例会速報 2024/06/16 川崎市高津市民館・Zoomハイブリッド


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YPC例会のもようを写真構成で速報します。写真で紹介できない発表内容もありますので、詳しくは月末発行のYPCニュースで。例会ごとに更新します。過去の例会のアルバムここ

仕事とエネルギーの授業報告 西尾さんの発表 
 西尾さんは、大学1年の薬学生対象の基礎的な数学・化学・生物・物理のオムニバス科目「総合薬学科学」の中で、担当している物理の1コマの授業を報告した。学生の1/4ほどは物理基礎も未履修なので、中学理科の知識を前提とした高校物理の内容を扱っている。物理の講義は、後期の授業で扱う熱・原子分野以外をわずか9コマで扱っているため、テーマや内容は、薬学の専門科目で求められる物理の基礎知識・基礎理解を重視したかなり精選したものになっている。今回の授業でも、仕事率を扱わず、位置エネルギーの公式も与えていない。大教室での講義形式で、MicrosoftのFormsを利用した課題をいくつか用意したり、演示実験や簡単な学生実験を入れたりする工夫をしているが、今回報告した授業では学生実験はない。
 

 授業展開のポイントは、以下のとおり。
* 教科書によくある仕事の導入から始めるのではなく、エネルギーの変換と保存から始める 
* 仕事の定義では、物体の変位ではなく作用点の変位と明示する(ただし、pseudoworkには触れない)
* 熱力学第一法則につながる系概念と「仕事とエネルギーの関係」に重点を置く
* 人体という系が外に仕事をして、系のエネルギーが減るという事例を積極的に扱う
* 位置エネルギーは弾性力によるものから始め、重力によるものはばねのアナロジーで考えさせる
 

 系の概念を前面に出して、熱力学第一法則まで一貫して理解できる授業をめざしている。位置エネルギーはばねの弾性力による位置エネルギーを先に扱い、系内の物体の位置関係で決まるエネルギーとして定義する。重力による位置エネルギーは、重力をおよぼし合う地球と物体の位置関係(高さという「距離」で代表される)で決まるわけである。
 

動物の綱引き・その後 鈴木さんの発表
 最大摩擦力が垂直抗力に比例する(摩擦の法則)を演示するのに、おもちゃの「トラクター」や「戦車」やプラレールの「電車」に綱引きをさせて、荷物を乗せるた方が垂直抗力が増すので勝つ、という実験をやられている方は多いと思う。過去のYPC例会でも右近さんや山本さんが発表している。鈴木さんは、トラクターや電車などの乗り物ではなく、ダイソーのゼンマイで動く動物で綱引きをさせていた。2004年5月例会で「ブタの綱引き」という題で発表している。その時期にダイソーで数十個のゼンマイで動く動物を購入したが、その後順次壊れ、今年3月に前任校の物理準備室にあった残りを点検したところ1セットしか使えない状態でそれ以外は廃棄。そして、この6月に非常勤をしている授業でこれを使おうと取り出したら、そのうちの一匹のゼンマイも壊れて使えない。でも明日の授業に間に合わせないといけない。そこで、急遽一匹のゼンマイ動物に荷物を引っ張らせることにした。写真の様にペットボトルに適量の水を入れて逆さに立て、それを引かせる。最初はペットボトルは動かないのに(写真左)、この動物に荷物を背負わせると、ペットボトルは少しずつ引かれて動いていく(写真右)。ちょうどこうなるように水の量を調整するのがポイント。綱引きの様な勝ち負けではないが、これも演示効果は大きく、生徒の反応は良好だった。
 

 鈴木さんはその後、百円ショップを徘徊している時、キャンドゥでゼンマイで動く昆虫を発見(写真)。これでも今までの様に綱引きの演示が可能だが、荷物を背負わせると足の動きが悪くなるのが弱点。何か良いおもちゃがあったらぜひ確保してほしい。
 

自由落下測定器 三宅さんの発表
 三宅さんは授業で演示実験を行うため、自由落下測定器を作成した。作成のポイントは以下の通り。
・ビースピがちょうど挟まるサイズの木材を使用
・鉄球を落下させる際の手振れ防止のために、電磁石を採用した
・電磁石のスイッチはクリップを使うという簡略なものだが使い勝手がよい
・黒板に張り付けることを想定して、ネオジム磁石が裏につけてある
 

