大庭方面の野外観察 99/05/23 辻堂〜大庭

 4月の「雑草を食べる会」が中止となったため、今回が今年度の藤沢市科学少年団の活動の初回となりました。天気に恵まれ、夏を思わせる陽気のもと、全行程約6kmの楽しい遠足でした。

 9:00辻堂駅集合。健康プラザ裏の公園で先生の説明を聞きます。

 羽鳥の墓地にある、小笠原東陽、松岡利紀の墓。東陽(1830-87)は昌平坂学問所に学び、明治5年羽鳥村に読書院(後の羽鳥学校)という学校を開いた人です。後に耕余塾と改称された学校は娘婿の利紀により継承され、吉田茂などの人材を輩出しました。子供達にはちょっと難しかったかな?


 御霊神社では、境内にそびえるケヤキの大木を観察しました。太い幹の内部はすでに空洞化していますが、樹勢を保っています。樹齢は不詳です。


 11:00ごろ引地川の川縁に出ました。川にはたくさんのコイや、フナに混じって、イナ(ボラの稚魚)の姿も見られました。

 川岸に広がる大庭田圃では田植えが行われていました。

 土手の足元になにげなく咲いていたニワゼキショウ。小さな雑草にもひとつひとつ名前と生態があります。

 大庭大橋(後方)をくぐると、広大な大庭遊水地が広がります。自然保全ゾーン、自然触れ合い体験ゾーンの湿原は多くの野鳥のすみかです。

 土手が一段低くなっているところは「越流提」といいます。増水時、ここから遊水池へ水をあふれさせることで下流の水害を防ぎます。かつて暴れ川だった引地川にこうした治水が施されたことで、大庭田圃での安定した稲作が可能になったのです。


 遊水地の上流には親水公園が作られています。ほぼ完成していますが、現在芝生の養生中で6月末まで立入禁止です。

 11:40ごろ。河岸段丘の段丘崖の下にある稲荷山成就院に到着。愛染明王をまつります。このあたりで相模野礫層の露頭(右)を観察することができます。下の泥層と上のローム層に挟まれて透水層となり、湧水を生みます。


 わき出る水に手を触れてみます。サワガニを捕まえるのに夢中の子供も・・・。ヒルを初めて見たという子もいました。

 湧水源。崖のあちこちから豊かな湧き水が流れ出しています。

 12:00、再び大庭遊水地に戻り、木道づたいに湿原の観察。ザリガニつりをしているしている子供達がうらやましそう。ここで一日ゆっくりすごすのもいいかもしれません。まわりからは野鳥の声が聞こえてきます。

 12:20、大庭城址公園に到着。先生のまとめのお話を聞いて、ランチタイムとなります。
 ここは、大庭氏の居城だったところですが、縄文・弥生時代からの遺跡も発掘されており、当時から引地川流域の水田耕作に支えられた大規模な集落生活が営まれていたことが推定されています。

 すがすがしい青空の下、お弁当を食べ、木登りに興じる子供達。出題されたクイズの解答作りに余念がない一団も。

 出題されたクイズの一問。「学校や公園に多く見られるサクラ・ソメイヨシノには普通は実がなりませんが、ここ大庭城址公園では実がなっているものがあります。なぜでしょう。」・・・サクランボは直径8ミリほど。熟すと黒くなります。食べられないことはありませんが、苦みがありおいしくありません。


 14:00ごろ、湘南大庭市民センター前で解散。お疲れさまでした。


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