例会速報 2001/08/31 慶應義塾高校

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高山の空気 鈴木亮太郎さん、鈴木健夫さんの発表
 すずりょうさんが見せているのは台湾旅行のとき3000m級の山で封をしてきた空のPETボトル。1気圧の下界では押しつぶされて、ご覧の通り。右はすたさんが乗鞍山頂で封をしてきたアルミ缶。高地へ出かけたらこうして空気をお土産に持ち帰ろう。よい教材になる。
 

サターンV型ロケット 鈴木亮太郎さんの発表  
 これは鈴木さんがアメリカで買い求めてきたサターン5型ロケットのおもちゃ。アポロ宇宙船を月に送った史上最大のマンモスロケットだ。プラモデルではなく完成品だがとてもよくできている。
 本体側面のスイッチを押すとカウントダウンの声と発射時の轟音が再現される。もちろん各段は分離でき、フェアリングが開くと月着陸船も顔を出す。

 司令船の中にはちゃんと3人の宇宙飛行士が座っている。着陸船は開脚して月面に置くことができる。もちろん、帰還用の上部は分離して司令船とドッキングできるのだ。お値段は5〜6000円相当らしいが、日本でも手に入らないものだろうか。羨望のまなざしが集中していた。

アメリカ土産 鈴木亮太郎さんのお土産  
 お土産として売られているLSIのパターンが形成されたシリコン基板。その名もA Slice of Silicon Valley。右はResearch&Education Associationの物理公式下敷き。
 

スペースシャトルのカレンダー 大谷さんのお土産  
 日本宇宙少年団の放出品というカレンダー。もう半年以上過ぎてしまっているが、すばらしい写真は大型ポスターとして十分な使い道がある。

Flying Pig 高杉さんの紹介  
 新宿で入手したというペーパークラフト。ハンドルを回すと翼の生えたピンクのブタが揺れながらはばたく。ユーモラスな動きだ。クランク部分も含め、すべての部材が紙でできており、作るのに大人でも数時間かかるという。
 

ダイソーの加速度計  山本の発表  
 大手百円ショップ・ダイソーの工具コーナーにある振り子式の「傾斜計」。体裁よくできており、ご覧のように目盛りを工夫すれば加速度計に早変わりする。磁石もついているので力学台車などにもとりつけやすい。透明カバーは回転するので0点調整もできる。測定結果はリーズナブルだった。こういうものは1ロット作りっきりだと思うので、なくならないうちにGETしておいた方がよさそう。

原子力体験セミナー報告 岩波さんの発表
 この夏の原子力体験セミナーで実習に使い、お土産にもらった実験器具が披露された。まずは千葉の三門先生ご考案の手作り空気GM管。印刷機のマスターロールの芯を外部電極(陰極)にリード線の芯線を中心電極(陽極)にし、内部にブタンガスを少量入れてある。摩擦電気などでコンデンサーに電荷を与えると、β線などが入射した際、放電が起こってそばのラジオに雑音が入る。かなり長時間にわたって定量的な計測が可能だ。右は市販のカリ肥料の放射線を測定しているところ。 

 計数回路つきの大型GMカウンター(左)や放電箱(右)はYPCではおなじみのものだが、これが全部お土産にもらえるというのはなかなか充実している。予定が合えばぜひ参加したいものだ。

携帯ランプ 黒柳さん、益田さん、喜多さんの紹介
 科学の祭典全国大会の日本アマチュア無線連盟東京支部のブースで製作させてもらったという携帯ランプ。アンテナにとりつけると着信、発信の際LEDが光る。ショットキーダイオードとLEDと手巻きコイルだけの簡単な構造だが、面白い。
 

ボイル&分圧の法則実験器 徳永眞由美さんの発表  
 前回の例会で好評を博し、注文が殺到したボイル&分圧の法則実験器セットが完成し、予約者に販売された。圧力計、注入バルブ、活栓など、これだけの部品がセットで1万円。配管は付け替えができる構造だ。

 ひとつで使えば、ボイルの法則実験器(下左)、二つを活栓で連結すれば分圧の法則実験器(下右)となる。

  

灰の上に残る文字 高杉さんの発表
 文字が浮き出る「ありがたーいお線香」の自作バージョンが高杉さんにより考案された。蚊取り線香を水練りして再整形・乾燥し、硫酸銅水溶液で文字を書く。皿の上で燃やすとご覧の通り灰に文字が残る。くわしい作り方は次号「子供の科学」(誠文堂新光社)の高杉さんの記事で。
 

ラジウム原器 喜多さんの発表  
 1913年に作られたラジウムの国際標準を定める原器がわが国にも現存することを知る人は少ないだろう。本原器はパリの度量衡局にあり、これは第八号副原器である。ラザフォードやキュリーの署名で塩化ラジウム9.8mgを内蔵することが証明されている。喜多さん、徳永さんらがこれを特別取材した。写真は東北大サイクロトロン・ラジオアイソトープセンターの第六貯蔵室に厳重保管されている実物と構造を示す図である。貯蔵室内での被爆量が大きいのでごく短時間しか見学を許されなかったという。

海洋科学技術センター土産 益田さんの発表  
 益田さんはJAMSTECのサイエンスキャンプに参加した。4気圧の高圧チェンバーを体験し、ご覧のようなテニスボールのビン詰めを製作してきた。例会で希望者に頒布されたが、まだ在庫があるそうだ。上に乗っているのは高圧で押しつぶしたカップヌードルミニの容器。おなじみのお土産だ。

AdvancingPhysicsの音波実験 喜多さんの紹介
 この夏、ブリティッシュカウンシルの講演・公開授業に参加した人も多いが、喜多さんはその中のひとつの実験を再現して見せてくれた。スピーカーから出る音を二つのマイクでとらえ、二現象オシロで見ると、場所による位相の違いがよくわかる。特に前と後ろで逆位相になっているのが視覚的に確認できる。スピーカーに穴のあいた板をかぶせて、裏側からの音の回り込みを遮断すると、音が大きく聞こえる。一見逆のような意外性があるが、逆位相の波が干渉すると弱め合うことを端的に示す実験だ。
 

コメットさんラトルバック 神谷さんの発表
 100円ショップでおしゃもじ受けとして売られている「コメットさん」に、ドリルの刃を斜めにとりつけると「ラトルバック」ができあがる。ある方向に水平回転させると、やがて回転の向きが勝手に逆転し、まるで角運動量保存の法則に逆らうかのような運動をする。右は神谷さん所蔵のロシア製の民芸品。
 

こんな計算知らなかった 井上さんの発表
 ある化学の先生から教わったという、濃度の異なる二つの水溶液を混合して、中間の任意の濃度の溶液を得るための混合比の速算法である。たとえば36%の塩酸を水(0%)で薄めて10%にする場合、左図のようにたすきがけの引き算(10−0)、(36−10)を行って、それぞれ10gと26gを得る。36%の方を10g、0%の水を26gの割合で混ぜればよいというのだ。その場にいた人は化学専門の人も含め、いずれも初耳だったというが、右図のように確かに証明できる。同じような操作を頻繁に行う現場では実用的な速算法なのだろう。
 

二次会 例会会場にて
 そのまま二次会に突入し、17名が参加。忙しかったがそれぞれ充実した夏だった。飲みながらもVTRを見て、さらに情報を共有し合う。話は尽きることがない。二学期もガンバロー!


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