第2回科学教育ボランティア研究大会─分科会
■分科会A1「パートナーシップのあり方」分科会

■発表者 村田直之   ONSEN,ケニス株式会社 吉田のりまき 薬剤師,東久留米市スクールサポート21  原田郁子   日本ハンズオンユニバース協会 ユン・ヘギョン 韓国科学財団
山田善春  大阪市立高校
 
各発表者の発表の概要(大会当日に配られたパンフレットより)

○村田直之
私はこれまでボランティア講師として300回を越える実験教室を経験してきました。そ
の中で、多くの実験教室の主催者や保護者と出会い、打ち合わせから実施までさまざまな
パートナーシップを模索してきました。本日は、その中からよりすぐりの「失敗談」をお
話し致します。
@「科学実験教室」って何?⇒そんなことも知らずに依頼してきたの
A学校とPTAの間に挟まれて・・・。⇒PTAはノリノリ、学校はピリピリ
Bこんな主催者がおりましたんや⇒実績が必要、子どもは不要
Cこんな保護者がおりましたんや!⇒待てないお母ちゃん、やってあげるお母ちゃん
Dこんな講師ですんまそん⇒ボランティアは練習の場と違うぞ!!
E主催者と保護者と講師の三角形。その真ん中に子どもたち。⇒子どもたちを暖かく包み
込むためのパートナーシップのあり方
 私は学校教員ではありません。難しい教育論も知りません。教育のど素人です。本日は、
日本全国の「実験教室の現場」を歩きながら素人が考えた「パートナーシップのあり方」
について発表させて頂きたいと思います。笑わせます。当然、お土産あり。

○吉田のりまき「「スクールサポート」について」
時代とともに、学校教育のあり方も変わりつつあります。特に学校と地域は、どのように
かかわっていけばいいのでしょうか。東久留米市には、スクールサポート21という制度
が1999年に発足しました。地域のさまざまな人材を学校教育に生かそうという試みです。
私自身も理科の分野で登録しており、ボランティアで学校にかかわっています。まず、ス
クールサポートの制度についてご紹介します。そして、理科の分野では、実際にどのよう
な活動をしているのか、またどのような活動がもとめられているのか、といった話をした
いと思います。

○原田郁子「JAHOUの活動におけるパートナーシップ」
 HOU(Hands-On Universe)はアメリカで始まった高校生のための科学教育プログラム
である。これに参加した生徒は、本格的な天体観測用望遠鏡を用い、自分自身の観測を行
うこともできる。HOUに参加している教育や科学館の職員は、米国、スウェーデン、日
本、ブラジル等、あわせて300名程度である。日本では1996年からHOUの活動に参加しよ
うという動きが始まり、日本ハンズオンユニバース協会(JAHOU)組織し、有志によ
りHOUワークブックを翻訳し、日本語版のワークブックが完成した。JAHOUでは高
校の教職員を始めコンピュータプログラマ、ネットワーク技術者、アマチュア天文家、科
学館の職員、プロの科学者などが参加している。このJAHOUにおけるパートナーシッ
プを紹介する。

○Yoon Hye-Gyoung(ユン・ヘギョン)「韓国における科学の祝典の紹介」
 The Korea Science Festival, the largest public science event in Korea, has
successfully been held for the past 6 years since 1997.Unlike the Tokyo Science
Festival, many research institutes and companies as well as science teacher's 
group(science volunteer group) participate in the festival as a program manager.
It provides a wide range of programs to satisfy diverse tastes of the public.
 In the talk, the short history of the festival will be mentioned and the 
features & problems of the programs will be presented as taking the example of
2002 festival in Pohang. Also some comparison with other countries' science
festival will be tried.
 韓国科学の祭典は、韓国内で最大の公開科学イベントで、1997年より6年間にわたり成
功裏に開催されています。東京の科学の祭典と異なり、理科教師のグループ(科学ボラン
ティアグループ)に加えて、たくさんの研究機関や企業も、大会の世話役として参加して
います。韓国科学の祭典では豊富な内容の発表展示が行われ、社会の多様な嗜好に応えて
います。
 今回の発表では、韓国科学の祭典の歴史を簡単に紹介した後、2002年のPohang大会を例
として、その特徴と課題について述べる予定です。また、他の国々の科学の祭典との比較
もしてみたいと考えています。

○山田善春
 科学館で親子の科学実験教室を手伝った。終わった直後、あるお母さんが、私の住んで
いるところでもこのような親子実験教室をやってほしい、と申し出られた。事情をお聞き
すると、お子さんが通っておられる小学校では、お子さんが大好きな理科の時間に実験が
やられていない、PTAの行事で楽しい実験などをやってほしいと提案しても断られると
のこと。それでは、ということでやり出したのが私の科学教育ボランティアの初めである。
1995年末のこと。そこからOnsenの科学教育ボランティア活動が始まった。
 お母さん方が集まって、会場の申込み、地域の広報誌への掲載など、すべて分担を決め
てやられ、その熱意には心打たれるものがあった。初めは小さな活動でも地道に続けられ、
現在のMJSC(箕面ジュニアサイエンスクラブ)に発展した。
 お母さんからの申し出がなかったら、私はボランティア活動を始めていなかったかもし
れない。お母さん方は、私にとっても、Onsenの科学教育ボランティア活動にとって
も、パートナーシップの原点である。父母とのパートナーシップを大切にした科学教育ボ
ランティア活動が展開されることが今後も重要であると考える。


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