 ビースピは10cm、40cm、90cmの位置に3箇所とりつける。例会中に実際に測定した値は次のようになった。
①0.100m 計算値1.40m/s 測定値1.47m/s
②0.400m 計算値2.80m/s 測定値2.82m/s
③0.900m 計算値4.20m/s 測定値4.17m/s
①~③は落下速度が1.4m/sの倍数になるので授業で提示するとよい
 このほかに生徒に好きな位置を提案させ、計測する。例会では0.570mで、計算値3.34m/s 測定値3.29m/sだった。
 

上橋さんの磁気プローブ 植田さんの発表
 磁場についての学習には次のような課題があると植田さんは考えている。

・磁石の作る磁場がイメージできない。
・電流の作る磁場がイメージできない。
・磁場をイメージさせる手軽な実験装置がない。

 このような課題意識は阿部さん、峯岸さんも同じで、例会での発表(24年2月24年3月)がある。
 

 さらに24年4月例会では、曽谷さんが自作したジンバル式磁気プローブ(左図)を発表した。この例会にオンライン参加していた上橋さんは、さっそく得意の3Dプリンターを使って右図のような「ジンバル機構の回転磁石」を製作した(右図)。YPC例会を舞台に次々とアイデアが発展していく。上橋さんの磁気プローブは、以上のような課題に対するソリューションだと植田さんは注目している。例会では上橋さんの作品の実物が披露された。動画(movファイル3.9MB)はここ
上橋さんの「ジンバル機構の回転磁石」のブログ記事はここ。上橋さんのブログに掲載されている実験一覧はここ

 植田さんはこれを、MRの磁場観察装置と合わせて使用してもらったところ好評で、博物館に置かせてもらったら良いのではないか、という評価を頂いた。
植田さんの「MR技術で立体映像化した磁界」の解説動画はここ
 この磁場観察を生徒に対して実施したい、生徒の反応を見たいと植田さんは考えている。磁場の学習に取り組んでいる先生、デジタル技術を使った観察実験に興味のある先生は、植田さんまでご連絡いただきたいとのこと。相談の上、問題なければ装置を持って学校まで伺い、植田さんが生徒に指導してくれるとのことだ。ただし直接体験できる生徒は15人くらい、40人授業だとYouTubeを併用する。
植田さんの発表資料(PDFファイル248KB)はここ。植田さんの連絡先はこちら。→ tatsuro.ueda@feel-physics.jp (アットマークを半角文字に直して使用) 。
 

スリット光源 曽谷さんの発表
 光の実験に使う「直線光源」について、単に光路を示すだけなら、レーザーポインターでよい。レーザーポインターの前端にシリンドリカルレンズを付けたものを使えば扇状に開いた直線光線が手軽に得られる。しかし、光の分散実験の光源としては、単一波長であるレーザーポインターは使えないいので、明るい白色LEDライトを使いたい。
 白色LEDライトの問題点は、LED素子そのものも面積を持ち、更にLEDライトには反射鏡が付いているので、LEDライトは面光源となってしまう。面光源の前にスリットを置いた場合、スリットを通過した光線は(スリットと直交する方向にも)扇状に開いたものとなってしまう(左図)。そこで複数のスリットを設けてカスケードスリットとすると(右図)、こんどはスリットを平行かつ一直線に配置するのが工作上難しくなる。
 

