例会速報 2026/06/14 県立横浜南陵高等学校・Zoomハイブリッド
YPCホームページへ| 天神のページへ| 他のサークル・団体等へのリンク| 次回例会のご案内
YPC例会のもようを写真構成で速報します。写真で紹介できない発表内容もありますので、詳しくは来月発行のYPCニュースで。例会ごとに更新します。過去の例会のアルバムはここ。
授業研究:円運動と単振動 菅野さんの発表
高校3年生物理 「円運動・単振動」の授業実践報告である。菅野さんは今回の授業では、円運動と単振動の分野について、「公式を覚える」よりも「現象を体感しながら理解する」ことを目的として授業を行った。
菅野さんの勤務校では高校2年生から物理基礎を学習し、高校3年生で選択科目として物理を履修する形になっている。菅野さんは普段から「模試の点数だけのためではなく、自然現象を理解するために物理を学ぶ」ということを繰り返し伝えており、実験や観察を積極的に取り入れた授業づくりを心がけている。
円運動の導入では、観覧車やコーヒーカップなど身近な例を挙げながら、「物体がどのように動いているのか」を考えさせた。さらに、プラコップの中でビー玉を回転させる活動を行い、手を離した瞬間にビー玉がどの方向へ進むかを予想・考察させた。また、3Dプリンターで印刷したターンテーブルを用いて実際に10円玉を飛ばして、中心付近に置いた10円玉と外周付近に置いた10円玉どちらが先に飛ぶかを体感させた。
この活動を通して、多くの生徒が「円運動している物体は円の接線方向へ進もうとする」ことに気づき、慣性と速度ベクトルの向きについて自然に考えることができていた。また、ビー玉を実際につついて円運動を維持する活動では、「どちら向きに力を加えると回転が続くのか」を体験的に理解する様子が見られた。
加速度については、速度の向きが変化することに着目させ、図を用いて加速度の向きと大きさを考察させた。その後、回転台上の10円玉を用いた実験を行い、回転半径によって滑り出しやすさが変わることを確認した。生徒たちはターンテーブルの活動も含めて「外側ほど必要な向心力が大きくなる」という点を実感を伴って理解していた。

単振動の導入では、バケツを回転させる運動とスプリングのばね振動との関連を考えさせ、等速円運動の投影として単振動を捉える授業を行った。特に、円運動のy座標変化をグラフ化する活動では、時間変化と位置の関係を視覚的に理解できる生徒が多かった。また、ばねにつながれた物体について、「速度が最大になる場所」「加速度が最大になる場所」を予想させた後、実際に運動を観察させた。単振動では、速度と加速度が常に同じ場所で最大になるわけではないことに驚く生徒も多く、力と運動の関係を改めて考えるきっかけとなった。
バケツ回しの動画(movファイル1.8MB)はここ。

生徒実験では、プラレール車両とばねを用いて周期測定を行った。5周期分を測定して平均を取ることで誤差を減らす工夫をさせ、周期と質量の関係をグラフ化させた。さらに、おもりを追加して条件を変化させながら測定することで、「周期の2乗と質量が比例する」という関係を確認することができた。電池をおもりにすることで、100gを手軽に作ることができるのでばね定数を特定するときに便利である。

最後には、「振幅を変えると周期はどうなるか」など、生徒自身が疑問を持って追加実験を行う時間を設けた。自ら条件を変えて確かめようとする班もあり、単なる知識の習得だけでなく、「自分で現象を調べる姿勢」を育てることにつながったと感じている。また、プラレールの質量がおおよそ57gで、電池の組み合わせ次第では計算しやすい値にすることも可能である。班によってはテープでぐるぐる巻きにしている班や、プラレールの電池ボックスに入れて計っている班など、差が生まれて面白い。
菅野さんは「今回の授業では、公式を先に提示するのではなく、実験や観察を通して疑問を生み、その後に理論へつなげることを意識した。特に円運動と単振動は、生徒にとってイメージしにくい分野であるが、実際に体を動かしながら考察することで、理解が深まったように感じられた。今後も、生徒が「物理現象を自分の言葉で説明できる授業」を目指して実践を続けていきたい。」と述べている。

