例会速報 99/02/20 中村理科自由実験室
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交流回路実験器 山本の発表
交流回路における、抵抗、コイル、コンデンサーのリアクタンスの周波数依存性と、電圧・電流の位相関係を演示するための装置とノウハウを紹介。手頃な大きさで、きりのいいリアクタンスになる素子の組み合わせは意外に少ないものです。詳しくは天神のページの記事「交流回路実験器」を。
簡易放電箱の製作 放射線利用振興協会 生田目さん、後藤さんによる講習会
放射線観察用の簡易放電箱の製作実習を行いました。左が放電箱本体。ステンレス板の上に数ミリ浮かせて細いタングステン線を3往復分、張り渡してあります。右は4000Vの直流高圧を発生させる高圧電源装置。これらを製作します。
製作途中の電源回路。高圧トランスの1000Vの出力を、コッククロフト・ウォルトン型の高圧発生回路で4000Vに昇圧します。中継端子を使って空中配線します。
奮闘約1時間半、完成した装置でさっそく実験をしてみます。α線源(Am)を近づけるとα線の飛跡にそってイオンが生じ、タングステン線とステンレス板の間にパチパチと放電が起こります。
火星探査機「のぞみ」のその後 宇宙科学研究所 竹前さんのお話
文部省宇宙科学研究所(ISAS)の竹前さんが、わが国初の火星探査機「のぞみ」の消息について解説してくださいました。去る12月にパワードスイングバイ時に、燃料系のバルブが正しく動作せず、そのフォローのために燃料を使いすぎて、火星周回軌道に入るときのブレーキング用推力が不足しそうなため、当初計画の変更を余儀なくされました。
新軌道計画では、2002年12月と、2003年6月にも地球スイングバイを行って、2003年末〜2004年初めに火星周回軌道に入る予定です。各搭載機器がメーカー保証期間外となりますが、たぶん大丈夫だろうとのことでした。到着が待ち遠しいですね。
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普通の半紙・和紙で空中浮遊 鈴木さんの発表
「燃えながら空中浮遊する紙」のマジックは、普通の半紙でもできるようです。空気が流入しやすいように割り箸などで底上げをしてやるのと、放熱しにくいように周辺に金属を用いないことがポイントだそうです。紙の折り方などにはあまりこだわらなくてもよいようでした。
CD分光器 山本の発表
1月の「青少年のための科学の祭典・神奈川大会」用に製作した装置のお披露目です。CDを回折格子として用いるもので、京都の水巻先生や、北海道の佐々木先生が開発された装置と原理は同じです。
光源の麦球と目が正確にCDの中心軸上に来ないときれいな円形のスペクトルになりません。目の位置を固定する工夫が必要です。携帯しやすいようにコンパクトにしました。麦球に加える電圧をぎりぎりまで上げて、色温度を高くすると、青・紫のスペクトルがきれいに出ます。そのため電球が切れやすくなりますが、交換しやすいような工夫がしてあります。
上の電球を光らせると一次のスペクトル(下左)が、下の電球を光らせると二次のスペクトル(下右)が観察できます。
バルーンヘリコプター 山本の紹介
百円ショップで売っていたおもちゃです。ヘリコプターのローターの中に空気の通路があり、ローターの先端から空気を吹き出して回転します。空中を飛ぶ姿はなかなかユーモラス。
オトゲー 山本の紹介
ちょっと面白いゲームが発売されました。その名も「オトゲー」。ステレオイヤホンから聞こえてくる音だけを頼りに、迫りくる敵を狙い打つシューティングゲームです。
左右のステレオイヤホンから聞こえる音量比で、5か所の水平位置を定位し、総音量を奥行きに見立てて、音像空間を作ります。目をつぶって音に集中すると、遠くから不規則に蛇行しながら近づいてくる敵がイメージできます。手元のボタンを操作すると、自機位置を示す音も左右に動きます。敵と左右位置が一致したときにミサイル発射ボタンを押せば、命中してクラッシュ音が鳴り、得点というしくみです。
音像のみに頼ったゲームというのはこれまでになかったので、新鮮に思い、つい衝動買いしてしまいました。この斬新なアイデア、発売元はやっぱりバンダイなんです。
倒れないコマ 山本の発表
このコマは倒れません。え?そんなの当たり前?いえ、このコマは止まっても倒れないんです。どんな回し方をしても、途中で傾いたりゆらいだりしても、止まる寸前にちゃんと立て直して、立ったまま止まります。ただし、下がデスクマットや紙など、ある程度摩擦のあるものでないとだめ。つるつるの固い机の上などでは、不安定になって倒れてしまいます。
ちなみに、コマの本体は、ドットインパクトプリンタのヘッドを分解した時に取り出した真鍮の円盤。それにナベ頭(プラス)のタッピングネジをさしただけ。偶然の産物です。力学的な機構はまだ未解明です。
ペルチエ熱電池(改良版) 山本の発表
12月例会で試作品を示した「熱電池」の改良バージョン。前回は接着剤に問題がありましたが、120℃まで耐える「セメダインスーパーX」という接着剤で解決。ジャムの空きビンを使って蓋のシールも完全になりました。詳しくは天神のページの「ペルチエ熱電池の製作」を。
β線を磁場で曲げる 放射線利用振興協会 後藤さんの発表
β線がローレンツ力を受けて曲がることを示す実験です。Pm147線源からのβ線をカウンターで受けます。間に2個のフェライト磁石を置いて磁場を加えるとカウント数が減ります。
カウンタの位置をずらして90゜の方向に置くと、ふたたびカウント数が増えます。β線が進行方向を右向きに曲げられているのです。
カウンターを反対側に置くと、β線はほとんど検出されなくなります。なかなか説得力があります。
虹色万華鏡 山本の発表
学研の「1年のかがく」の付録についてきた、ごく普通の万華鏡。子供が飽きて見向きもしなくなったので廃物利用を考えました。
万華鏡ののぞき穴の所(手前側)に、東急ハンズで売っている直交回折格子フィルムをとりつけます。たったこれだけの工作で万華鏡が生まれ変わります。
回折格子側からのぞいて、反対側にいろいろな形のスリットをかざすと、下の写真のような夢の世界が視野一杯に展開します。子供でもできる簡単な工作なので、科学の祭典のワークショップなどに最適!ぜひお試しあれ。
シリコン単結晶 渡辺さんの発表
半導体素子を作るための基板を作るシリコン単結晶です。インゴットの両端の「ミミ」は不純物が多く使いものにならないので廃棄されるのだとか。それを譲り受けたとのことです。
磁界観察槽 渡辺さんの発表
PETボトルにグリセリンを入れ、細めのスチールウールを揉み砕いて鉄粉を作り、分散させます。グリセリンの粘性が高いので、鉄粉は磁石の作る磁力線に沿ってゆっくりと配列し、磁石を取り去ってもしばらくその形が残ります。生徒に自作させることもできるすぐれもの。
こちらは平たいプラスチックケースにつめたもの。小型で使いやすそう。OHPでの投影もできますね。
二次会 御徒町駅前「くいもの市場・らっか亭」にて
恒例になった二次会。今回は石川県からはるばる上京して参加してくださった米田さんの音頭でカンパーイ。YPCは全国ネットです(^^)v。例会出席者24名中、21名の参加は、参加率としては過去最高でしょう。
頭上の直線状の白熱電球に一同の興味が集中しました。
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