例会速報 98/06/17 慶應義塾高校
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念力?!天神の紹介
田中玄伯さんの「超能力授業入門」に載っている、燃えながら空中浮遊する紙の実験。蓮田中の小森先生から紙を分けていただいて追試した。円筒形やピラミッド型にして火をつけると、燃え尽きる直前に自らが作った上昇気流にのって空中に飛び上がる。どんな紙でもよいというものではなく、軽く、燃えたあとにしっかりとした灰が残るものでなければいけないようだ。「かな半紙」という紙がいいらしい。例会ではいろいろな紙を、重さを測定しながら燃やしてみたが、件の紙以外は飛び上がらなかった。
金属棒の衝突 天神の実験
NIFTY-SERVEのFPHYSのMes18#1359に始まり、Mes1#530に集約された一連の議論、並びにパリティブックス「続・間違いだらけの物理概念」p.107(丸善)の記事にある問題の実験的検証。「一様な金属棒を二つに切断し、直線上で、静止している長い断片に短い断片を衝突させると、初速度や長さの比によらず、衝突後の短い断片の速度は常に0となる。したがって、はねかえり係数は二つの断片の長さの比により変化する。」という命題が正しいことを確認した。はねかえり係数が二つの物体の構成物質のとりあわせにより決まる定数だと考えるのは誤りである。
3Dメガネの自作 小河原さんの発表
例の3Dメガネ(ChromaDepth3D)の原理を示す実験。スライドグラスの間に不飽和ポリエステル樹脂を流し込んで固め、くさび形プリズムを自作した。色による屈折率の違いで視差を生じ、立体的に見える。
回転する水 喜多さんの発表
回転水槽で、遠心力により水面が放物面を作ることを示す実験。あらかじめ回転台の角速度から計算した放物線を描き、積分計算を行って、静止時の水面位置を基準に予想曲線を貼り付けておく。回転させると水面は見事に予想曲線に一致する。
アルミパイプ中を落下するネオジム磁石 喜多さんの発表
おなじみ、アルミパイプ中を渦電流による制動力で空中浮遊しながら落下するネオジム磁石の実験。落下中の運動を大勢で同時に観察できないのが難点とされていたが、喜多さんは磁石に糸で釣った5円玉をぶら下げることでこれを解決した(左)。5円玉の動きで管内のネオジム磁石の運動のようすを間接的に知ることができる。右は途中のアクリルパイプの部分を通過するときにはかりの示す目盛りが一瞬小さくなるのを示す実験。作用反作用の教材だ。不思議そうにのぞき込むのはオフィス・ラフトの堀さん。
サルでもできるモンキーハンティング 右近さんの紹介
APEJで仕入れてきたネタの紹介。発射筒から弾丸(木の棒)がゴム動力で飛び出すと同時に空き缶を釣っている糸がはずれるしくみ。ねらいをつけるのにけっこう微妙な調整が必要で、「やはりサルには無理か。」の声も・・・
ドップラーブザー 水上さんの発表
振り回してドップラー効果を確認するための音源。ブザーと電池ボックスを直付けして電池込み¥200ほどでできる。振動数は数千ヘルツ。
音波の干渉 水上さんの発表
塩ビ管を組み合わせて作った音波干渉実験器。上記のブザーを中央の口にあてがって音源とする。ゆっくり回転させると干渉による音の強弱が聞き取れる。
ドップラー効果説明板 水上さんの発表
ドップラー効果の説明図を黒板上に作図するためのツール。要するにコンパスだ。音源の移動に伴って中心が移せるようになっている。
円運動・単振動説明用回転機 水上さんの発表
電動ドリルドライバーを木の台に固定していろいろなものを回す。ただのドリルだと回転数が速すぎて不適。逆転可能な点も優れている。回転数はスライダックで調節する。かなりゆっくりした(1Hz以下)回転もOK。
円錐振り子の実験もこんな装置で簡単に定量化できる。糸が直線になったときの回転数を測定すればよい。
乾燥玉子 渡辺さんの発表
数年前の朝日新聞の記事をもとに、追試を試みた。ゆで玉子の殻をむき、そのままむき出しで冷蔵庫内に約一ヶ月放置すると、水分がすっかりぬけて、カチカチの乾燥玉子ができあがる。こんなに小さい。これが水につけておくと元のゆで玉子に戻るのだ。保存食品化も検討されているとか。
エコログ 中村理科の渡辺さんの発表(宣伝)
中村理科が間もなく発売するエコログというセンサつきデータロガー。イスラエル製。たばこの箱ぐらいの大きさで、温度、湿度、気圧、照度、音量の5つのセンサを内蔵していて、一定時間(可変)ごとにサンプリングを行い、メモリに蓄えてくれる。パソコンとの接続ソフト、ケーブルが付属していて、データを吸い出せる。
この小ささだから、どこにでも設置できる。野外の通風のよい場所に置けば百葉箱になるし、地中に埋めれば自記地中温度計としていも使える。冷蔵庫内にセットすることもできる。旅行の時に携帯するといろいろ面白いデータがとれそうだ。
予価は¥39800。例会では超人気で、YPC内部だけでも20個は売れると見た。
ムックリ 鈴木亮太郎さんの北海道土産
アイヌの民族楽器「ムックリ」。竹の振動部が発する音波を口腔内で共鳴させ、口と舌の調節で音程を選ぶ。ビョンビョンという独特の音が神秘的だ。演奏にはかなりの練習を要する。糸で引いて鳴らすオーソドックスタイプ(上・\400)と、だれにでも鳴らせるタイプ(下・\600)がある。ジャンケン入札の結果、天神もめでたく1個GET!
バカボンのパパ 天神の発表
内惑星の惑星現象をイメージさせる新考案の天文教具だ。園芸用のふるいの網に発泡スチロール球にマグネットシートを貼り付けた太陽・惑星をとりつける。青い地球は切れ込みをかませてある。いずれも自由に位置を動かすことができる。地球上に観測者として立たせたキャラクターから、通称「バカボンのパパ」と呼ばれている。「あれが金星というものナノダ!」
授業ではこんな風に使う。「東方最大離角の頃の金星(水星でもよい)は、どのへんに見えるのかな?」「君たちは中緯度にこんな風に立っているから黄道面はこういう位置だね。金星は太陽の左上に見えることになる。」
地球の「地軸赤道ユニット」は任意の角度に付け替えができるので季節変化も演出できる。季節によって黄道の傾斜はかなり変わることが納得できる。
蛍の光 (ホタライト) 天神の紹介
法理研合宿で福原中の村上さんから教わった製品の紹介。キッコーマン株式会社がバイオ技術で製造したホタルの光の化学発光物質。A剤(ルシフェラーゼ)とB剤(ルシフェリン+ATP)を水に溶き、混合すると黄色い光を放つ。右のビーカーは混ぜてすぐ、左のビーカーは数分経ったもの。発光の減衰はかなり早い。
二次会 日吉駅近くのとらやにて
17名が参加。毎回20名前後の参加者をほこる二次会。全国に物理サークル数ありといえども、二次会の動員数ではYPCの右に出る者はないだろう(^^)v。日本一の二次会にカンパーイ!
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