デジタルカメラで天体写真


 1997年11月3日、大阪市立科学館に渡部義弥学芸員を訪ねたおり、同館の50cmカセグレン望遠鏡を見せていただいた。たまたま持参していたデジタルカメラ、QV−10A(CASIO)で撮影を試みたところ、予想以上の成果が得られた。やはり大口径はすばらしい。
 撮影方法はコリメート法、すなわちデジカメのレンズ部を望遠鏡の接眼レンズに押しつけるだけである。液晶ファインダーで写り具合を確認しながら露出を調節し、手ブレしないように静かにシャッターを押す。これだけで解像度は期待できないものの結構まともな天体写真が得られる。撮影時刻は17:30〜18:30頃。
 ご指導いただいた渡部さんに心から感謝する。


 月齢3.0の月


 中央下の円形の海は危難の海、右上のクレーターはラングレヌス。欠けぎわにクレーターが直列する美しい位相だ。


最大離角を控えた金星


11/6に東方最大離角を控えた金星。ちょうど半月状に見える。低空のため大気による屈折で分光して見える。

衛星を従えた木星


 木星本体は露出オーバーのため完全に跳んでしまった。それほど光量がある。50cmの威力だ。肉眼ではたくさんの縞模様が見えていて感激だった。ガリレオ衛星は木星に近い方から、イオ、ガニメデ、カリスト。エウロパは木星面を通過中。

美しい輪を持つ土星


 土星本体の縞模様が見えている。リングの濃淡もわかる。カッシーニの空隙も見えているような気がするが・・・。肉眼ではティタンをはじめ、数個の衛星が見えていたがこの写真では本体に露出を合わせたので写っていない。

二重星アルビレオ


 はくちょう座のβ星、アルビレオは色の対比が美しい二重星だ。小望遠鏡の格好の観望対象だ。肉眼では左の星が青っぽく、右の星がオレンジ色に見えるのだが、写真では・・・うーん、苦しいかな?


 QV−10Aでここまで写るとは、ちょっと驚きでした。


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