例会速報 2026/05/10 日本薬科大学さいたまキャンパス・Zoomハイブリッド


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ただいま工事中につき、タイトルのみの未完成記事があります。近日正式公開予定。

YPC例会のもようを写真構成で速報します。写真で紹介できない発表内容もありますので、詳しくは来月発行のYPCニュースで。例会ごとに更新します。過去の例会のアルバムここ

授業研究:円運動とこれから 峯岸さんの発表
 
 

 
 

 
 

光と色 西尾さんの発表
 会場校の西尾さんは、薬学科1年生の希望者(在籍数の1/3強)対象の実験内容を紹介してくれた。物理の講義もまだ始まっていない段階で、物理への興味付けと講義の予習を主な目的としたもの。テーマは「光と色」と「放射線」(後述)の2本立てで、それぞれ1コマ(90分)ずつで実施した。レポートは手書きで提出するものと、観察結果の写真や動画をWebで提出させるものの両方を課した。
 「光と色」で行った実験は、以下のとおり。なお、光の三原色や、物体の色との関係は、時間内に説明をして課題で考えさせている。
* 白熱電球・LED電球・蛍光灯型電球のスペクトルを簡易分光器で同時に観察して、特徴を比較する。
(いずれも連続スペクトルだが、白熱電球は赤が強く、LED電球は青が強い。蛍光灯型電球は水銀の線スペクトルが混じる。)
(実験には「子ノ星教育社特製直視分光器(ペーパー直視分光器)」を用いた。比較的安価で性能・見栄えもよい。)
* 連続スペクトルの光源を簡易分光器で観察しながら、スリットに色セロファンをかぶせ、スペクトルの変化を確認する。
 

* マイクロルーペでカラー印刷やカラー液晶画面を観察し、それらが三原色などの画素からできていることを確認する。
(下図はシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの画素シート。重ねるとカラー画像ができあがる。)
 

* 舞台照明用のLED光源装置を用いて、三原色のそれぞれで色折り紙を観察する。
(1台の光源装置で様々な色が作り出せる。)
 

* CDの干渉による円形虹を観察する。(例会発表では省略)
* 赤外線リモコンの出す赤外線を、デジカメやスマホのカメラ(アウトとインの両方)で観察する。(左図)
* 紫外線LEDで、各自が持参したサンプルの蛍光を観察する。(右図)
 

放射線 西尾さんの発表
 同じく、西尾さんの薬学科1年生の希望者対象の実験、「放射線」で行った実験は、以下のとおり。なお、放射線についての基礎知識は時間内に説明をしている。
* 霧箱によって自然放射線を観察する。(学生が撮影した動画はここ。)
 

* 放射線測定器(はかるくん)で教室内の自然放射線(バックグラウンド)を測定する。(左図)
* 放射線測定器で学内の任意の場所の自然放射線を測定する。(とくに花崗岩のあるところを探す)
 

* 放射線測定器と特性実験セットで、距離による減衰とステンレス・鉛などによる遮へい効果を測定する。(下図)
* サイコロを用いて放射性崩壊のモデル実験を行う。
 

CDによる慣性の法則の実験 西尾さんの発表
 番外編として、西尾さんがこれまで授業で扱っていたCDによる慣性の法則の実験を紹介してくれた。
 よく知られているのは、CDに風船をつけたり、穴をふさぐものだが、これはCDをそのまま使うものである。実験台や会議用の長机など、平滑である程度の長さをとれる机の端にCDをほんの少しだけ端を出して置き、手のひらでそのCDと机の端を一緒に叩くようにする。ちょっとコツはいるが、うまくCDと机の上面の間に空気が入れば、エアホッケーのように等速直線運動をさせることができる。
 

音の干渉の可視可・その3 鈴木健夫さんの発表
 2026年3月例会での「音の干渉の可視化・その2」の続編である。鈴木さんが実際に授業で実施する場面はまだ先だが、例会で人の多いところで試してみたいということで参加者全員で協力した。
 音源は、パソコンで「発音(はつね)」を起動し、波長がスピーカー間隔と同じになるように振動数を決め、発振する。スピーカーはエレコム社製のパソコン用スピーカーだが、各学校の物理室のスピーカーなどで音源間隔を大きくとる方が良い。
 

 3月例会時と同様、スマホでphyphoxの「聴音器」を立ち上げ、マイク部分を正面にして音を聞き、振幅が小さくなる場所を探る。これをスマホを持っている人全員で立ち歩いて行う。雑音があるとダメなので、静かにするように指示することになる。振幅が小さくなった場所でそのスマホの真上に手をあげてもらう。すると、干渉の節線が見える、という実験だ。例会では人数が20人程度でそれほど多くなく、可視化の効果はまだまだだが、授業で数十人という規模でやってみたい。なお、「発音」には位相反転の機能があるので、節にいる状況で一方の位相を反転すると同じ場所が腹になる、ということも体験できる。
 

ベルヌーイの定理と逆さホバークラフト 車田さんの発表
 機械学会では30年くらい前から「流れのふしぎ展」というワークショップを実施している。車田さんはそこで仕入れてきた実験を披露してくれた。
 ドライヤーやブロアでのベルヌーイフローの実験はおなじみだが、ドライヤーの口にじょうごのような形をしたノズルをつけるとちょっと変わった演示ができる。浮かんでいる発泡スチロール球を手でじょうごに押し込むような仕草をする。実際には球に手は触れていないが、球はじょうごにおさまって上がってこなくなる。
 

 そのままドライヤーを横倒しにしていく。風は出ているのに、発泡スチロール球はじょうごから離れない。ついには逆さまにしても、球は落ちない。じょうごにはりついたようになっている。球とじょうごの間を抜ける風の流速が大きいので気圧が下がり、外側の気圧で押し込まれるかららしい。
 