ドライヤーでベルヌーイ? 山本の発表
先月の例会で車田さんが実演してくれた実験の追試。演示効果を高めるための工夫を紹介した。ドライヤーを上向きに吹き上げ、その上で発泡スチロール球を浮かばせる。ギリギリ浮かぶぐらいの大きめの球がよい(左図)。使用したのは、ダイソーで1個110円で販売されているもの。浮かんだ状態でドライヤーをゆっくりと傾けていく。球はドライヤーの口から離れていくが落ちないし、飛んでも行かない。空中で回転しながら静止するのである(右図)。大きな球でやるほど演示効果が高い。この現象はベルヌーイの定理で説明されることがあるが、正しくは流れが曲面に沿って下向きに方向を変えること(コアンダ効果)で曲面が受ける反作用によるらしい。西尾さんからご指摘をいただいた。
【参考】流体工学部門:流れの読み物:楽しい流れの実験教室 https://www.jsme-fed.org/experiment/2025_4/001.html

次に、ドライヤーの吹き出し口にじょうごをとりつける。これもダイソーで販売されているペットボトル詰め替え用のじょうご。ドライヤーの口に合う大きさのプラスチックボトルのふたにテーパリーマでちょうどよい大きさの穴をあけ、じょうごをねじこんだ(左図)。ドライヤーの風が脇から漏れないようにぴったりすきまをふさぐのがコツ。なお、熱風だとポリエチレンのじょうごが融けるので、必ず冷風で実験すること。
先月の例会で車田さんが見せてくれたように、じょうごの口よりやや小さいぐらいの発泡スチロール球(ダイソーで2個110円のもの)を上の実験と同様に上向きの気流で浮かせて見せた後、手のひらでゆっくりと押し込むようにじょうごの中に入れると、風が吹き出ているにもかかわらず球は飛び出さない(右図)。さらに、この状態からドライヤーをゆっくり傾けていくと・・・

あら不思議、逆さにしても球は落ちない。風はじょうごから勢いよく吹き出しているのに、球はじょうごに吸いつくようにして振動している(左図)。
続いて、整流効果の実験。上向き気流の状態にして球を浮かせておき、球の上方から養生テープやガムテープの芯ぐらいの大きさの円筒を近づけると、球は円筒に吸い込まれるようにして上に飛び出し、以前より高い位置に浮かぶ(右図)。円筒で気流が絞られ、内部の流速が増して圧力が下がったためだろうか。流体の世界は不思議に満ちている。動画(movファイル15.1MB)はここ。

ドライヤーで熱気球 山本の発表
これも2023年5月例会で天野さんが紹介してくれた実験の追試。中学校2年の気象分野で行った熱気球の演示実験。一般教室では火を使えないので、ヘアドライヤーの加熱だけで浮かばせたい。使うのは45L用、厚さ0.013mmのポリエチレン製の普通の半透明ゴミ袋である。ドライヤーは1200W以上のものを使用するとよい。冬の室温が低い状態なら比較的簡単だが、気温の高い夏場はちょっとコツがいる。まず窓を閉め、エアコンを切って、室内に気流がないようにしておく。下降気流は厳禁だ。
次に、ポリ袋を縦長に絞って内部の空気をできるだけ追い出す(左図)。熱風だけを効率よく溜めるためだ。ドライヤーを上向きに固定し、スイッチのオン・オフをする係、棒の先にとりつけたデジタル温度計で温度を測って読み上げる係など生徒にも手伝わせると盛り上がる。最初はドライヤーの口にポリ袋の口を巻き付けるようにして熱風が漏れないようにする(右図)。ヒーターは最大パワーとするが、風は弱くてもよい。とにかく効率よく熱風を溜めるようにする。