 そこで曽谷さんは、改善策として、「複数のスリット」を「二つのブロックの間の隙間」に置きかえることで、上記の問題を回避することができると考えた。
スリット代替ブロックを作成する時の注意点:
•ブロックの間隔(0.4mm程度)が均一で並行となっていること
•ブロックの隙間面での光の反射を抑えること(ブロックの表面色が黒でも実際は、かなり反射する)
上記を満足させるための素材選び:
•ブロックの材質は「平な面」を提供できるものとする(堅木等)
•ブロックの隙間面には光学的な反射防止処理を行う(光学機器用の「反射防止」塗料/シートを使用)
ブロックの隙間を(0.4mm間隔で)均一に組み立てる方法:
•LEDライトの前方に取りつけるスリットを仕込んだ鏡胴のサイズを決める(鏡胴断面をLEDライトに外接する四角形にすると工作しやすい)
•上記鏡胴サイズに内接するようにブロックを切り出す
•ブロックの「隙間面」に反射防止処置を施す(この装置では右図のようなシートを使用)
•厚さ0.4mmのプラスチック板等を二つのブロックの間に挟んだ状態でブロックを(接着剤を使って)鏡胴に組み込んで、鏡胴を工作する
•接着剤が固着したら0.4mmのプラスチック板を抜き取る(→ブロックの隙間は均一な0.4mmとなる)
(スペーサーの0.4mmプラスチック板は「接着剤に触れない/引きぬく時の持ち手」に対応したサイズとする)
 

 こうして製作した光源装置は左図。LEDマグライトを差し込んで用いる。明るい白色ビームで、分散を伴う実験もできる高品質な白色光源として使える。
 

水素ロケット 海後さんの発表
 3月例会でのアルミボトルにコルク栓をして大音量で栓を飛ばした水素爆発実験のロケットバージョン。木の台にコルク栓をネジ止めして、アルミボトルを逆さまにコルク栓にしっかりと立てる。ボトルネック部にはφ5mmの穴をドリルで開けてある。アルミボトルはロケット形状に近い細長いものを選び(今回は日本酒の500ml缶)さらに空気抵抗を減らす為にソフトクリームのフタを先端にかぶせてセロテープで固定した。
 ネックの穴から水素を約0.3秒注入して(短時間で十分に注入される)、着火すると垂直発射の場合には約10mの高さまで飛ぶ。水平器で正確にボトルを垂直にセットすれば、発射地点の1m以内には落下するのでキャッチできる。例会の会場室内では天井が低いので、水平方向への発射実験となったが、発射角度を設定できる発射台が必要だ。発射時の動画(movファイル2.9MB)はここ
 

虚像と実像 海後さんの発表
 凸レンズの実像を焦点距離に設置したスクリーンに投影して観察できる投影器のアイデア。特徴は、半透明アクリル板のスクリーンが横にスライドできるようになっていて、スクリーンに映った実像と直接に凸レンズを見た実像の両方を観察できることだ。実際に、この投影器で凸レンズとスクリーンの実像を半分ずつ同時に目で観察すると、ふたつの実像が両方ともくっきりとピントが合っているように見える。まさにスクリーンの位置に「実像」が存在するのである。
 海後さんは、スクリーンのない場合の像がレンズの位置に見えるような気がして不思議に思い、例会で発表して疑問を投げた。それは目の錯覚であり脳が瞬時に処理してレンズの位置に像があるように認識してしまうという解説が出席者からあった。
 議論は二次会でも続き、それを確認する方法として、一眼レフカメラでカメラレンズの絞りを開放に設定して、被写界深度を極端に浅くし、凸レンズの枠にピントを合わせて見れば分かるというアドバイスもあった。後日海後さんが、スマホのカメラ機能で、10倍デジタルズームF2.0で見たところ、凸レンズのフレームにピントを合わせると、撮影はうまくいかなかったが、確かに凸レンズ面の実像がぼやけているのが確認できた。
 

北見君 海後さんの発表
 強力な球形磁石が地磁気の向きに向くことを利用した、古代中国の指南車のような実験器である(指南車は磁石ではなく車輪と連動した機械式だが)。つるつるの陶器皿に小さな人形フィギュアを球形磁石(商品名ジージーマグネット、ジージーボールなど)のNS極の中間面に接着して立たせた。常に北を向くので「北見君」だが、別な磁石を近づけて左右に振って周期を合わせると、フィギュアスケートのように高速回転させることもできる。また、テーブルの下から強力磁石で、こっそり操作するマジックもできる。
 

