真空の不思議 2002/09/08 湘南台高等学校

9月活動は当初野外活動の予定でしたが、前夜の大雨で川の増水が予想されたため、湘南台高校での工作・実験活動に変更されました。
注射器を使って真空ポンプを、ジャムびんで真空容器を自作し、空気がない世界ではどんなことが起こるのか、自分の手で確かめます。


 はじめは視聴覚室で、山本先生の真空実験を見ます。真空容器内に富士山頂を再現する実験や、真空マシュマロの実験などいろいろ。自分自身が演示者なので、取材はできませんでした。

 今度は自分たちで工作・実験する番です。注射器の真空ポンプと、ジャムびんの真空容器です。中村理科工業の「真空実験キット」を使いました。

 これが注射器真空ポンプ。ノズルから筒の中に吸い込まれた空気は、弁で逆流を阻止され、先端中央の排気口を通って追い出されます。ピストンを前後するだけで、自然に空気が抜けるしくみです。

 説明書をよく見て失敗しないように作ろうね。弁をとりつける接着剤はつけすぎないように注意。

 ホースとノズルの間にすきまができないように、ビニルチューブをはさみます。パーツをなくさないように気をつけてね。

 完成したぞ。さっそくびんの中の空気を抜いてみよう。吸盤は実はまわりの空気の圧力で押しつけられているんだから、空気を抜けば簡単にはずれるはずだね。

 風船を入れたびんの中を真空にすると、はじめはピンポン玉ぐらいしかなかった風船がこんなにふくらみます。

 減圧沸騰の実験。びんの中に60℃ぐらいのお湯を入れて空気を抜くと、火にかけてもいないのに、中のお湯がボコボコと煮立ちます。空気が薄いと水の沸点も変わるんだね。

 霧を作る実験。濡れたびんの中に、ちょっとお線香の煙を入れて・・・

 真空ポンプで急に空気を抜いて圧力を下げると、中が白く曇ります。空気が急にふくらむ「断熱膨張」にともなって、温度が下がり、雲(霧)ができたのです。

 ラップ割りの実験。スチール缶の底を抜き、サランラップを張って反対側から空気を抜きます。サランラップの面は見る見るへこみ、やがてパーンというものすごい音をたてて割れます。「先生、もう割れそうだよ。こわいよー。」

 物理実験室で最後のお話し。今回中止になったいたち川源流を訪ねる野外活動は、10月に行うことになりました。

工作・実験用テキスト「真空の不思議」(PDFファイル653KB)のダウンロード

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