温度が60℃近くなったら袋の口の両端を引くようにして、できるだけすきまなく一直線になるように持つ。袋の口をすぼめたままだと、熱い空気の体積が稼げないからだ。内部の気温が65℃になったら温度計を下に引き抜き、ドライヤーのスイッチを切る(左図)。風の勢いで上がったと誤解させないためにドライヤーは必ずオフにすること。膨らんだポリ袋が途中で姿勢を崩して転覆しないように注意しながらそっと手をはなすと、ポリ袋は静かに浮かび上がり天井に達する(右図)。天井の感温センサーに触れないように場所を選ぶこと。動画(movファイル14.3MB)はここ。

ダイソーの手持ち扇風機で台車を動かす 天野さんの発表
天野さんは、市江さんが2025年6月例会で紹介したハンディファンによる台車の実験を、ダイソーのハンディファン(330円税込・左図))でより安価に実現できないかと考えた。右図のように同じくダイソーの発泡ベビーブロック(110円税込)を4等分に切断したものをスタンドにして台車の上に立てることができる。

天野さんは、自校の力学台車やダイソーのオモチャのトラック(左図)でも実験を試みたが、単三電池3本の駆動では力不足だったため、ファンの電源の改造を考えた。しかし、会場校の力学台車を使って実験したところ非常によい動きをしたので(右図)、適切な力学台車を使うなら改造なしで行けそうだという結論になった。動画(movファイル3.4MB)はここ。

AliExpressの購入物考察 古谷さんの発表
古谷さんは中国の通販サイト「AliExpress」でステンレス製の「バランスボール」を購入したところ、「送料の無料のためには他の商品も購入」のメッセージに従い、結局3点目の商品としてこのアイテムを購入することになった。AliExpressの商品解説によると「物理的な魅力を体感できる。インテリアとしての注目度も高いアイテム」だそうだ。
台座の部分には単三電池を4本で駆動するコイルが仕込まれているようだ。磁石が接近するとそれを加速するように磁力を発生するしくみで、類似のモビールはこれまでにも見られた。「永久コマ」も同じ原理だ。このモビールでは、電源無しの状態でも中の輪の部分は磁石の反発により動く。電源を入れると、2つの輪がそれぞれの回転をし、2重のカオス的な回転が見られる。動画(movファイル4.6MB)はここ。
「大きさの違う球が『輪っか』に装着してあり、それぞれが太陽系の地球、太陽、月を表しているように思われる。回転の様子と太陽系の運動との関わりを見いだせるのか」について例会参加者からヒントが得られることを期待し紹介したとのこと。

慣性力の実験 鈴木健夫さんの発表
落下運動中の慣性力で、エレベーターの中などが無重量状態になるというのを体感させる実験に、コップにゴムと鈴などを用いて落下させる実験が、後藤道夫さんの書籍などで紹介されていた。鈴木さんは過去に、ペットボトルにスリンキーを切ったものを吊るして落下させる実験をしていた。今回、ネットで小さいスリンキーが安価で売られているのを見つけ、それをプラコップの底に貼り付けて逆さにしてから落下させるという教具を作った。「レインボースプリング
ミニ」で検索するとヒットする。

2人に1つずつ用意し、自由落下、水平投射、斜方投射などを2人1組で体感させる。さらには、胸元に持った状態で自分でジャンプする。すると足が床から離れた瞬間からスプリングが縮まる。目で見るのではなく、体感するということの効果が抜群の実験である。

「静止摩擦係数>動摩擦係数」を体感 鈴木健夫さんの発表
動摩擦力が最大摩擦力よりも小さい(つまりμ>μ')ということを、実際に自分の手で感じさせる実験。小さい木片に画鋲を刺しておくだけ。できるだけきつく刺しておく。これを配り、まっすぐ引く場合と回してから引く場合とで、感触が全然違うということを確認させる。引くよりも回す方が力のモーメントを使うので力を入れやすいということや、回すことで穴を広げるという要素もあるが、動き出した後の方が小さい力で抜くことができる、ということが体感できる。

