例会速報 2001/09/19 慶應義塾高校

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西條さんの虹ビデオ ビデオ鑑賞
 「虹・その文化と科学」(恒星社厚生閣)や「物理定数とは何か」(講談社)などの著書でおなじみの西條敏美先生が東海テレビの長寿科学番組「テレビ博物館」に出演された。残念ながら関東圏では放送されていないので皆でビデオで鑑賞した。

 虹の原理についてのわかりやすい解説のあと、消防用ホースを使って盛大な放水を行い、虹を作る大がかりな実験が行われた。左はその一コマ。建物の上から見下ろすと、虹の下半分も見える。天然の虹ではまず見られない光景だ。しかも副虹つき。

アンコールワットの虹 鈴木亮太郎さんの発表  
 エッフェル塔にかかる虹をとらえた実績のあるすずりょうさんが、アンコールワットを訪れた際、またしてもベストショットをものにした。沈みかけた夕日がアンコールワットを照らし、雄大な虹がその上にかかる。この写真は近くすずりょうさん自身のWebページで公開される。

「刺繍の輪」成功率アップ 鈴木健夫さんの発表  
 慣性の法則を示す有名な実験の改良版である。西洋刺繍の輪をびんの上にのせ、その上にペンを立てる。輪を水平に引き抜くとペンは見事にびんの中に落下する・・・というのが元祖だが、刺繍の輪をベニヤ飾りで自作し、大型化して演示効果を高める。さらに下げ振りを使って鉛直を出し、ペンがびんの口の真上に立つようにする。こうすることで成功率をかなり高めることができる。

 写真は鈴木さんが見事にキメた瞬間。とはいうもののやはり練習は必要なようで、参加者の中には同じものを使ってもなかなかうまく行かない人もいた。



ドイツの浮沈子製作ビデオ 市江さんの発表
 ドイツの回るガラス製浮沈子をわが国に紹介して、浮沈子界にブレイクスルーをもたらした市江さんが、再びドイツを訪れ、Berliner Gauklerfest(ベルリン道化祭)に出店しているくだんの浮沈子ガラス職人 Siggi Hauch さんに再会した。もちろん鎌倉学園特製の「回る浮沈子魚釣りバージョン」を携えてだ。Hauchさんは大変喜んで、ガラス浮沈子の製作工程をビデオの前で披露してくれた。バーナーは自作、色ガラスの管も特注品だそうだ。左はHauchさん、右は市江さんが今回仕入れてきた「すれちがう浮沈子」。一方が上がってくるのに、他方は下がっていき、途中ですれ違うという不思議な動きをする。もちろん回転しながら・・・

ブルネレスキのドーム 車田さんの発表  
 イタリア年企画協力のため製作された車田さんのドーム模型が、科学未来館での役目を終えて戻ってきた。完成品が公開されるのは例会では初めてだ。8角形にブロックを組み上げ、天井部分のふたをすると、各部は互いにしっかりと押し合って重量を支える。

 ご覧の通り人が乗ってもつぶれない。ドーム建築の原理は喜多さんの「セブンブリッジ」と同じである。ひとつおきにブロックを間引いてみるとそのしくみがよくわかる。これでも十分な強度をもっている。


乗れるルーローの四面体 車田さんの発表
 等厚物体「ルーローの四面体」の量産に取り組んでいる車田さんから、その後の進捗状況の報告があった。左は樹脂製の量産モデル。研磨すれば完成する。右は鉄工所に発注して作ってもらった精密プロトタイプ。これをもとに型どりする。この研究は科学技術振興事業団のものづくり支援事業の補助を受けられることになった。
 

N字型自動サイフォン 黒柳さんの発表  
 吸ったりしなくてもつけるだけで自動的に水が流れはじめる自動サイフォン。ガリレオ工房の本に載っていた実験を追試していた黒柳さんは、本のとおりにやってもうまくいかないことに気がついた。例会の席でもあれこれ議論がかわされ、よりよい実験方法が検討された。

飛行機内の空気 益田さんの発表  
 前回の「高山の空気」の続編である。高々度を飛行中の旅客機の客室内の与圧は800hPa以下になることがある。そこで空のPETボトルやアルミびんを密栓して持ち帰ると、ご覧のようにつぶれてしまう。わざわざ山登りの苦労をしなくても作れるお手軽バージョンというわけだ。

MIUのおまけ さんの発表  
 清涼飲料MIUに深海生物のフィギュアがおまけでついてくる。チューブワーム、ハオリムシなどけっこうリアルにできていて地学や生物の教材になりそうだ。コレクトしてみてはいかが。

歌舞伎ひも 喜多さんの発表
 引っ張ると指に食いついて離れないヘビのおもちゃ。紙ひもを編み上げたおなじみのものだが、この材料の紙ひもがなかなか手に入らないのだそうだ。写真のロール単位で中村理科が扱っているという情報だった。
 

ブレンドの公式 山本の発表  
 前回の例会で井上さんが紹介してくれた、「たすきがけの引き算」による濃度の速算法は、濃度計算以外にもいろいろと応用がきく。モル濃度はもとより、密度の混合計算、熱量混合計算、原子量と存在比の計算、混合気体の平均分子量、重心の計算、衝突合体の運動量計算・・・などなど、二つのものを混合して平衡をとるといった計算に広く応用できる。共通の数学的構造をもっているからだ。数学科の車田さんによれば、この手の計算は「天秤算」と呼ぶのだそうだ。まさに重心を求める計算ということだ。詳しい解説(PDFファイル:538KB)はここ

血液型性格判断の授業 鈴木健夫さんの発表  
 今年は生物も受け持っている鈴木さんは、遺伝と血液型の話のついでに血液型性格判断の実験を行った。事前にアンケートの形で性格と血液型の関連を調べ統計をとる。しかし、アンケートの血液型は意図的に入れ替えてあるのだ。間違った情報に支配される結果、正しく入れ替えた血液型と性格の関連性はほとんど見られなくなる。占いや性格判断の非科学性と、暗示の効果を印象づける教材だ。

「もの」と関わりながら学ぶ「波」の授業 小沢さんの発表  
 小沢さんは科教協京都大会の分科会で「波動単元」のオリジナル授業に関する発表を行い、好評を博した。例会でもその一部が紹介された。徹底的に現象に触れ、考えさせながら学びを進める授業展開はすばらしい。

二次会 日吉駅前浜銀通り「龍行酒家」にて
 14名が参加してカンパーイ。例会参加者の半数以上が二次会に出席している。あいかわらず高い参加率だ。解散時は終電が気になる時間だったが、皆無事に帰れたのだろうか。


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