キッズビデオカムの改造
何年か前のクリスマス商戦に登場した子供用ビデオカメラ「キッズビデオカム」(ツクダオリジナル)当時の定価は忘れたが、おもちゃとしては結構いい値段だったように思う。
これが’97年秋頃から、秋葉原ラジオデパート向かいの「グッドマン」なるディスカウントショップで¥2980で出まわった(現在は販売されていない)。
モノクロで録画もできないとはいえ、ビデオカメラが三千円というのは破格だと思い衝動買いした。
パッケージの中身は、カメラ本体とAV接続コード(7m)およびソフトケース。乾電池(単3×6)は別売。
これだけでも使い道がありそうだが、これをワイヤレスビデオカメラに改造してしまおうというのが今回の計画である。
ビデオトランスミッタは同じく秋葉原、秋月電子の「UHFテレビトランスミッタキット」¥1300を使う。9Vで動作するのでビデオカメラと電源が共用できる。
ビデオカメラを分解すると中はがらんどうで、左側のレンズ・CCDイメージャに近いあたりに十分スペースがあるからここへトランスミッタを内蔵できる。
回路部拡大。右側の茶色い基盤がキッズビデオカム本来の回路。電源およびビデオ、オーディオ出力を出力端子からたどって取り出す。
左の銀色のシャーシが秋月のビデオトランスミッタ回路。ジャンク品ながらなかなかの高性能である。組立にはハンダ付けの技術が必要。先の細いハンダごてを用意すること。
完成したワイヤレスビデオカメラ(下左)。トランスミッタのキットに付属のロッドアンテナを本体上部にとりつけてみた。ここから画像と音声がUHFの電波に乗って送信される。
受信はUHF用の室内アンテナで行い、TVに映す。もちろんVTRで録画もできる。アンテナにブースタをつけると50mの距離でも受信できた。写っているのは本校の校舎の一部。
というわけで、わずか¥4300の出資でモノクロながらワイヤレスビデオカメラが手に入る。
授業への利用方法としては、相対運動の観察、天体の満ち欠けのモデル実験、遠心力や無重力の実験などいろいろ考えられる。カメラをダイナミックに動かすことができ、その画像をリアルタイムで見ることができるのがワイヤレスのメリットである。画質はよくないが活用のアイデア次第で有効な教具になると思う。何しろ安いからカメラ自体を落としたり放ったりという大胆なこともできるだろう。