音波の干渉 宮﨑さんの発表
2026年5月23日APEJ定例会での今和泉卓也さんの「easy oscillo」を用いた音波干渉実験の追試をした。「easy oscillo」は今和泉さんが自作したWEBアプリで、音を出し、同じアプリ上で出した音の波形を見ることができる。そして、重要な点は、観測する音に出力周波数と同じ周波数フィルターをかけ、必要な音以外はカットして波形をみることができる点である。これにより、ノイズや混信を気にすることなく干渉の実験ができる。
追試に使用した機材は、次の通り
1)USBスピーカー 1000円程度(今回は手元にあったダイソーの300円のもの)
2)USBマイク 1000円程度
3)PC (Chromebookでも可能)
4)WEBアプリの「easy oscillo」
今和泉卓也さん作の「easy oscillo」のURLはこちら→ https://ss1.xrea.com/phys.g2.xrea.com/easy_oscillo/easy_oscillo.html
宮﨑さんによる「easy oscillo の使い方」(PDFファイル1.1MB)はここ。

追試内容は以下の2件。
1)二つのスピーカーを向かい合わせ、同じ位相、振動数の音を出し、スピーカー間の音が弱め合う場所を検出し、それらを結ぶと双曲線になることを見つけられた。
2)スピーカーから出す音の振動数を変えて、うなりを生じさせ、その波形を見ることができた。
宮﨑さんが追試後感じたこと、良いと思ったこと
1)WEBアプリなので、インストールしなくてよい。上の許可が必要ない?(公立校では、アプリのインストールが難しいという)
2)Chromebook1台で音の出力と波形画面が見られる。(公立校の多くには、Chromebookが入っていると聞く)
3)スピーカーとマイクを台数用意すれば、班別実験が簡単にできる。(一班二千円程度か)
4)自分が出した音以外をキャンセルできる。つまり、班ごとに出す音を少し変えれば、一つの教室で他班の音に邪魔されず実験ができる。

「easy oscillo」はインストール不要で利用でき、低額な機材で音波の実験が可能である。音の干渉や重ね合わせを視覚的に理解でき、授業に非常に有効である。宮﨑さんの後日談によると、例会のあとに、「easy
oscillo」をPCとiPadでそれぞれ立ち上げ、PCで音を出し、iPadで受信し波形を描かせることができた。発信した音のフィルタリングもできた(もちろん、iPadでは発信していない、振動数が同じだけ)。一台を発信する側(PC)とし、マイクをつけたiPadを用意すれば、追試1)の実験も可能である。
宮﨑さんが勧める、音波の学習で読んでおきたい論文。
藤田利光「縦波や音波に関する学習指導要領の記述の基本的な欠陥」物理教育 vol74 No2 (2026) p88~93
なお、今和泉さんの論文はまだ出ていない。出たら当然必読である。

電車の実習の追試 宮﨑さんの発表
宮﨑さんは4月例会で山本が報告した電車の速度計の映像を、だいぶ前から演習に使っていた。この電車の走っていた場所(湘南台→六会)の当時の地図のコピーもセットで使っている。駅舎の改修により映像を撮影した当時とホームの位置が変わったからだ。
古い動画なのでVOBファイルでサイズも大きく、再生できないアプリもあるようだ。VLC media playerなら再生できるが、「Handbrake」(パイナップルにカクテルのアイコン)などの無料アプリでMP4に変換しておくと、サイズも小さくなり(今回のファイルは1/3のサイズになった)扱いやすくなる。最近は、手持ちの映像ファイルが再生できないことが増えてきたので、早めにMP4に変換した方がよい。
宮﨑さんは、授業でのデータ処理の実践も報告してくれた。映像を大きなテレビで見せて、5秒ごとに速度計の数値を読み上げて表に記入し、時速を秒速に直して、v-t図を作成する。地図上の長さを測り、縮尺から駅間距離を求めると1470mであった。この値を生徒が各自で求めた値と比較した。最近はプロジェクターも使えるので、エクセルでグラフを描いて見せられる(左図)。エクセルで描いたv-t図を三角形と長方形で近似して、面積を求めると、1466.75mだった(右図)。

