電離を伴う場合と伴わない場合がある。砂糖が溶ける場合は後者である。さらに、溶解の過程には熱運動も重要な役割を果たす。温度が高いほど分子の運動が活発になり、水分子が溶質を引き離して取り囲む過程が進みやすくなるため、一般に溶解は温度に大きく依存する。このように、塩は「イオンとして水に取り込まれる」のに対し、砂糖は「分子のまま水素結合によって水に溶け込む」という本質的に異なる仕組みで溶解している。

ここからは光源としてレーザー光をあてる実験を行う。すると、左下の図5のように、時折、ほぼ等間隔の斑点が水平方向に並ぶ。これは「干渉縞」という観点から自然に説明できる。
レーザー光は波長が一定であり位相がそろった「コヒーレントな光」であるため、媒質中の微細な構造によって回折・干渉が起こりやすい。
シュリーレン現象で観察された縞状の構造は、水中の濃度勾配に対応した屈折率の空間変化であり、光に対しては「細いスリットや細い板」のように振る舞う。すなわち、レーザー光がこれらの縞を通過すると、光はわずかに異なる方向に回折し、それらが重なり合うことで干渉縞が形成される。
干渉縞の間隔x0は、光の波長 λ、縞構造の間隔(有効スリット間隔、あるいは板の幅) d、スクリーンまでの距離 Dによって決まり、x0=λD/d で与えられる。
実験条件として、スクリーンまでの距離 D=26cm、干渉縞の間隔 x0=3mm、レーザーの波長 λ≈0.7μmとすると、縞構造の間隔 dはおよそ 60μm程度と見積もられる。これは、シュリーレン像として観察された濃度の勾配の筋が、数十マイクロメートル程度のスケールをもつ鉛直方向の縞模様であることを意味している。すなわち、肉眼では単なるゆらぎとして見えていた流れの中に、実際には「回折格子」のように振る舞う微細な密度変化が存在していることが、レーザー光による干渉現象によって明らかになったと言える。
次は、容器から出てくる光を容器の角を通す実験である。図6のように容器内の縞構造にレーザー光を当て、その透過光をさらに容器の角(エッジ)に通すと、スクリーン上には複雑な層状構造や、動き回るフレアー(明るい筋や斑点)が現れる。ここで見ているものは、単なる「光の像」ではなく、水中に形成された屈折率分布の空間構造と時間変化である。まず、試料の溶解によって生じる濃度分布は、屈折率の分布に対応する。レーザー光はコヒーレントであるため、この屈折率のむらを通過すると、場所ごとに異なる光路長を持つようになり、位相のずれが生じる。これはすなわち、水中の構造が「位相格子」として働いていることを意味する。さらに、容器の角に光を通すと、この位相の違いが回折・散乱として強調される。角は一種のナイフエッジの役割を果たし、わずかな進行方向の違いを明暗の差として顕在化させる。その結果、層状に見える構造は濃度(屈折率)が比較的滑らかに変化している領域に対応し、細かく揺らぐフレアーは局所的な乱流や対流による急激な濃度(屈折率)変化の反映と思われる。これらが、それぞれ異なる空間スケールで可視化されたと主張したいが、不明な点も多く、今後に残された課題としたい。
例会での実験の様子の動画(movファイル6.1MB)はここ。

ミューオンで放射性廃棄物を無害化? 西尾さんの発表
YouTubeチャンネル「加藤康子の日本のものづくり応援チャンネル」に、「放射性廃棄物の無害化に成功!Part1 核技術界に激震!!! 原発の未来に光!」という衝撃的なタイトルの、80万回以上再生の人気動画がある。東京科学大学のゼロカーボンエネルギー研究所の特定教授の、奈良林直氏の研究紹介である。奈良林氏は北海道大学教授から東工大先導原子力研究所を経て今に至り、日本保全学会の会長も務めた原子力工学の重鎮のようである。