「質問書方式」(意図せずに)再び 鈴木さんの発表
 鈴木さんは20数年前の県立柿生西高校勤務のとき、科教協全国大会で仕入れた「質問書方式」という授業での工夫を取り入れた時期があった(2002年5月YPC例会でも発表)。その時の生徒の状況では、効果が大きく、その後も実践を続けていたが、正直なところ負担が膨大で、次の学校に移った時にはこの方式を全面的に行うのはやめてしまっていた。
 今年度、新しい環境で、最初に「きく」の3つの漢字の話をした。『理科教室』誌での松本徳重氏の「きほんの“き”」という記事からの引用である。その中で「訊く」ようにつまり質問を探すように授業を聞くことが大事だと強調。そして、数年前からはじめている「授業ふりかえりカード」(B6サイズで授業で学習したこと、授業の感想、質問を書き込ませる)を行うことを話し、ガイダンスとした。この冒頭のガイダンスは、数年前から毎年行っている。
 すると、今の学校では、多くの質問が寄せられるようになった。個別には必ず赤ペンでコメントを書いて本人に返しているが、当初、そのうちの主な質問を次の時間にプリントして配った。その負担はやはり大きいので、途中からパワーポイントで質問と解答を紹介するようにした。すると、相乗効果で、質問はますます増え、2ヶ月経った今現在、毎回4〜5割近い生徒が質問を書いてくるようになっている。授業で話しきれなかった細かいことや、生徒が誤概念として間違えて理解していることなどが明確になり、冒頭5分程度話しているが、補足説明として有効になっている。右図はその一例である。
 「質問書方式」的な授業をする意図はなかったのだが、自然発生的に今の状況になった。やはり負担は少なくないが楽しい時間ではある。「今は非常勤で、授業の準備と後処理に毎日の残りの時間を使えるので、何とかなっていると言える」とは鈴木さんの弁。
 

のぼりおり集参考文献提供 宮﨑さんの情報提供
 
 宮﨑さんによる、辻さんの「のぼりおり集」購入者へのアフターケア、その2。
 辻さんが「のぼりおり集」のp5で参考図書にあげている『ニュートン力学の形成』(「弁証法の諸問題」掲載) 武谷三男著 勁草書房(新装版あり)が、宮﨑さんの蔵書にあった。むかしむかし購入した(当時¥2300)ものだという。新装版は2010年に復刻されている(¥4950)。
 宮﨑さんは蔵書の該当部分を抜粋し、手打ちして持ってきてくれた。前回提供のあった、『三つの段階,三つのモード,そしてその彼方』(南部陽一郎著)と合わせて参考にしてほしい。
 なお、「のぼりおり集」購入者で例会に参加できずにいる人で参考図書を入手したい方は宮﨑さんに相談のこと。

文科省のパブリックコメント 三宅さんの情報提供
 
 文部科学省は、「令和の日本型学校教育」を担う質の高い教師の確保のための環境整備に関する総合的な方策について(審議のまとめ)」について、任意の意見募集(パブリックコメント)を行っている。意見項目は同資料の第1章~6章に対する意見という形となっている。三宅さんは情報提供という形で提示した。募集期間は6月14日から28日まで。

依佐美送信所見学 市原さんの発表
 市原さんは5月末に、愛知県刈谷市にある依佐美送信所記念館に行ってきた。その報告である。
 日本初の対ヨーロッパ通信施設として利用された送信所で、「ニイタカヤマノボレ」の暗号文もここから送信されたと言われている。「ここの空中線16本と地面(アースしてある)との間でコンデンサとなっており,ここの電場変化が電波となって伝わっていく」、「電動機と発電機を組み合わせた原理剥き出しの高周波発電と、当時の先端技術による変調方法」が見られると聞き、物理教員数人で実物を見に行く計画を立てた。車で片道4時間かけて、日帰りを強行してきた。
 現地にはガイドボランティアの方がいて、つきっきりで3時間ほど解説していただいた。かなり濃密な時間を過ごさせて貰ったが、YPCの人たちならきっと楽しめること請け合い。お勧めしたい。
 

 他にも、近くにフェライト磁石の発明者である加藤与五郎の展示室を見学したり、依佐美送信所を調べた時に見かけた映像に登場した「むせん最中」をお土産に買ったりと、楽しく自主研修をしてきたとのこと。
 

