第五回・神奈川の理科教育を考える集い (98/12/23 県立湘南台高校)
神奈川県の小中高の理科サークルが教科の枠を越えて集まる「神奈川の理科教育を考える集い」も今年で5回を数えます。午前中は物理実験室で「お楽しみ広場」、午後からは物化生地に分かれて分科会、最後の全体会では小佐野正樹科教協委員長の講演と盛りだくさんの一日でした。
ここでは、お楽しみ広場の出し物を中心にご紹介します。天神は裏方で忙しかったため、網羅的に取材をすることができませんでした。ご紹介できなかった方、申し訳ありません。
How to make DINASAUR MODELS
寒川中学・小貫さん
全自作のシーラカンスや恐竜のモデル。紙と粘土による手作りだなんてとても信じられないできばえです。
彩色はアクリル絵の具を使っているそうです。しきりに感心する森さん(中央)と、作者の小貫さん(右)。
好評!YPCのオシッコ人形
上海直輸入のオシッコ人形は飛ぶように売れました。
ボカシ肥「エコちゃん」大正中・木村さん、大清水中・宮地さん
米ぬかとヨーグルトや納豆からボカシ肥が作れます。生ゴミを大地に還元し、土と緑を守ることができます。
混ぜるとたちまち甘酸っぱい発酵臭がしてきます。
小型モーター利用教具アラカルト 秦野南ヶ丘高・塚本さん
YPCでもおなじみの各種実験グッズ。手作りのエネルギーがすごい。
音で表す電圧・電流計 立花学園・久保田さん
V/Fコンバーターで、電圧を音の振動数に変換し、キーボードの音と聴き比べて判定します。人間の耳の周波数分解能は非常にすぐれているのでかなり正確に判定できます。電圧や電流を量として直感できます。
経現香 青少年センター・高杉さん
12月のYPC例会で紹介した「お経が浮き出るお香」の原理を高杉さんが早くも解明。自作してしまいました。硫酸銅の水溶液で黒い線香に文字を書けばよいのだそうです。型くずれせずにしっかりと燃え残る灰の方はただいま研究中。
カルメ焼き 慶應湘南藤沢中高・平松さん
すっかり定番の理科実験として定着した感のある「カルメ焼き」。身近な道具だけで確実に作れる方法を紹介していただきました。
カラメルの温度(125〜130℃)と、かき混ぜた箸を抜き去るタイミングが勝負です。
成功すると、ふっくらとおいしそうに膨らみます。ぱっくりと割れ目ができて固まるぐらいが良いできばえ。
綿菓子作り
これもすっかりおなじみの実験ですが、火加減やからめ方に微妙なノウハウが。
ジャンボシャボン玉 金旭中・斎藤さん
なるべく少量のシャボン液で、人が入れる大きさのシャボン玉をめざします。「おー、できたできた。」みんな大喜び。
巨大箔検電器 青少年センター・高杉さん
とにかくでかい。アクリルパイプを紙でこすって近づけるとご覧の通り。
空き缶をみがいて鏡にしよう 青少年センター・高杉さん
詳しくは「子供の科学」1月号(誠文堂新光社)の記事をご覧ください。
直流回路説明板 足柄高・水上さん
何でも木工してしまう水上さん。キルヒホッフの法則が一目でわかります。
炎色反応 金旭中・斎藤さん
アルミ皿とホウ酸などのメタノール溶液で、きれいな炎色反応が長時間観察できます。
講演会 「どうなる日本の理科教育−新しい学習指導要領をめぐって」
全体会では科教協委員長の小佐野正樹さんの講演をうかがいました。新指導要領が示す、21世紀の理科教育は決して明るい展望の持てるものではなさそうです。現場の草の根の力で支えて行くしかないでしょう。
懇親会 湘南台駅前、「はなの舞」にて
懇親会には14名が参加。来年の企画などを話し合いました。