例会速報 97/12/10 慶応高校
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戸車付き携帯黒板&穴あき板 水上さんの演示即売会
実験器具作り、特に木工が得意な水上さんが、オリジナルの「何でもできる戸車付き携帯黒板(右)・穴あき板(左)」を量産してきてくれた。それぞれ¥1200にて即売会。工作の手間を考えると安い。特に直線の穴開けは素人には大変。
こんなふうにして使う。穴あき板を動かしながら二人同時にチョークで線を引くと速度合成のベクトル図ができあがり。
「黒板用基本スタンド&振り子アダプター」(¥1000)と携帯黒板を組み合わせ、単振動のx−t図を描く。一人はばね振り子の振動に合わせてチョークを上下させ、もう一人が黒板を左に等速で動かす。
マーズパスファインダーのペーパークラフト
インターネットで見つけたマーズパスファインダー(MPF)のペーパークラフト。ダウンロードした型紙をケント紙にコピーして作ってみた。1/17スケールで直径10cmほど。
右からクルーズステージ(丸いのは燃料タンク)、バックシェル、ヒートシールド(耐熱板)。中央の四面体ががランダー(着陸機)。
ランダーのペタル(花びら)を展開するとソジャーナ・ローバーとエレクトロニクスボックスが現れる。ペタルの内側は太陽電池板だ。なかなかよくできている。
NASAのサービス精神には脱帽。型紙の入手はここ。
ストロー電石 山田善春さんの「改良版・ストロー君」の追試
大阪の山田さんの開発した「ストロー君・グレードアップ版」を追試した。
紙袋入りストローを紙袋でこすると、ストローが負に帯電するのはよく知られているが、山田さんはさらにプラスチック消しゴムでストローをこするとストローが正に帯電することを発見した。帯電列は
+ 紙袋>ストロー>消しゴム −
となる。これにより、一本のストローの両端を逆符号に帯電させることができ、磁石ならぬ「電石」ができあがる。これは非常に優れた教材になると思われる。
ストローは中心に穴をあけ、机のへりにセロテープで固定したシャープペンシル(芯を5ミリぐらい出しておく)に乗せると手軽な回転台になる(深海魚方式)。同符号で反発、異符号で引き合う様子が一目瞭然。ストローにはマジックなどで色分けした目印をつけておくとよいだろう。
消しゴムでこすったストロー、紙袋でこすったストローの電荷をクーロンメーターで測ってみた。確かにそれぞれ正、負に帯電している。
飛行リング 大倉宏さんから紹介された実験の追試
資源は無駄なく使おう。MPFのケント紙の残りと、電石の実験で使ったストローでこんなものを作る。小さい輪の方を前にして投げると紙飛行機のようによく飛ぶ。
平野さんはストローを二本にしたものを試作。これも安定してよく飛ぶ。
プラレールで実感する電気抵抗 市岡さんの発表
8ワットの電球のガラス球を割り、フィラメントを温度係数の大きな抵抗として使う。
プラレールの車両の上にソケットをつけてこれをモーターと直列にとりつける。
電車を走らせながらチャッカマンの炎でフィラメントをあぶる。その間だけ電車の速度が目に見えて遅くなる。
一方、フィルムケースに液体窒素を入れ、その中にフィラメントをつけると電車がスピードアップする。コールドスプレーでもよいそうだ。
抵抗の大小を視覚的に示す好演出だ。
ニュートンの抵抗法則 浅見さんの発表
空気抵抗が速度に比例するのは乱流が生じない程度の条件に限る。普通の物体の場合むしろ速度の二乗に比例するのが一般的。kv^2=mgより、速度はおよそ質量の平方根に比例する。左のような紙のカップや落下体を質量の平方根に比例した高さから同時に落下させると、同時に床に着く。
ティッシュボックス分光器 小河原さんの発表
ティッシュボックスに型紙を当て、シャーペンの先で穴をあける。スリットは黒いビニールテープ2枚で作る。反対側ののぞき窓に回折格子レプリカフィルムを貼って簡易分光器の完成。手軽に作れるのがウリである。
直線に並んだ6つの穴が波長を測定する目盛りになっている。これもよい工夫だ。
蛍光灯のスペクトル
水銀灯のスペクトル。蛍光灯と輝線位置が同じだ。
クリスマスツリー 犬塚さんの紹介
スチールウールをほぐして引き伸ばし、とぐろに巻き上げて不燃性の皿の上に置き、ライターで灯をともす。部屋を暗くするとこのとおり。まるでクリスマスツリーのイルミネーションだ。チカチカと星のように輝きながらスチール繊維がゆっくり燃えてゆく。
青銅のペンダント 市江さんの発表
鎌倉学園の生徒たちが作った青銅のペンダント。蒸発皿に炭素粉を敷き、下にスズを上に銅を置いてさらに炭素粉をかぶせる。
これを下から強熱すると青銅ができあがる。適当な型に流し込んで固め、磨いてペンダントにした。
YPC Tシャツ計画 平間さんの報告
平間さんがYPC10周年記念企画のTシャツづくりに挑戦してくれている。右のようなTシャツ転写紙にカラープリンターで図案を裏返しにプリントし、アイロンでTシャツに転写する。このアイロンがけがなかなかむずかしいのだそうだ。かなり歩留まりが悪いという報告があった。とりあえず転写シートにプリントしたものを販売することになった。アイロンは各自の責任で挑戦すること。
二次会 日吉駅前養老の瀧
例会には28名、二次会には16名が参加。本年最後の例会を締めくくった。来年も楽しい年でありますように\(^o^)/