 一方、CDと風船でつくるホバークラフトは、等速直線運動を演示する簡易実験としてよく用いられる。車田さんが見せてくれたのは「逆さホバークラフト」。ホバークラフトが天井に張り付くという実験だ。天井と円盤の間の気流で圧力が下がり、外側の大気との圧力差で円盤が天井に押し付けられる。元ネタサイトの動画はここ。吹き出し口を大きめにして空気が勢いよく吹き出すようにすることと、機体を軽く作ることがコツらしい。
 理科では探求学習が導入されてきたことで、ホバークラフトを等速直線運動の演示だけではなく、逆さホバークラフトも紹介してはいかがですかという車田さんからの提案だった。
 

中学校のプロットグラフ 市原さんの発表
 中学生の提出物を採点している市原さんの同僚の先生が「グラフの端をプロット点にする」生徒が一定数いる」と言った。データプロットの右端の点を通るように、グラフの枠を書くようだ。市原さんの勤務校で採択している教科書、資料集は、たしかにそうなっているものが見受けられた。「塾でそう指導された」と言う生徒もいるらしい。
 だが、「データを分析して傾向を見出す」という視点に立つと、プロットの先がどうなっていくのか、推測できる余白があった方が良さそうに感じるのだが、どうだろうか。
 

 もしかして中学校特有の指導なのかもしれないと思い、市原さんは中学の教科書をいくつか調べてみた。プロット点で枠が終わっている(止めている)グラフと、余白がある(先がある)グラフと、3年間に登場するグラフの数を数えた。その結果、3年間で20個前後しかグラフが登場しないことや、統一していない会社もあるのだということがわかった。中学の教科書は分野によって執筆者が異なる。執筆者任せでバラバラになっているのかもしれない。基本的には先があるグラフを載せている会社でも、章末問題などが「止めている」グラフだったりする。これも、本文執筆者と問題作成者が異なることに起因するのではないのだろうか。
 市原さんは「止めているのが悪い」と主張しているわけではない。ただ、横軸を時間に取ることが少なくない物理分野としては、未来を予測する、データから傾向を見出し変化を予測する、という場面もあるので、余白はあってほしい気もする。どちらかが間違い、というわけではなく、どちらでもよいのだが、生徒が言うように「プロット点でグラフを終わらせないといけない(枠を書かないといけない)」という指導をしている塾があるのだとしたら、それは「間違っている」と言うべきだろう。
 

スマホでスマートカート 田邊さんの発表
 田邊さんは高価なスマートカートの代替として、力学台車の上にスマートフォンを載せて加速度、速度、位置のグラフを取得できるようにすることを目標とした。そこで、スマートフォンに搭載されている加速度センサの値を積分することで速度と位置を推定する、Google Colab上で動作するPythonプログラムを作成した。加速度センサの値にはノイズが含まれるので、ノイズの影響を軽減する工夫をした。実際に動作することを確認したが、ノイズに起因する精度の低さや、授業での活用法に課題が残っており、引き続き改良を試みている。
 

 水平なトラック上を走らせた場合。反対側のクッションではね返ってくる運動が記録されている。グラフは上から順に加速度、速度、変位。
 

 上向きの初速度を与えて斜面上を往復させた場合。最高点で折り返す際に加速度が若干小さくなるのがわかる。摩擦力の向きが変わるからだ。
 

ツツジの枝替わり 古谷さんの発表
 古谷さん宅の庭の「ツツジ」の木に今年、異変があった。枝替わり(一部の枝に本来の花とは異質の花が咲くこと)現象は数年前からあったが、今年は花の真半分に異なる色、つまり、一輪にピンクと赤紫の両色をもつ花が咲いた。ツツジとよく似た花をつける「サツキ」には異なる花が複数咲く。「サツキ」は園芸種として、人の手が加えられ品種改良されてきた歴史がある。実際に古谷さん宅の庭のサツキの1株には4色の花が咲いているという。しかし、ツツジは人からは放置されてきた。そうしたことを考えあわせると、今年のツツジの花の異常現象をどう考えたらいいのだろうか。原因究明のため今後、課題を整理したいと古谷さんは考えている。
 

ユニクロで物理 車田さんの発表
 ユニクロ銀座店の1階エントランスを入ると、正面で20色のカシミヤニットが波のように揺れ動く振り子のアート作品「ペンデュラムウェーブ」が目を引いた。しばらく眺めていると、バラバラに動いていたニットが美しい一直線に整う瞬間があり、見ていて飽きない。この振り子は、入口側から奥に向かって長さが少しずつ短くなるよう設計されているようだ。そのため、正面からはもちろん、反対側から見ても、すべてのニットが見事に一直線に並ぶダイナミックな変化を楽しむことができる。しかし、現地には作品解説がないため、一直線に整う見どころの瞬間まで足を止める客はほとんどいない。また、エントランスから3番目の振り子だけ周期がずれている点も、観察していると気づくポイントだ。車田さん撮影の動画1動画2はそれぞれダウンロードできる。
 

文系にウケる実験アプリをAIに作らせる構想 植田さんの発表
 
 

 
 

二次会 大宮駅西口「銀座けんしろう 大宮本店」にて 
 16名が参加してカンパーイ!例会本体には対面で22名、遠隔で7名、計29名の参加があった。今回の二次会はニューシャトルで大宮駅に移動しての開催となった。今回の会場は埼玉県北足立郡伊奈町にある。これまでのYPC例会会場で最北端の記録を更新した。その前は松戸高校が北端だった。ちなみに、東端は千葉高校、西端は富士河口湖高校、南端はカシオ計算機湯河原保養センターである。こうして会場持ち回りでいろいろな所を見て歩くのも例会の楽しみのひとつだ。


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