この研究は、素粒子のミューオンを使って放射性廃棄物の消滅処理を行うというものだが、Japan Skeptics(『超自然現象』を科学的・批判的に究明する会)
会長の元神戸大学教授松田卓也氏によると、開発したという技術の理論の元ネタの論文の内容を間違って解釈しているトンデモ研究である。加速器で作ったミューオンを標的物質に当てると、正のミューオンと電子が結合した原子状のミューオニウムができる。そのミューオニウムは標的物質中にとどまってしまうのだが、それにレーザーを当てると、真空中に出るミューオニウムの割合が増えたというのが、元ネタ論文である。しかし、それを奈良林氏は、加熱するとミューオンそのものが増殖すると誤って解釈して、それで放射性廃棄物処理に利用できるレベルの膨大なミューオンが得られるとしたのである。

奈良林氏が行った実験は、なんとテルミット反応でミューオンを増殖させており、化学反応で核反応を起こすという話である。原子力工学というそれなりの物理の専門家でも、化学反応と核反応のエネルギー差を理解していないというのは、高校物理のエネルギー教育の課題を投げかけていないだろうか。

授業小ネタ 市原さんの発表
市原さんがYPCニュースの巻頭言に書いた、「レンズ豆」と「氷晶石」の実物を見せてくれた。レンズ豆は、ガラスのレンズの名前の由来になった豆であり、氷晶石はかつてアルミの精錬に用いられた鉱石である。そんな些細な話(小ネタ)でも、やはり実物があると印象に残るものである。

市原さんが、クイズとして「これは一体何の小ネタでしょう」と紹介したのは、野球場に猫が乱入した動画。猫の姿は見えないけれど、カメラワークはしっかりスタンドを走り回る猫を追いかけている。なぜカメラは見えない猫を追えるのか。正解は「霧箱の実験」で、周囲の人が反応するからどこに猫がいるのかがわかる。霧箱も、電子の姿は見えないけれど、それが通った軌跡は追いかけることができるというわけ。

本の紹介「物理学者の自由研究」 山本の紹介
村田次郎著・岩波科学ライブラリー341「物理学者の自由研究」(岩波書店)¥1500+税、という近刊の紹介。著者は立教大学理学部物理学科の教授である。その物理学者が、最先端の物理学研究の傍ら、専門分野を踏み出して、家族や子どもたち、学生たちと、子どもの頃のようにのびのびと自由研究を行った記録を綴ったもの。岩波書店の雑誌「科学」に連載されていた記事を集めた本である。
本文では、身近なカーリング競技で「カーリングのストーンはなぜ曲がるか」という素朴な疑問から挑戦が始まる。回転するストーンが通常の摩擦を前提とした予想とは反対向きに曲がっていくのは、その業界では長年謎だったらしいが、著者は子どもたちと共にこれを解き明かしてしまう。さらに、「滑り台は大人の方が速い」という謎にも挑戦していく。こうした視点や探究のしかたの詳しい解説は、中学・高校の探究活動を志す生徒たちにとってとてもよいお手本・目標になるだろう。著者はさらに、鏡の対称性の話から物理学の世界に誘い、哲学的視点にまで読者を高めていく。巧みな構成だ。
著者の専門は「余剰次元探索のための近距離無重力実験」や「加速器を用いた時空対称性の研究」である。こちらに関しては、ブルーバックスB-1716「余剰次元と逆二乗則の破れ」(講談社)が2011年に出版されている。

曲率半径3mレンズの配布 鈴木健夫さんの譲渡会
前回例会で山本が配布したのと同じ、曲率半径3m(焦点距離約6m)の平凸レンズが、鈴木さんの手元にもあった。同じナリカのガレージセールで入手したものだという。鈴木さんはうち8個を放出し、希望者に配布した。

二次会 市川駅前「鳥貴族市川店」にて
19名が参加してカンパーイ!例会本体には対面で28名、遠隔で5名、計33名の参加があった。越さん主催のガレージセールのおかげもあって、なかなかの盛会だった。地元千葉県からの参加者も多く、いつもとは違った顔ぶれで楽しめた。こうして例会会場をジプシーして歩くのはYPCの伝統で、おかげで仲間がどんどん増えている。「出開帳」と呼ぶ人もいる。
YPCホームページへ| 天神のページへ| 他のサークル・団体等へのリンク| 次回例会のご案内