エクセルで計算式をつかってデータを、5秒ごとに区切って区分求積で面積を求めると、1468.056mとなる(左図)。最近はモーションセンサーやスマートカートを使う人もいるので、CapstoneやSPARKvueなどでv-t図を描くと、「エリア」という機能で面積が求められる(右図)。結果は1468.1mとなっている。昔は三角形と長方形で距離を推定させた。より詳しく求めるにはどうすれば、などの設問を設けたが、今でも少しは有効だろう。

中3の天文教材 山本の発表
中3の天文分野を担当している山本が使用している教材の紹介。学研×朝日新聞キッズネットのサイトの記事「星座早見盤の作り方」にある星座早見盤の型紙2枚を使う。まず型紙2を印刷して配布し、中心の北極星に印をつける。次に、①天の赤道を赤でなぞる、②「黄道(太陽の通り道)」をみつけて黄色でなぞる、③二つの交点に「春分点」「秋分点」と名前を書き込む、④春分点からスタートして外周にあるカレンダーの日付の順に、太陽が通過する星座をリストアップする、という順に作業を進める。
すると、うお、おひつじ、おうし、・・・と見覚えのある星座名が並ぶ。これは何だ?そうそう、星占いでおなじみの星座だ。あなたの星座は何?自分の生まれ月の星座ってどうやって決まるか知ってる?実は自分が生まれた日に太陽がいた星座なんだよ。だから自分の誕生日にはその星座は見られないね。なぜならそこに太陽がいるから、そこは昼間なんだね。この黄道に引っかかっている星座を「黄道12星座」と呼んでいる。ところでみんなが数えた星座は何個あった?12個だった?よーく見てね。変なのが割り込んでない?そう、へびつかい座だね。これは星占いの表にないね。なぜだろう。

実は、星占いのバイブル「アルマゲスト」という本が、エジプトのプトレマイオスによって著されてからもう1900年も経っている。実は今は北極星を指している地軸はゆっくりと首を振っていて、長い間には黄道や春分点の位置がずれてしまう。春分点は昔はうお座とおひつじ座の境目にあって、春分の日を過ぎた太陽はまずおひつじ座に入ったから、星占いの星座表はおひつじ座が先頭になっている。今はどう?春分の日の太陽はうお座にいるね。一つずれている。・・・ということは、あなたたちの生まれた日の星座が変わってしまうかもしれないということだ。大変!運勢が変わってしまう!自分の本当の星座を知りたくない?知りたい?じゃあ、この作業をやってみよう。と言って次の教材プリント「私が生まれた日の地球」(PDFファイル637KB)(左図)を配布する。
地球は太陽を中心に1年365日かけて360度回っているから、1日の動きは約1度。春分の日(今年は3月20日)の地球の位置は図に描いてあるので、春分の日から自分の誕生日までの日数を数えて、その日の地球の位置を求めよう。次に、その地球から中心の太陽を見たときに、背景になる星座を定規で中心を通る線を作図して調べよう。それがあなたの本当の生まれ月の星座だ。運勢が変わってしまった人はいるかな。かなりの人が一つ手前の星座になったよね。へびつかい座になった人もいるね。一体どっちを信じたらいいの?って、占いなんてどうせ非科学なんだから、自分の都合のいい方を選べばいいんだよ。気休めなんだから。
次に型紙2(右図)を配布する。点の北極と天頂の位置を確認させ、天の北極と外周の0時および1時の目盛りを直線で結び、中心角を分度器で測ると、15度になっている(右図)。前回までに学習した星の日周運動の1時間当たりの角度(360°/24時間)だ。確認したら型紙2の外周とのぞき窓をはさみで切り抜く。

型紙2の上に切り抜いた型紙1を重ねて、今日の日付に回転盤の20時を合わせる。今夜20時に見えるはずの主な星座を書きだそう(左図)。ところで今日の太陽はどこにいるかな?実は天の北極(北極星)と、外周のカレンダーの日付を結ぶ直線と黄道が交わる位置にいる(右図)。(注:正確には直線と赤道が交わる点に「平均太陽」が位置するのだが中学では学習しない。)型紙1の時刻目盛りには正午は書かれていないけど、正午12時はどこになるかな。そう、楕円形の窓の下の「南」って書いてあるあたりだね。今日の日付とその「南(12時)を合わせてみよう。それが今日の昼間の空だよ。もちろん星空は見えないけど、その時刻に太陽が南中していることがわかるね(右図)。
星座早見盤は型紙2が年周運動、型紙1が日周運動を表していて、地球の公転と自転という二つの回転運動をうまく組み合わせて、その日、その時刻に見える星座がわかるように作られているんだ。よくできてるね。

