■発表者 松村浩一 中学校教師,サイエンスレンジャー 檀上慎二 四天王寺高等学校中学校 教諭 雁野重之 東京大学博士課程,日本学術振興会特別研究員 工藤貴正 青森県立板柳高校教員 山田幹夫 サイエンスボランティア,高松高等学院顧問,星の学習研究会主宰
各発表者の発表の概要(大会当日に配られたパンフレットより) ○松村浩一「弁当パックで立体模型2」 昨年、弁当パックのふたの部分を利用して、等高線から「見た目、立体模型」を作る方 法を紹介しました。方法自体は簡単ですが、工作の前段階の「地図データ作り」が、実は 意外と難しいのでした。 今回は、パソコンで地図ナビゲーターのソフトを使い、いろいろな地方のいろいろな地 形を簡単に立体模型にする手法を紹介します。日本各地の成層火山、楯状火山、鐘状火山 を立体模型として比べてみるのもおもしろいです。また、郷土の山や島を再現することで、 社会や、「総合の時間」にも使えます。 ○檀上慎二「ミニ釜鳴りにトライ」 大きな釜に蒸し器を乗せ、湯を沸かしたところに上から米を撒くと、ブオーという大き な音が鳴る。この不思議な現象は、古来、日本各地の神社で祈祷や占いに用いられてきた。 現在では、その原理は熱音響自励振動であることがわかっており、同じ原理で音が鳴る実 験が数多く知られている。本格的な釜鳴りの再現実験は、大釜や蒸し器など大掛かりな装 置を必要とするが、簡単な装置で釜鳴りを体験できる、科学実験教室向けのミニ釜鳴り実 験を紹介する。併せて、熱音響自励振動の原理についても説明する。 ○雁野重之「ペーパークラフトで学ぶサイエンス」 ペーパークラフトは安価かつ合理的に用いることができる理科教材の一つである。本発 表では実際の教育現場でペーパークラフトを利用するメリット/デメリット、教材の入手 方法、利用方法の例などを紹介する。また、近年ではパソコンを用いてオリジナルのぺー パークラフトを簡単に作成することができる。これにより、用途に合わせて模型を容易に 用意することができるようになっている。本研究では独自に模型を作成する方法を実演を 交えて紹介したい。 ○工藤貴正「科学マジックとは」 「話術」と「演出」。この2つの要素が「科学マジック」の教育的効果を、より増すこ とになる。「科学する心」を育成するためには、単に「マジック」を見せるのではなく、 できるだけ身近な素材を用い、子供の興味・関心を引きつけ(話術)、「なぜ?と思う」 不思議を演出することにより、達成できるものだと考える。 ○山田幹夫「目と手で確かめる、わかる星の学習を目指して」 〜モデル星写真利用し、実習して、目と手で確かめ、体感する星の学習法〜 指導が難しいといわれてきた夜しか見えない小4の星の学習を昼間、教室で、モデル星 写真を利用、実習をして星の並び、明るさ、時刻が変わると位置が変わることを体感して 理解する。中3ではモデル星写真の活用は勿論、ここでは北斗七星、カシオペヤ五つ星、 北極星の3枚の小型実視角星写真を並べ、A3のトレース紙に写して北の空の大型星座カー ドを作成、北の空の星の並びのあり方をカードをかざし、回して体感理解、またさそりの 三態写真を利用、南の空の星の動き、天の南極を発見する実習などから、星の一日の動き を考察、新しく開発の透明半球実習に発展する。これらの実習はボランテイア講座などで 実施、よくわかると好評であった。