2010年2月20日(土)の例会の記録の第3ページです


 バルブレスパルスエンジン? (市川さん・山岡さん  
 缶コーヒーの缶に丸い穴を開け、中にアルコールを少量入れます。火をつけると、ゴーと音を出して燃焼が続きます。中でパルス燃焼が起きています。
 穴の大きさや形によってうまく起こらないこともあります。  
 
 缶の下方が焼けています。内部が高温になるのですね。 

 缶では内部が見えないので、牛乳瓶でやってみます。 牛乳瓶の口にワッシャーを貼り付けて穴の大きさを変えます。
 中にアルコールを入れ口から点火すると、パルス燃焼が起きます。
 ワッシャーの径により燃焼しやすさが変わります。

 このエンジンは、開口部の大きさが重要で、瓶の容積と開口部面積が燃焼の重要なファクターだとはわかりますが、定量的な関係はこれからですね。

 注:瓶での実験は、瓶が割れる可能性がありますので、離れて行うか、破片飛散防止用の壁をつくって行ってください。

 穴の上に別のナットが載っています。
 右の実験はこのナットなしで行っています。

 轟音を立て燃焼し続けます。
 暗い部屋で見るとはっきりわかります。

 不定形電極の作り方 (市川さん  
 電気分解などにつかう炭素電極の自作法です。
 まず、パラフィンと黒鉛の粉を湯煎しながら練り合わせます。
 銅の針金で電極の形をきめ、練った黒鉛を針金を軸にして塗り上げ、形作りをします。
ちょっと熱いですが、任意の形の電極を作ることができます。

 固まった電極の抵抗値を測ってみると、値は数オーム。十分実用になります。
 炭素棒電極なんて購入することが多いのですが、自分で作れんるんですね。
 

 なぜ満潮や干潮は一日に2回あるの? (山本さん  
 地球表面の物体は、自転による遠心力と、地球の重力および月の引力を受け、その合力(起潮力)が右上図のようになっているため、流動できる海水が右下図のようになり、その中を地球が自転しているので1日に2回干潮と満潮が起こる、というようによく説明されます。 でも、各地の満潮干潮の時間変化を調べると、この考えでは事実をうまく説明できないということがわかってきました。
 たとえば、昔から満月や新月のとき潮干狩りが行われますが(もちろん場所による)、これは、満月や新月のころは干満の差が大きいだけでなく、お昼ごろに干潮になることで潮干狩りに適しているのです。
 図で示すと、下の図のようになっているということを意味します。

 海底と海水の摩擦や地形の影響などで説明しきれない時間のずれが観測でわかっています。
 詳しい観測データや地形を見ながら考える必要があるので、簡単ではありませんが、わかっていると思っている現象も詳しく調べてみるとうまく説明できなくなるということがあるのだという一例として発表しました。

 安全!アルコールロケット 児島さん  
 前回は「高く飛べアルコールロケット」でしたが、ロケットが飛んで危険な場合もあります。そんなときにはこれ。ロケット(スパーボール)を発射台と紐でつないであります。缶内にアルコールを入れ、ロケットを缶にさしこみ底の小さな穴から点火します。音は大きいですが、ロケットは飛び出すけれども紐で遠くへ飛びません。安全ですね。

 <参考> 高く飛べアルコールロケット



   缶の底の小さな穴から点火します。
 それなら、運動量保存を見る実験に使えるのでは!という声が出て早速実験。
 机に置いて点火です。

 予想通り、ロケットが飛び出しても全体の重心は動いていないように見えました。 
 いろんな例で法則を確認すると、法則の有効性が深く理解できますね。                             

 ハートバランス (船橋さん  
 ハート型の銅線がくるくる回ります。

 単極モーターの応用です。電池の下にネオジム磁石がつけてあります。 銅線が下の磁石に接したとき、銅線に電流が流れ磁界から力を受けます。ハート型の重心が支点の近くにあるため、銅線は長い間ゆらゆら揺れます。
 
 癒しの効果があるかもしれませんね。

 <参考> 横浜物理サークルの例会速報(2010/01/16)の「ふわっとハート」


電池の負極(上側)の中心を凹ませてあります。

 電荷がわかる箔検電器2 (川田さん  
 高電圧発生器と手作り箔検電器です。
 箔は高電圧電源による電界中にあり、帯電体を近づけると、その電荷と同じ電荷が箔にたまり、伝家により力を受けて箔が傾く、という仕組みです。

 箔部分は、ヘアピンに台所用アルミ箔で作ってあります。
 
 <参考>電荷がわかる箔検電器(林さん)
 

  塩ビパイプは負に帯電しています。

  箔は負極側に傾きます。

 宇宙甲子園 (緒川さん  
 緒川さんから、高校生向けの「宇宙甲子園」の紹介がありました。

 「宇宙甲子園」は、飛行型ロボットの製作・運用を行う「缶サット甲子園」、モデルロケットの製作・打上を行う「ロケット甲子園」から構成されます。
 缶サットというのは、ジュースの缶の大きさ程度に人工衛星の要素を詰め込んだ小型人工衛星を意味しています。
 缶サット甲子園は、高校生の工夫と技能の大会で、競技内容は、生徒が製作した缶サットと缶サットキャリアを、主催者が提供するロケットで高度約300mへ打ち上げ、地上で回収されるまでの間に与えられたミッションに取り組み、ミッション達成度に応じて付与されるポイントにより優劣を競う、というものです。
 ロケット甲子園は、モデルロケットの製作・打上を行う競技会です。

<参考> 缶サット甲子園
        ロケット甲子園
 

 缶サット打ち上げ用のロケットです。
高校生が衛星製作にかかわるなんて難しすぎる、という印象ですが、挑戦してみる機会があるというのはすばらしいことだと思います。
 愛知県の高校生もチャレンジしてもらいたいですね。

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