ツツジの枝替わり・丁寧編 古谷さんの発表
前回例会では十分な発表時間がとれなかったので、その続編である。前回は奇異に感じたことそのものを発表した古谷さんだったが、今回は、発見の前後を詳しく説明すると共に、いかにして「奇異な現象」をひもとき、自分なりの納得が得られたかの報告である。
花の色は古典にも人生に置き換えられた作品があり、華やかな人生のその後の色あせた様を嘆く小野小町の歌は有名だ。しかし、その後、人間の遊び心から花の色そのものに手を加え、楽しむようになった。学問的な裏付けがない時代であってもやはり「遺伝子を利用した技」と言えるだろう。

長期間の日照不足が解消された古谷家の庭の全てのツツジが今年は花をつけた(白・ピンク・赤紫・少し朱色)。その中で、ピンクの木から株分けされた植樹歴が一番新しいツツジにピンクと赤紫が真半分の花がついた(上の写真)。この木には数年前から枝替わりの現象が現れていた。ピンク色の花の中に数輪の赤紫の色があるという状態だったが、上のような混色の花を見たのは今年が初めてだという。

なお、ツツジに遅れて咲いたピンク系の花のサツキには4色の花がついた。サツキは見慣れた現象ながらツツジの異変には感動のような驚きがあったという。なぜなら、人間はサツキにはさかんに手を加えて多くの刺激を与えてきたのに対し、ツツジはほぼ放任してきたからだ。
古谷さんは、ツツジの異変の原因(要因)を3つに絞り込んだ。
1.眠っていた遺伝子が目覚める「トランスポゾン」
2.「キメラ」構造のいたずら
3. 環境ストレスによるスイッチの切り替え
古谷さんは、この中では「3」が主たる要因だと今は思っている。

一歩一歩のつまずきを拾う 鈴木健夫さんの発表
鈴木さんは授業の毎時間ごとに「振り返りカード」を書かせていて、そこにできるだけ質問を書くように指示し、その質問に赤ペンで返事を書き、次の時間に良い質問はパワーポイントで全体に紹介する、という実践を続けている(2024年6月例会で報告)が、そのうちの生徒の本質的な疑問を拾い、まとめてみたいと考えている。それらを継続的に見ていくことで、学習過程で生徒が理解を進めるときに、つまずいてしまうパターンを見ていけたらと考えている。例会では、そのつまずきの例が紹介された。

波の縦/横はなかなか感覚的に理解しにくいだろう。地震のP波、S波でもそれぞれ「縦揺れ、横揺れ」の事だと思っている人が大人でもたくさんいる。色覚の話も、物理的に解説しようとするとかなり難しくなる。色を混ぜても波長が変わるわけではない、と言っても生徒にはなかなか理解できない。

作用と反作用は別の物体にはたらく力だから、合力の作図に同時に登場することはない。これも生徒には理解しにくい。力はその「はたらき先」で区別するという習慣が生徒にはない。右の質問のように力はそれを「およぼす側」が「持っている」という感覚なのだ。こうした素朴概念をひろいあげて、生徒の感覚に寄り添うことはとても大切だと思う。

二次会 洋光台駅前 インド料理「サムンドラ」にて
14名が参加してカンパーイ!例会本体には対面で16名、遠隔で8名、計24名の参加があった。対面参加者のほとんどが2次会にも参加している。昨年も一度利用した店だ。ネパール系インド料理がおししくてお値段も大変リーズナブル。例会会場が持ち回りなので、二次会のお店も毎回変わる。これもYPC例会の楽しみの一つだ。
YPCホームページへ| 天神のページへ| 他のサークル・団体等へのリンク| 次回例会のご案内