第2回科学教育ボランティア研究大会─ポスターセッション

■発表者 山田幹夫 サイエンスボランティア,高松高等学院顧問,星の学習研究会主宰 滝川洋二   高校教諭,ガリレオ工房,理科カリキュラムを考える会 高見真千子  わくわく自遊クラブ 島崎真紀子  京都科学読み物研究会
原田郁子他  日本ハンズオンユニバース協会 赤羽根充男  科学グッズ 酒井順他   サイエンス・ボランティアグループbutukura
 
各発表者の発表の概要(大会当日に配られたパンフレットより)

○山田幹夫「星の並びと位置の変化そして星の色の学習」
 小4での星の学習、扱う星座は二つ三つ、星の並び、色、時刻が変わると位置が変わる
ことを理解させる。中でも星の色の指導は大層難しい。
 さそり座周辺の星星のカラー写真を撮影して赤、橙、黄色、淡黄色、白、青白、青まで
の色を五つ星の見つけ方をモデル星写真、実視角B4サイズを使用して目の前高くかざし
て、これらの星の並びを見える広がり、高度を体感して理解できる指導方法を作成した。
 子どもひとり一人に昼間、教室での理科の実習のためのモデル星写真を理想印刷で印刷
作成して子ども、生徒一人ひとりに手渡して学習をすると効果的である。
 星の並びと位置の変化
 星の色の学習
 夏の大三角を見つける実習

○滝川洋二
 「ガリレオ工房の夢 科学教育ボランティア運動、今迄の10年、次の10年」
  日本の科学教育ボランティア運動にとって、「青少年のための科学の祭典」は1つのス
タートであった(これへの協力はガリレオ工房の科学教育ボランティア運動のスタートに
なった)。また、94年の理数系学会の「理科の授業を減らすな」という主旨の声明で「理
科離れ」への関心が集まり、これも科学教育ボランティア運動への大きな刺激となった。
  声明の出た当時、理科離れ克服のために2つの路線を考えていた。
  1つは「社会全体に科学の楽しさと重要さを伝えていくこと」でこれは科学教育ボラン
ティアの仕事、もう1つは「正面から学校教育を良くしていく仕事」。後者のためにも前
者は必要であると考え、ガリレオ工房では、大型実験ショー、実験教室やテレビ番組への
協力、e-教室などを行い、後者についても00年に発足した「理科カリキュラムを考える
会」が活動を広げている。
  目標は「科学をベースにした市民社会を作る」こと。科学が生活に浸透している現在は
科学の利用について市民に判断する力が求められるからである。この目標を実現するのは
市民運動であり、さらに科学者、マスコミ、経済界、政治家などとも連携した組織作りが
必要になる。
 「小さくとも、将来の大きな変化につながる一歩をみんなで踏み出しましょう。」
(当日配られたパンフレットより要約。文責:Web管理者)
○高見真千子「『わくわく自遊クラブ─科学を遊んじゃおう』の活動紹介」  京都府長岡京市の市民団体「長岡京市まちづくり市民懇談会」の「わくわく自遊クラブ ─科学を遊んじゃおう」というクラブです。1年生から6年生までの子どもたちが対象で 活動は月2回、半年クールの固定メンバー制です。いろいろな身のまわりにある物質や仕 組みに目をむけた科学遊びを、ちょっと「不足した」状況の中で「工夫したり」「調達し たり(人に聞く、人から借りる、も含めて)」することを大切に進めています。キットや マニュアルをなぞるのではなく、横道にそれることも容認して、子どもたちと発見や失敗 を共有しています。今年で3年目になるこれまでの活動を紹介したいと思います。 ○島崎真紀子「京都科学読み物研究会の活動紹介」  京都科学読み物研究会は京都で親子対象の「やさしい自然教室」と、子どもの科学の本 の読書会を続けて20年になります。「本から自然へ、自然から本へ」をモットーに、毎 月一度、子どもたちを自然をみつめ、本で確かめる活動を続けています。「やさしい自然 教室」は親子対象でキノコ、クモ、植物など毎回テーマを決め、専門家を招いて自然観察 会を行います。科学遊びや見学の回もあります。「読書会」は大人対象で、子どもの科学 の本を一つのテーマに沿って読み比べます。いずれも知る喜び、分かち合う子どもたちと 仲間がいることが、活動の原動力。このような当会のあゆみと運営方法、活動内容を資料 と共に展示紹介します。 ○原田郁子他「科学技術館におけるJAHOU教室─中学生カリキュラム実践報告」  HOU(Hands-On Universe)は、アメリカで始められた、高校生のための科学教育プロ グラムである。日本ではこのHOUの活動に参加しようという動きが1996年から始まり、 国内各地の学校や科学館などで実践されている。HOUのカリキュラムは当初高校生のた めの科学教育プログラムとして開発されたが、最近になって中学生向けの科学教育カリキ ュラムが開発された。この中学生向けのカリキュラムを、科学技術館(北の丸)の友の会 の会員の小学校高学年から中学生を対象に実施した。これについて紹介する。 ○赤羽根充男「青写真と日光写真」  昔は、設計技師がカラスペンで描いた製図を必ず青写真に焼き増しして使ったものです。 それから青写真が青焼きコピーに変わり、現在はパソコンとプリンターに代わってしまい ました。青写真を実演します。原理は青写真です。焼くだけで定着してないので、全体が だんだん感光し像が不明になります。そこで新しい素材を使って新しい日光写真を実演致 します。お土産に二種の感光紙、ガラス板そして懐かし〜いネガを用意します。 ○酒井順、中司信人、吉田紀美佳  「サイエンスボランティア・グループbutukuraのイベント活動とWeb活動」  前回、北海道のサイエンスボランティア活動として様々な活動をしているということを 発表しました。今回はポスターセッションという形をとって、今年度のbutukuraの活動の 内容と、そして開発中の新たなWebボランティアの方式について発表したいと思います。  今年度のイベント活動の内容として大きなものは、”夕張石炭の歴史村”様から依頼が あった夏休み実験教室です。これは実験教室を開くに当たって、現地のスタッフに講師と して実験の手ほどきをするというものでした。普段、我々は子供たちに実験を教えている のですが、講師という立場で立場で”教える側”を育てるという大変貴重な体験をさせて いただきました。  そしてWeb活動では、Flashを用いて誰にでも、どんなパソコンでも見れる、”子供 に優しい”インターフェースを持った、新たな動画実験工作教室サイトを開発しておりま す。当日、開発中のデータを少しでもお見せできたら・・・と思っております。


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