第六回・神奈川の理科教育を考える集い (99/12/23 県立湘南台高校)
神奈川県を中心に活動する理科関係サークルの連絡協議会として発足した「神奈川の理科教育を考える集い」も、今年で6回目になりました。午前中は「お楽しみ広場」で自由発表、午後は物化生地の各分科会に分かれて実践レポートが行われました。ここではお楽しみ広場の出し物を中心にご紹介します。
恐竜のタマゴ 教育センター・神崎さん
石膏を風船の中に流し込んでうまく固めると、タマゴそっくりの形になります。名付けて「恐竜のタマゴ」。膨らませた風船に石膏を流し込む過程にちょっとコツがありますが、神崎さん発明のツールを使うと子供でも作れます。
固まったら風船をそーっと切り裂きます。砂を混ぜるとちょっともっともらしくなります。作り方の詳細は神崎さんのWebページ「シトリンの部屋」へ。
小型モーターによる実験シリーズ 秦野南が丘高・塚本さん
もう有名になった、塚本さんの「小型モーターシリーズ」。直流モーターを駆使して、運動、波動、電気などあらゆる分野の実験器具のラインナップをそろえました。上左は振動モーターにより水流を断続する装置。上右はシャーレの下で磁石を回転させて、水に浮かせたアルミ板や一円玉を回転させる装置。左は弦の振動の実験。小型モーターにも工夫次第でこんなに使い道があります。
燃料電池? 秦野南ヶ丘高・塚本さん
芯を出した鉛筆二本を食塩水につけて、乾電池でしばらく充電すると、乾電池を取り外したあとしばらくの間電池として機能します。食塩水に備長炭2本を突っ込んで大型のものも作ってみました。これも同じように充電式電池になります。電気分解の結果、一種の燃料電池ができあがっているのでしょうか。その場でいろいろと議論がなされました。
ストローのフラーレン 慶応湘南藤沢中高・平松さん
神奈川化学塾の代表で参加した平松さんは、理科部会化学実験実習委員会の伊福さんが考案したという、折れ曲がるストローを組み合わせたC60フラーレンの分子模型を紹介してくれました。
どんな色が出るのかな 慶応湘南藤沢中高・平松さん
各種指示薬を組み合わせ、霧吹きで薬品を振りかけると、白い濾紙に鮮やかな色の文字を浮き上がらせます。あぶり出しのようで楽しめる実験です。
ペルチエ熱電池 湘南台高校・山本
YPCではすでにおなじみのペルチエ素子を使った実用的熱電池。下のビンに熱湯を、上のビンに氷水を入れておくだけで、1時間以上モーターが回り続けます。詳しい製作記事はここ。
ペルチエ素子の格安販売 翠嵐高・浅見さん
タイムリーにも浅見さんが持ち込んだのはペルチエ素子を使ったCPUクーラーのジャンク品。モーターと放熱器がついてなんと¥300。486チップ用なので今はもう二束三文なのだとか。モーターをはずしてお湯を入れた容器をのせるだけで太陽電池モーターをつかったオブジェが楽々動きます。もちろんあっという間に売り切れ!
本物のカメラ 大船工技・金子さん
カメラのフィルム面にスクリーンを置いてカメラの原理を見せる・・・使い捨てカメラを使った例はあるけど、これは本物の一眼レフカメラ。シャッター機構が壊れてもこうして廃物利用ができます。さすがに本物のレンズは像のシャープネスが違うなあ。でもちょっともったいない?
教訓コップ自作コーナー 翠嵐高・浅見さん
ストローとプラスチックコップで作る教訓コップの自作コーナー。沖縄産の実物のカットモデルを見せるのは金子さん。
セミのおもちゃ自作コーナー 「なるほどの森」の森さん
民芸品にもある振り回すとセミのようになくおもちゃの自作コーナー。割り箸の先に松ヤニをひょうたん型につけるのがポイント。あとは紙コップを糸でつなぐだけ。セミというよりカエルのような声になりました。
黒板演示用地球儀 細谷さん
細谷さんの力作。発泡スチロールの半球に描いた地球儀。手作りとはとても思えない出来映え。ゴム磁石で黒板にはりつけて演示する。回転板もついていてスムーズに回る。
最後の全体会
分科会のあと全員で集まって、自己紹介、分科会報告、各サークルの宣伝をしました。