環水平アーク  2001.8.22 10時50分ごろ グアム島にて

 太陽を囲む暈(ハロ)が色づいて半径22°の円をなすその下方、電柱のすぐ上に、虹色の弧が見られる。「環水平アーク」または「水平環」と呼ばれる大変珍しい現象である。ジュニアサイエンスクルーズに同行して、タムニングからトロピカルフルーツワールドに向かう途中のバスの車窓からオリンパスC900Zoomで撮影。
 環水平アークは六角板状の氷晶が六角面を水平にしてそろって落下しているとき、長方形の側面から入り、六角形の底面にぬける経路をたどった光線によって作られる。
 太陽を中心にした22°の暈(ハロ)の全体像。やや分光して内側が赤く見える。鉛筆のような六角柱の氷晶がでたらめに配向しているとき、長方形の側面から入って他の側面へぬける光線によって作られる。

グアムでみかけたその他の大気光象

幻日2001年8月21日7時20分ごろ
 アプラ湾に入港しつつある「ふじ丸」船上から撮影したビデオより。
 太陽の右の方に約22°離れた雲の一部が明るく輝き、若干分光している。太陽に近い側が赤っぽい。六角板状の氷晶が六角面を水平にして落下しているとき、長方形の側面から入って、別の側面にぬける太陽光線により作られる。
 太陽をはさんで反対側にも見えることがあるが、このときは見られなかった。
 
スコールを降らせる雲と虹
2001年8月25日6時30分(JST)ごろ
 グアムから関西国際空港に向かう全日空機から撮影したビデオより。
 太平洋上の雲から、滝のような雨が海面に降り注いでいるのが見える。よく見ると雨の部分が色づいていて、飛行機の動きと共に色が変化していく。飛行機の反対側にある太陽の光が、空中の水滴で屈折・反射して分光したもので、雨上がりの虹と同じ原理。42°の大きな円をなす虹の一部を見ているのだ。
 去来する雲の下の部分が次々に色づくのがきれいだった。
光輪2001年8月25日7時5分(JST)ごろ
 すぐ下の雲に落ちた機影を囲むように、虹のような光輪(Glory)がかかる。「ブロッケンの虹」と呼ばれるものと同じ現象だ。雲を構成する微小粒子を光がかすめるときに、回折しておこる現象。オリンパスC900Zoomで撮影。
 飛行機が雲の上を飛ぶときに、太陽と反対側の窓から見ていればかなりの頻度で見ることができる。屈折により生じる「虹」や「暈」に比べ、視半径が数度と極めて小さいのが特徴。
 

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