本の紹介 越さんの紹介
◎「オッペンハイマー」上中下 カイ・バード&マーティン・J・シャーウィン、山崎詩郎
 映画「オッペンハイマー」はYPCのメンバーでも話題になっていたが、原作本では映画では描かれない背景が詳しく書かれている。原子物理学が発展していく様、多くの物理学者、政治家、軍人が関わりマンハッタン計画が進められていく様、オッペンハイマーの優れた資質や複雑な人間性、人としての弱さなども詳細に描かれていて大変興味深い。ボーアやオッペンハイマーの、「核知識の公開、世界共同管理」という理想主義的な思想が政治的に潰されていく過程も明らかにされている。詳しい情報はここ。なお、原作本監訳の東工大助教、山崎詩郎氏が「オッペンハイマー」の科学解説の講演会を計画している。詳しくはここ

◎「なぜ、ナチスは原爆製造に失敗したか」上下 トマスパワーズ 福武文庫
 「オッペンハイマー」がアメリカ中心に描かれているのに対し、この本はドイツ側中心に詳しく書かれている。ボーアやハイゼンベルクの考えや人柄も伺い知ることができ興味深い。また、連合国側の原爆開発の進行状況、動機付けなども詳細に述べられている。戦時下、あらゆる手段を使ってドイツに先んじて原爆開発を有利に進めるためのアメリカ側の策略やスパイ活動もスリリングで大変面白い。1945年の春までの段階でナチスドイツが原爆を作る可能性は無かったとアメリカ側は把握していたのにも関わらず、アメリカは政治的に判断し原爆を製造したことなども明らかにされている。どうやらドイツ側のハイゼンベルクらの物理学者はナチスへの協力には消極的であり、原爆開発への動機付けがアメリカ側とは明らかに違っていたようだ。アメリカ側は、ハイゼンベルクがいるドイツが先に原爆を開発、使用するのではないかとの恐怖心から、国力を総動員して原爆製造に邁進したようである。詳しくはここ

◎「部分と全体」W.ハイゼンベルク 湯川秀樹序
 ハイゼンベルクの自伝。高校時代の友人との哲学的対話に始まり、ボーア、アインシュタインら科学者との対話、自身の哲学的思考などが綴られている。難解で読み応えがある。詳しくはここ

◎「コペンハーゲン」マイケル・フレイン 早川演劇文庫
 日本で2001年、再演2007年、再再演2016年、新国立劇場で公演された演劇の脚本の文庫。1942年のコペンハーゲンのボーア元を訪ねたハイゼンベルグ、ボーアの妻マレグレーテの3人演劇。ボーアとハイゼンベルクの間で何が話されたのかについて、3人の対話が繰り返されていくが、「羅生門」、「藪の中」のように真実は明らかにはされない。詳しくはここ

◎「コミック ボーア&ハイゼンベルク」丸善
 こちらは漫画なので易しく量子力学、ボーアとハイゼンベルクの対話などが簡単に描かれている。詳しくはここ

◎「関心領域」
 さらに、今話題の映画、関心領域は、アウシュビッツの絶滅収容所の塀のすぐ外の豪邸で暮らす収容所所長一家の映像、それとは裏腹に常に聞こえてくる銃声や怒号、叫び声などと、背景の不協和音。邸宅の背景の壁越しに絶えず上る焼却炉の煙、長々と「積み荷」を積んだ貨車を引く蒸気機関車の煙、など。観ていて思わず臭いまでも感じてしまいそうな作品。観終わった後、見たくないものを見ようとしない自身も程度の差こそあれ、所長一家と共通であることに気付かされるなど、色々と考えさせられる。詳しくはここ。原作も文章表現で色々と考えさせられるという。
 

二次会 溝の口駅前「土間土間」にて 
 12名が参加してカンパーイ!例会本体には対面で19名、オンラインで8名、計27名の参加があった。例会の会場「高津市民館」は二度目の利用だが、今回使用した「実習室」は実験を伴う発表には好都合だ。交通の便もよく、今後も活用できる会場である。ただ、使用時間が限られるので、終わりの時間を気にしながらの例会はやはり慌ただしい。学校会場の提供をぜひお願いしたい。


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