例会速報 99/03/17 慶應高校


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なぜ動く?リニアモーター 海老原さんの発表

 短い棒状のアルニコ磁石(銀色)をぴったりはまる銅管の中に、一方に片寄せて入れ、導体のレールにわたして通電すると、銅管がレール上を転がります。電流を逆転すると回転の向きも変わります。
 一種のリニアモーターで、電流が磁界から受ける力による現象だと思われますが、その仕組みが議論になりました。

 銅管は必ずしも必要ではないようです。アルニコ磁石をレールの上にじかに置いても動きます。磁石の磁界が磁石自身を流れる電流に力を及ぼしているらしいのです。作用反作用はどうなるのでしょう。レールに置くとき、NS対称な位置に置くと回転しないというところがヒントになりそうです。

 「磁極周辺の磁界の放射状の成分が、磁石や銅管を流れる表皮電流に作用してトルクを生むのではないか」と説明する市江さん。いろいろなテストをしてみた結果、市江理論で良さそうだという結論に・・・。

 さらに議論は発展して、こんな風に斜めに置くと、転がるうちにNSの非対称が逆転するため逆向きのトルクがはたらくようになり、レール上で左右に振動することを発見。ちょっと面白い現象ですね。


遠視レンズカメラ 金子さんの発表

 0.25ジオプター(焦点距離4m)の遠視用眼鏡レンズを使って教室をカメラにしてしまおうという金子さん。スクリーンはゴミ袋を切り開いたもの。例会当日は外が暗くなっていててよく見えませんでしたが・・・。


学校の実験室で実際に投影しているところ。右の風景がスクリーンに逆さに写っています。巨大な像が感動的。カメラ・オブスクラの世界です。



スピードガン 喜多さんの発表

 野球用の本物のスピードガンは高いけれど、このおもちゃのスピードガンは数万円で手に入ります。バットの素振りを測定してみました。
商品名はSportsRadar Model SR3300(株式会社ダイナテック)。



高電圧電源を用いた静電気実験 右近さんの発表

 石川県の竹中先生から紹介していただいたという、高電圧電源。006P一本の電源で4000Vの直流高電圧を発生します。秋葉原でなんと¥500で入手したそうです。空気清浄機の部品のようです。

 金属板2枚でコンデンサーを作り、充電すると、電気振り子がその間で振動します。振動の回数で電気量がわかります。極板間隔を変えると電気容量が変わるのが演示できます。

 中村の静電界実験装置に接続してみると、電気力線が描かれます。

 前回の例会で製作した放電箱に接続して、α線による電離作用を観察しているところ。アメリシウム線源でパチパチ火花が飛びます。いろいろに使える便利な高電圧電源です。必携のアイテムになりそうですが、くれぐれも感電にはご注意!!


観測ロケットの打ち上げ 宇宙研 竹前さんの発表

 宇宙研の竹前さんが、観測用単段式固体燃料ロケットS−310−28号機の組立から打ち上げまでのようすをVTRで紹介してくださいました。現場の生々しい映像はきわめて興味深いものでした。

 この部品は、スリッパといいます。ロケット本体に外装され、ランチャのレールに乗って発射時の方向をガイドする重要な部品です。ランチャを離れるときに切り落とされて置きみやげとなるので、ロケットの形見とも言えるものです。
 これはS−520−18号機の実機で実際に使用されたスリッパです。アルミでできています。

切断時の衝撃でちょっとゆがんでいます。

文部省宇宙科学研究所のホームページへ


シャボン玉を用いた透過光による干渉 井上さんの発表

 授業でシャボン膜による干渉縞を見せようとしていて、思いつくままにOHPにシャボン玉を乗せてみたら・・・


 淡いながらも薄膜透過型の干渉模様が観察できます。OHPの熱で対流が起こるため、模様が不規則に変化するのがまた面白い。写真では微妙な模様が写らないのが残念です。OHPで投影すると大勢で同時に観察できます。
 井上さんはこのほか、都立西高の桑原先生が撮影された美しいシャボン玉の写真や、撮影のノウハウなども紹介してくれました。



ドップラー効果の授業プリント 右近さんの紹介

 右近さんが、紹介してくれたのは、都立青山高校の小林先生のドップラー効果の教材プリント。切り抜き、組み立て、動かす作業を通じて、ドップラー効果の原理が理解できます。「のび太」と「チビ太」のジョークが気に入りました。


水鉄砲の続き 山本の発表

 98年10月例会で話題になった、「大きい穴と小さい穴では水はどちらがよく飛ぶか」の実験の続編です。表面張力の寄与について考察し、水位に対する噴流の流速の測定値と、理論値を比較しました。詳細は、次号YPCニュースを。


ハブダイナモ 喜多さんの発表

 このところ自転車の発電器に凝っている喜多さんの話題。YPCニュースNo.131No.132に載っている記事の続編です。
 左は、普通の自転車についているスタンダードなダイナモの中身。8極着磁の回転磁石の磁力線を8本のヨークがコイルに導きます。

 さてこちらは、最近登場のハブダイナモ。自転車の車軸のところに取り付けられ、ハブと一体化しています。車輪が回転するとそのまま発電が始まります。さて中はどんな構造でしょう。メーカーでは企業秘密といって教えてもらえず、結局自腹を切って購入し、分解してみたそうです。


 これがハブダイナモの内部です。壁に貼り付いた4枚のフェライト磁石はそれぞれ7つの磁区に分かれていて、内面に合計28極の磁極が出ています。軸に固定された大きなコイルには両側から合計28本のヨークが出ています。 

 


マジックの舞台裏 水野さんの紹介

 水野さんが通販で購入したという「マジックの種」暴露ビデオを鑑賞。本物の戦車や生きたゾウを一瞬にして消し去る大がかりなマジックの種明かしが収録されています。本来マジックの種明かしはタブーのはずですが・・・

 Breaking The Magicians Code の日本語吹き替え版「マジックの舞台裏」は全3巻¥8800(税送料別)。お求めは日本直販ホームページへ。


松田京子飴 高杉さん提供

 3/8、3/13放送のNHKやってみようなんでも実験「さすがシュガー、砂糖とアメの科学」に出演した、YPC第9代実験名人高杉さんが、番組特製の「組みアメ」を分けてくれました。業者に特注して松田京子さんの顔をデザインしてもらったもので、二度と手に入らないという、超レアものです。

二次会 日吉駅近くのとらやにて

 恒例の二次会には16名が参加。この春から島根県に転居する花岡さんの送別会となりました。YPC島根支部ができることになるかもしれません。花岡さん、お元気で(^^)/~~~



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