国立歴史民俗博物館の舞台裏  99/03/26 神奈川県高等学校理科部会春季地学研修より

 地学研修の第一の目的地は、千葉県佐倉市の国立歴史民俗博物館だった。佐倉城址の広大な敷地に、巨大な施設が建設されている。
 中央の黒い棟が歴博の中枢部だ。この地下にどんな地震にも耐えるという、頑丈で巨大な収蔵庫がある。
 常設展示スペースはともかく巨大。広すぎて、たくさんありすぎて、とても一日で見きれる量ではない。日本の歴史と民俗のあらゆる資料が収集されている。

 99/03/09〜05/09の展示企画は「新弥生紀行」。ここを皮切りに全国行脚をする企画だ。展示物は撮影禁止のためレポートできない。本郷の弥生町から出土したという、弥生式土器第一号の実物を初めて目の当たりにした。

 研究活動でお忙しい中、博物館の辻先生のはからいで特別に、研究施設・収蔵庫内部を見学させていただけることになった。

 セキュリティの厳重な管理施設内に入ると、重々しい静寂感があたりに漂う。廊下には分析機器の冷却に使う液体窒素容器が並んでいただけで、人の歩く姿もない。床には行き先・搬送先を間違えないための色分けされたガイドラインが引いてある。色をたどっていけば目的地に着けるしくみだ。


 中心部の資料収蔵庫にはこの人数では入室できないとのことで、その手前の整理室を拝見した。発掘資料などはとりあえずここに運び込まれる。
 積み上げられたコンテナの中には、おびただしい数の人骨などの発掘資料が整理を待っていた。


 研究室内は意外と手狭だった。顕微鏡や画像処理装置が所狭しと並ぶ。

 花粉や化石、14Cなどを手がかりに遺跡の年代決定・自然環境の推定などを行う。辻先生が手にしているのはそのための花粉データベースのカード。日本のみならず世界の花粉資料が、すぐに検索できるシステムになっている。


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