例会速報 2001/01/17 県立横浜翠嵐高等学校


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電気クラゲの量産法 山本の発表

 冬場はやはり静電気実験のシーズンだ。電気クラゲの実験もポピュラーになった。電気クラゲを量産するには、50〜60cmのポリテープを中央で一回結び、くしを使って細く裂くとよい。浮遊するクラゲを操る棒も米村傳次郎さんがやっているようにペンシルバルーンが安くてお手軽でよい。二刀流で操ると安定する。

 

フライングソーセージ 高杉さんの発表

 「電気浮遊ネタならこんなのもあるよ。」と高杉さんが披露してくれたのは短く切ったペンシルバルーンを長いペンシルバルーンで操る技だ。まるでソーセージが浮遊しているようだ。「長いままで浮かないかなあ。」と発展研究も始まった。ポテンシャルの形を工夫すれば浮きそうだ。


サイレンの原理 右近さんの発表

 ジョン・チンダルの「On Sound」(1871)の翻訳に取り組んでいる右近さんが、収録されている実験の一つを紹介してくれた。等間隔に穴をあけた円盤を回転しながら、穴に向かってストローで息を吹き付けると、サイレンのような音がする。これはまさにサイレンの原理なのだ。回転数を上げるに連れ音程は上がり、波形はサイン波に近づいていく。二つの穴を同時に吹くようにすると、回転数や位置関係によって音の強弱が生じる。干渉によるものかもしれない。
 チンダルの著作を読むと、われわれが知っている音に関する実験は、ほとんどこの時代までに行われていることがわかる。

 

発光ダイオードでプランク定数を求める 右近さんの発表

 Advancing Physicsに収録されている実験の紹介である。赤、緑、青など色の異なる発光ダイオードに加える電圧をしだいに上げてゆき、光り始めるぎりぎりの電圧をテスターで測定する。この電圧に電気素量を書けた数値を縦軸に、各ダイオードの光強度のピークに相当する振動数を横軸にとってグラフを描くと、ほぼ直線に乗り、その傾きはプランク定数になる。

画像処理モデル 右近さんの発表

 これもAdvancing Physicsから。ノイズ除去やシャープネス処理など、コンピュータ上の画像処理技術を表計算Excel上でシミュレートする。右近さんは付録のCDに収録されているスプレッドシートを日本語訳してわかりやすく解説してくれた。こういうものが物理の教材として収録されているというのがすごいと思う。かの国の底力を見る思いだ。

コッククロフト・ウォルトン型の高圧電源 後藤さんの紹介

 放振協の後藤さんが久しぶりに例会に参加され、実験セミナー用の高圧電源キットを披露してくださった。コッククロフト・ウォルトン型の回路で4000V以上の静電高圧を作り出す。放射線検出用放電箱の電源として用いる。ご覧の通り原理がむき出しなのが教育的だ。

蛍光灯カバー 山本の発表

 学校のそばのDIY店で見かけたポリエステル製の蛍光灯カバー。天井の蛍光灯直管にかぶせて使う。「UVを99%カット」「虫よけ効果」「衣類や家具の変退色防止」などの効能書きが踊る。中村理科のUVチェックシートで早速試してみた。
 一枚はカバーに入れ、一枚はむき出しにして、強力な紫外線を放射する殺菌灯の光にさらしてみる。結果は歴然、むき出しの感光部は真っ黒に変色したが、カバーに入れた方はほとんど変化がない。紫外線はしっかりカットされている。すばらしい!効能書きはウソではなさそうだ。

 

 しかし、疑り深いYPCはさらに実験を続ける。他のものではどうなのだろう。左から、むき出し、カードケース(塩ビ)、カセットケース(ポリスチレン)、スライドグラス(ガラス)、アクリル、PET、トラペンシート(塩ビ)、ポリエチレン。あらゆる透明物質で試してみる。結果、ポリ袋が若干感光した以外はどれも紫外線よけフィルターとして合格!なーんだ・・・ちなみに、普通の蛍光灯の至近距離にUVチェックシートを置いても感光しない。

 

人が乗れるセブンブリッジ即売会 車田さんの実演販売コーナー

 好評の「人が乗れるセブンブリッジ」を車田さんが量産してきて実演販売してくれた。写真は自らその威力を示す車田氏。発泡ポリスチレン製。

 

たれビンで作る「回る浮沈子」 奥野さんの発表

 市江さんがドイツでガラスの「回る浮沈子」を見つけてきて以来、いろいろな挑戦が続いているが、奥野さんはキュウリ型のたれビン(1袋¥100)に偶力を生じるように2箇所の針穴をあけるとよく回ることを発見した。回っていることがよくわかるので非対称な形がよいようだ。

 

ガラスの「回る浮沈子」製作報告 高杉さんの発表

 前回、ガラスの職人芸を見せてくれた高杉さんが、その後取り組んだガラスの回転浮沈子作りをレポートしてくれた。一本足(左)ではやはり回転が弱いと、クラゲ型の2本足(右)も開発した。

 

珍・加湿器 金子さんの発表

 米国製の加湿器。わが国でよく見かける超音波式のものではない。分解してみると2本の炭素電極が水につけてあるだけ。そこにじかに交流100Vが印加されている。まるで電解装置のようだ。単にジュール熱で沸騰させているだけではないのか。

 

 フィルムケースと電池の炭素電極で同じようなものを作ってみた。しばらくすると確かに湯気が出てくる。しかし乱暴な商品もあったものだ。感電や火災にくれぐれもご注意!

実用性なし!?ペン立て 高杉さんの発表

 YPCの例会で何度も登場して定番のお土産となっているワイン立てを、子供向け実験とするために高杉さんが考案したのは「ペン立て」。画用紙を線に沿って折るだけで、やじろべえのように鉛筆が宙に浮く。机と接する線をどういう角度で切れば安定するのかを課題として考えさせると、けっこういい力学実験になる。

 

恐竜博士 鈴木健夫さんの紹介

 奥野かるた店(03-3264-8031)のカードゲーム「恐竜博士」。県立田奈高校の金田宏仁さんの考案。12月23日に行われた「神奈川の理科教育を考える集い」のときに、金田さんからYPCにモニター品として提供され、ただいま回覧中。ポケモンカード・遊技王カードのノリで遊びながら、恐竜についての知識が身に付いていく。

北欧みやげ・サーキットチェッカー 小沢さんのお土産配布

 小沢さんがお土産で分けてくれた品々の一つ。サーキットチェッカー。先端の電極で導通チェックはもちろん、振動電界をキャッチして無接触断線チェッカーとしても使える。静電気を帯びているものや比較的低周波の電波を出しているものに近づけても反応する。使い道を考えよう。

二次会 横浜駅西口、ZAKOBAにて

 二次会には15名が参加。21世紀最初の「新世紀会」である。今世紀もたのしくやろ〜!!かんぱーい。

 二次会の席でも研究は続く。高杉さんのアイデアを箸袋で再現してみる。左は平松さん、右は渡辺さんの作品。このデザインで箸袋の特許をとったらどうだろう。


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