外村講演の水波投影器
1998年11月8日(日)に東京大学教養学部13号館で行われた、日本物理学会1998年度公開講座「先端技術の主役、電子 −その発見から百年」を聴講しました。そのおり、日立製作所基礎研究所の外村彰先生が持参された水波投影器が、ホールに展示してありましたので、取材させていただきました。有名な「ファラデー講演」に使用された実物で、日立製作所の技術の粋を集めた(?)世界で一番立派な水波投影器です。開発には数百万円が投じられたとか・・・。高等学校の物理でもよく用いられる教具ですが、各所にプロのワザが光っています。
二つの平面波の干渉のようすがスクリーンに投影されています。電子線バイプリズムのモデルです。もちろん、光や音でも同様の現象が起こります。
下は装置全景。手前のコントロールボックスで、波源の振動数や二つの平面波源の角度などが連続的に操作できます。水槽の周囲の反射波の消波には、熱帯魚飼育水槽用のフィルターが使われています。
ホログラフィーの原理を説明しているシーン。
振動する波源のアームの角度が連続的に変わっていくようすです。光源はOHPですが、実はここにも秘密が・・・。できるだけ点光源に近づけるために、ハロゲンランプのソケットの向きを90゜付け替えて、フィラメントのコイル方向が鉛直になるようにしてあるそうです。水波投影器は、光源が点光源に近いほど、コントラストのよいシャープな像を結びます。
展示説明パネル。