2018年2月10日(土)の記録の第2ページです


 ウゴトルの利用 (伊藤さん  
 生物教育学会の発表でウゴトルという、撮影した動画をコマ送りでき、時間もコマ数で計算できるアプリを知り、実際に授業などで活用してみました。

 まずは生物で学ぶ膝蓋腱反射の授業の様子です。

 伊藤さんは、実験の様子を撮影し、すぐに映像から分析するというライブ感のある使い方をしました。

 授業ではまず、膝蓋腱反射にかかる反応時間をウゴトルに表示される時間の差を取ることで求めました。結果は0.08秒でした。
 次に、他の場所を叩いた後の反応時間を解析・計算すると、0.16秒かかりました。
 比較すると反射のときの方が反応時間が明らかに短いことが分かります。
 この差が刺激が大脳に行く時間に相当します。
 授業で撮影した膝蓋腱反射の様子。
 次に、升目付きの黒板を使い、自由落下から重力加速度を計算してみました。

 1m落ちるのに0.45秒かかり、計算するとg=9.87m/s2。期待以上の結果が得られました。

 ビースピ―より直観的で新たな実験の形として、定着していきそうですね。
 自由落下の実験です。  その場で落下距離も計算できます。

 超望遠カメラでの月の撮影と (伊藤さん  
 先日のスーパーブルーブラッドムーンに合わせ、NIKONの光学83倍ズームを搭載した超望遠デジタルカメラCOOLPIX P900を購入し、撮影してみました。

 右の写真がその中の1枚です。伊藤さんは月の凹凸まで分かるような、あまりに鮮明な画像に驚いたそうです。
 これでは、デジカメの高ズーム化で、そこそこの望遠鏡は淘汰されてしまう日も近いかもしれません。
 望遠鏡より大きく鮮明に見えます。
 話が終わった後、井階さんから話題提供が。
 月食の始まりから終わるまでの時間を測り、月の速度の値を利用し、地球の影の直径を計算してみたところ、8000kmになり、地球の直径12700kmと大きな差が生じ、なぜだろうかと原因を考えたことがあるとのことでした。
 太陽は地球よりずっと大きいため、太陽からの光は平行光線ではありません。

 そのことを考慮し、計算すると、本影の直径が約8000キロ、測定値と一致し、納得ができたという話でした。

 詳しくは 外部リンク 国立天文台 月食の仕組み
 より拡大してみると。

 1円玉が浮くのは表面張力のため? (鈴木さん  
 1円玉が水に浮くことは良く知られています。

 驚くことなかれ、この1円玉、世界でも唯一の浮く硬貨のようで、アメリカの科学教材通販サイトにおいて、1円玉が約8ドルで販売されております。

 1円玉はアルミニウム100%ですので、密度の大きさは水より大きく、水には沈むはずです。
 この理由が表面張力だけなのか、そうではないのかということを考えました。
 浮力+表面張力=重力 となり、1円は静止するわけですが、
 1円玉は浮いているとき、上面が水面より下になっています。浮力の大きさは、アルキメデスの原理から、1円の水面より下に入る体積で増減する変化量ですので、考えている以上に大きな浮力がはたらきます。

 紙芝居を使って。

 蛍光灯とバイメタル(深谷さん 
     
 蛍光灯はチョークコイルによって、スイッチを切るときの高電圧によって点灯します。様々なスイッチングをする機構が開発されてきました。

 昔、主流だったグローランプを使ったスターター形の蛍光灯はグローランプの中のバイメタルを使い点灯させます。
 グローランプのバイメタルに電流が流れ、金属の温度が上昇すると膨張率の違いで2枚あわせの金属板がたわみ、金属板が接触し、スイッチが入ります。しばらくすると、金属が冷め、金属板が再び離れるため、切れるときに生じる誘導起電力で蛍光灯を点灯させる仕組みです。

 
 むき出しのバイメタルをライターであぶります。  点灯しました。
 深谷さんは、バイメタルを直接、ライターの火であぶり、高温にし、接触させた後、息を吹きかけ、冷やすことで、蛍光灯を点灯させました。

 なんとも、ワイルドで原理むき出しの面白い実験でした。


 ゴム弾性で絶対零度を測定 (山本さん  

 ゴム弾性から絶対零度を推定するという興味深い論文を見つけました。著者は大阪大学名誉教授 畑野耕一さん、2007年の論文です。
 弾性力と絶対温度が比例関係を示すということを論拠に、実験で検証したという内容です。

 山本さんは様々なゴムを使い、論文にあったように、ペットボトルに氷を入れ温度を下げ、温度一定になったところで、ばねばかりの目盛りを測定するという方法で、再現実験を行いました。

 論文では絶対温度が−277.9℃との結果が出たとのことでした。
 しかし、山本さんの行った実験ではゴムの種類によって、絶対温度の推定値のばらつきがとても大きくなってしまいました。

 実験のやり方だけの問題でしょうか?
 
 大阪大学名誉教授の論文の再現実験です。  たくさん実験を行いましたが。

 音叉での音の干渉と本の紹介 (臼井さん  
 阪大の入試をきっかけに音の干渉に関して本を読んでみました。臼井さんによると東京理科大学教授 川村康文氏の「基礎物理学」は分かりやすく、お勧めだそうで、音叉から出た音の干渉についての記述もありました。
 それによると、右図のように90°ごとに弱めあう方向が現れるということで実験での確認を試みました。

 そのまま鳴らしても聞いても変化が判別できないので、音叉を回転させて強弱の変化を聞きました。

 すると、90°ごとに音の聞こえ方(おそらく強弱でしょう)の変化を聞き分けることができました。
 おんさから出る音の干渉で、4方向が音の小さくなります。
 これも音叉ではと、家の仏壇にあった鈴でもおなじなのではと実験してみました。
 

 こちらはやはり、音叉とは違い、全く判別不能でした。
 罰当たりですが、好奇心は止まりません。

 鎖の落下 (川田さん  


 ニュートンビーズと名付けられた鎖の実験ですが、鎖の落下は自由落下になるのかどうなのかと考察しました。

 力学的エネルギー保存の法則が成り立つ、単純な重心の落下運動なのか、どうなのかということなのですが、鎖同士が非弾性衝突をするために熱エネルギーになるになるエネルギーロスがあり、力積・運動量から求まる式が正しいのではないかということでした。

<参考> ニュートンビーズ(前田さん)


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