例会速報 98/02/18 慶應義塾高校


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サハラ砂漠の砂 慶應高校地学科 松本さんの発表

 思いがけず某所から手に入った「サハラ砂漠の砂」です。火星の砂(見たことはないが)のように赤く、海岸で見かける砂よりずっと細かく見えます。
 顕微鏡で見てみると透明感のある粒のそろった粒子です。石英砂らしいとのこと。表面が赤いのは沈着した鉄分が酸化したものでしょうが、確かめてはいません。
 どう料理するかは後で考えるとしてとりあえず分けてもらってきました。


くっつきG玉 水野さん提供
 こんなおもちゃがあるのだが、何かに使えないでしょうか。マグネチックビー玉です。スペースシャトル内でこれを使ったデモをしているのを見たことがあります。

 わっかになるのが割と安定な形のようです。



棒磁石のモデル 水野さんの発表

 板状のフェライト磁石を多数重ねて棒状にし、紙で包んで棒磁石にしたものです。どこで切っても磁極が現れるという説明に使えそうです。ただ、ちょっと問題なのが、右の磁力線。磁極の周辺の磁力線の形が変ですね。原因究明は宿題に・・・。


リング状ネオジム磁石 佐藤さんの情報提供

 直径15ミリほどのネオジム磁石です(左)。アルミ(または銅)パイプの中をネオジム磁石が渦電流のため浮遊しながらゆっくりと落ちるという実験がありますが、残念なことに大勢で見ることができません。これならアルミや銅の棒を中に通せば一斉に観察できます。でもちょっと磁力が弱いのか、落下速度が速すぎるのが残念。銅の方が成績がよいようでした(右)。もっと強いのがないか磁石屋さんにあたってみることに。


写像公式に関する生徒実験 水上さんの発表
 ロウソクと虫眼鏡を使った手軽な写像実験で公式を確認。


こいつは使える「スリットライト」 水上さんの紹介
 中村理科のスリットライト。安い割にはよくできていて生徒実験用の光源に最適。


「黒い物質」は赤外線・紫外線を通すか? 天神の紹介

 大阪市立工芸高校の山田善春先生の提案をヒントに、追試・発展実験を行いました。

 見た目には同じくらい黒い4つの液体(濃いめのコーヒー、しょうゆ、黒のポスターカラー、ウスターソース)および白黒ネガとカラースライドの黒い部分についてリモコンの赤外線とブラックライトの紫外線を光源として透過性を調べました。センサーはビデオカメラです。

 結果については「天神の実験室」の「ビデオミラー」のページに速報してあります。カメラの特性についても意外なことがわかりました。


ビー玉スターリングエンジン・ロータリー型 島津理化の李さんの演示

 例の「注射器と試験管のスターリングエンジン」のあっとおどろく発展形です。ガラスのリングの中をビー玉が転がります。エンドレスに転がり続けるのがみそで、かなり見栄えのするダイナミックな動作になります。空冷ファンも工夫の一つ。低熱源がはっきりしていいですね。これはいずれ製品になるのでしょうか。


台湾の土産話 鈴木(亮)さんの発表
 二月に台湾に行ってきたすずりょうさんが、旅先の話題を披露してくれました。

 利用した飛行機が個別のディスプレイ付きで、常時機の位置・高度などのGPSデータと気温を表示してくれたので、それらの相関をグラフ化して調べてみました。なかなかおもしろい結果が出ています。詳しくは次号YPCニュースで。このほか、金の精錬の話なども興味深いものでした。

 なお、すずりょうさんは、例の中華航空の事故の直前に台北を飛び立って無事でした。


卵型発泡スチロール物体 小河原さんの発表

 卵型をした発泡スチロールに鉛直な回転軸をとりつけました。
 扇風機で風を当てたら卵はどの向きで安定するでしょうか。
 実は風に対して横向きになります。予想は全員ハズレ!!
 尾翼をつけると飛行機のように縦になります。

定幅曲線 喜多さんの発表

 円ではないのに、どの方向のさしわたしも一定であるような曲線が定幅曲線です。ロータリーエンジンにも使われているこの形もその一つ。ころがしても上の板は上下しません。どの位置でも幅が等しいのです。


 黒丸の高さに注目。実は曲線の中心は上下しています。

電気炊飯器が壊れたら 喜多さんの情報提供
 こわれた電気炊飯器をばらしてみたら、中からこんな回路が出てきました。そこには静電気単元の必須アイテム、「1Fコンデンサー」が。液晶表示のバックアップ電源用らしいのですが、これが実際に使われている回路は初めて見ました。

 買うと結構なお値段になるパーツです。このまま捨てる手はありませんね。


秋月のレーザーポインター 渡辺さんの発表

 秋月電子のレーザーポインターセット、¥3470也。先端のフィルターキャップを変えると右のような光のパターンが。これはホログラムの応用でしょう。


 そこで思い出したのが例のハッピーメガネ「ホロスペックス」です。これにレーザー光を当てると、スクリーンには一対のハート型が映し出されます。同じ原理だったんですね。きっと。渡辺さん、これは大発見ですよ。


樟脳玉 高杉さんの発表
 三遊亭圓生の落語に登場する「樟脳玉」という遊び。今となっては死語に近いものですが、いったいどんなものだったのでしょう。圓生の噺を手がかりに再現実験です。

 市販の樟脳を丸く削って手のひらに乗せ、マッチで火をつけます。じっとしているとやけどしますが、手のひらの上で絶えず転がしているとそれほど熱さを感じません。全員がかわるがわる試してみました。

 実験は火災のおそれがあるので必ず水を入れたバケツなどを用意してその上で行ってください。一カ所に長くとどめるとやけどしますから注意してください。こどもは必ずおとなの人といっしょに実験しましょう。



二次会 例会には29名、二次会も17名で盛り上がりました。鈴木さんの快気祝いも兼ねて、かんぱ〜い。


番外編:超能力二題

 二次会の席で。鈴木さんの超能力、千円札浮遊術。タネはヒミツ!
 こちらは、帰りの相鉄線の車内。深海魚、たかすぎ、天神はここでも例会を続けます。

 念力で水晶玉占い、というおもちゃ。玉のまわりで手をそれらしく動かし、気合いを入れると、手を触れていないのに玉の中のダイスが動き、占いをしてくれます。

 玉の台になにやら怪しげな穴があいています。電車の車内でさっそく分解が始まりました。ドライバーを常に持ち歩いているのがYPC魂というもの。

 中にはこんな回路が。指先のCdSセルで光を検出しています。手が光を遮り、パルスが5個カウントされると、モーターが約1秒間回転して磁石を回します。玉の中のダイスにも磁石が仕込まれていて動くというしくみでした。

 どうせならモーター音や振動のない、コイルの交流磁場を利用して作ってほしかったなあ。


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