■発表者 赤羽根充男 科学グッズ通販 菅原静香 ブリストル製薬(株) 杉山剛英 札幌旭丘高校 高見真千子 わくわく自遊クラブ 古田豊 立教新座中学校・高等学校,NPO法人ガリレオ工房, NPO法人理科カリキュラムを考える会 益田克行 あおぞら実験教室,YPC 他4名 山田幹夫 香川県政策部政策課委嘱サイエンスボランティア, 高松高等学院(サポート校)顧問
各発表者の発表の概要(大会当日に配られたパンフレットより) ○赤羽根充男 <不思議から興味を引き出そう> 子どもたちに科学的興味を持たせるために、不思議な物を見せて上げよう。見ることによ って、何で?どうして?と不思議がる物。必ずしも理論や答えを用意しなくてもよい。もと もと科学的理論を正確に理解するためには高度な知識と理解力が必要であり、小学生に100% 理解させるには無理が多い。科学に対していったん強い興味を持てば、科学の基礎を熱心に 学んでいく筈です。 不思議な科学 おもちゃを2つ用意し実演します。子どもたちに興味を持ってもらう前に、 指導者である皆さんに先ず興味を持ってもらえれば幸いです。 実演しますのは、記憶合金を使ったおもちゃ「マジック風車キット」、および蒸気機関で ある「首振りベビ−エレファント 」です。 ○菅原静香 <水面に浮く水球と水面波の観察> 実験概要 この実験は表面張力により丸くなった水滴が水面に浮く様子を観察します。一瞬の出来事 なので、普通は忘れさられています。原理は水面に強制振動を与え振幅の大きな水面波を発 生させると上部がちぎれて水滴を中空に放出し落下してきます。「ミルククラウン」として よく知られている現象です。そして水面に着地してもその水滴は水面に水玉となったまま一 定時間安定し存在し続けます。次の工夫をします。 ア.溶液は薄いセッケン水を使用。 イ.振動装置で水面波を起こす。(百円ショップのマッサージャーも可) ウ.水玉の大きさは振動数に関係する。 ○杉山剛英 <ヒドラとミジンコ> ヒドラとは淡水に住む刺胞動物でクラゲと近縁の動物です。体長は1cm程で5〜7本の触 手を持ち(5cmくらいに伸びます)、ミジンコの様なプランクトン等を捕食します。触手に 触れると刺胞から毒針が打ちだされ、神経性の毒で瞬時に相手を麻痺させます。ヒドラは全 身胃袋という構造で、神経細胞も含めて常に新しい細胞と置き換わっているので不死身です。 さて、この興味深いヒドラを顕微鏡・ルーペで観察してみましょう。きっとあなたも虜にな ります。そして、えさとしてミジンコをあげましょう。飲み込まれていくシーンは圧巻です。 でも興味本位はいけません。生きていくために必要なことです。我々の日常では、相手の命 を奪うところは見えなくなっています。この観察を通して、そのことを考えてみてください。 また、ミジコたちにも意外な性質があります。どんな性質かは見てのお楽しみ。 ○高見真千子 わくわく自遊クラブ「科学を遊んじゃおう」 わくわく自遊クラブ「科学を遊んじゃおう」も今年で4年目になります。スタッフは4人 でだいたい20人くらいの1年生から6年生までの子どもたちといっしょに時には横道にそ れつつ、発見や失敗を共有しています。活動は今年は月1回、小学校の開放教室を使ってい ます。将来的には各学校にこんな活動ができていくのがゆめです。 身近なものを使って子どもたち自身が確かめていく、見つけていく、ものづくりの場合は キットや説明書を与えるのではなく説明を聞いて隣の人のを見たり、スタッフに聞いたりし ながら作っていく…こんなやり方です。材料の配布も最初は均等ですが、やりたいことがは っきりしていれば量の許す限りどんどんつかってもらいます。たいして専門家でもない私た ちがこの4年間に実践してきた楽しい経験を問題点や発見をおりまぜながら、伝えさせていた だきたいと思います。 ○古田豊 <季節感のある物理系実験> 季節を感じる題材から理科(物理系)実験を発想し、東京新聞科学面「やってみようガリ レオ工房」に連載しました。(http://www.tokyo-np.co.jp/sci/ )季節の話題を使うと、 読者が現象をどのように身近に確かめることができるかを意見交換したいと思います。 ・フルーツを刺す力(2003年11月12日)秋、冬の果物の食べる行為にちなんだ題材 ・回転運動と姿勢の関係(2003年10月21日)秋、冬のスポーツにちなんだ題材 ・チョコレートで熱の観察(2003年2月18日)バレンタインデーのチョコを使った題材 ・光で脈のピクピクを見る(2002年12月31日)年末年始の時間経過を意識した題材 ・空気の性質をお風呂で調べる(2002年11月19日)お風呂で温まりたい季節にちなんだ題材 ○益田克行,吉田のりまき,佐藤文香,伊藤さち,佐藤淑子 <あおぞら実験教室活動の様子> 私たちは月1回、野外での実験教室を行っています。発表者は関東近辺の教員が中心で、 毎回6〜7人程度で活動しています。最近では学生の参加者も増えより活気がでてきました。 毎回1つのテーマを決め、公園で道行く人たちにショーを見せたり、子どもたちにも参加で きる実験工作、競って遊ぶコーナーなどを用意したりして活動しています。参加者は小さな 子供達が非常に多く、リピーターも来てくれます。小さな子供が中心なので、工作等では難 度や安全性への配慮は特に気を使います。また、屋外での活動ゆえに制限も色々有ります。 しかし、道行く人達が飛び入りで参加して、発見・感動して、喜んでくれる様子はこのよう な活動の醍醐味ではないでしょうか?5年目に入りました「あおぞら実験室」ですが、今回 は活動の様子についてみなさまにお知らせしたいと思います。 ○山田幹夫 <科学実験観察としての星の動き学習の展開> 〜星を手に取って確かめ学ぶ星学習〜 中学校3年の星の動き、地球の自転理解学習を教室で天文事象を具体化してモデル星写真 を使用、科学実験観察という態度での星の学習である。 内容の一部 星の動き学習を小型星座カード星写真,北斗七星、北極星、カシオペヤ五つ星の三枚の星座 カードを作製 1)これら写真を観察、星の並び、明るさを確かめ、 2)三枚の写真を並べ、北の空の星の並びのあり方を体感理解、A3のトレース紙に写しと り,北の空の大型星座カードを作製、 3)これをかざして北の空の星の並びの時刻による変化、季節の変化を理解できる。 4)さらに秋、冬、春のころ撮影をした北の空の大型星写真のカシオペヤや北斗七星にトレ ースのそれを重ね合わせて、もう一方の星の並びを捜す実習などこの一連の星実習のま とめとして効果が大きい. なお教材の一部を贈呈します。学校での展開を期待しております。