中津層の化石 1998年度地学IB授業の成果から

 中津層群は神奈川県の中央部、愛甲郡愛川町付近に分布する地層です。この中の神沢層からは鮮新世後期、今から約250万年前の脊椎動物化石が多く産出します。特に、ニホンザルとは全く起源を異にするコロブス系のサルの化石がわが国で初めて発見されて、県の天然記念物に指定され、一躍有名になりました。
 本校では、神奈川県立生命の星・地球博物館から分けていただいた中津層の土石を用いて、98年11月に化石のクリーニング実習を行い、数多くの化石を採集しました。発見された化石は貝化石が主でしたが、思わぬ収穫もありました。以下に、主なものをご紹介します。なお、これらの化石は神奈川県立生命の星・地球博物館に登録・保管されています。

アシカの歯発見者:荏田菜穂子

 授業中に生徒が発見したもの。哺乳類の化石は非常に珍しいそうです。4枚の写真は同じサンプルを四方から撮影したものです。

二枚貝の化石発見者:山本明利


標本番号:NN0008233
ベンケイガイの一種(Glycymeris sp.)

名前不詳(トリガイ?)。カルシウム質は失われ、内型だけ残っています。

標本番号:NN0008234
マガキ(Crassosfrea gigas)の断片

左の写真と同じ標本を裏から見たもの。貝殻の全体はずいぶん大きかったのでしょう。

巻貝の化石発見者:山本明利


標本番号:NN0008228
エゾタマガイ(Cryptonatics)か?

巻貝の型が多数残る岩石。


標本番号:NN0008227-8230
キサゴの一種(Umbonium sp.)の内型
この類の化石が最も多く見つかります

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