2005年12月3日の例会の記録の第3ページです


コンプトン散乱(?)
(林さん)
2004/10/16の例会で宇宙線を見る霧箱を発表しましたが、その後改良を続け、今回はその霧箱にX線を当ててみました。
 当てた瞬間、ビーカー内は白い雲が一面に発生します。
 これはX線の光子が空気中の分子に当たってコンプトン散乱をしたため、飛び出した電子により発生したものだ、というわけです。

 ところが、これは分子がX線を吸収して起こる電離ではないか、という意見が出て議論になりました。
 正確には、波長が長くなったX線を測定すればいいのですが、これは簡単ではありません。
 コンプトン散乱か吸収による電離か、あるいはそれらが混ざった現象か。
 簡単には決着つけられそうにない問題に思われます。
 

 まだX線を当てていません。

 X線を当てた直後、雲が瞬時に発生。

粉磁石の利用
(山田さん)
 フェライト磁石を粉々にして粒状にしました。これをうまく利用できないかという相談です。

 全体としては磁石になっていない状態ですが、下に磁石をおいて容器を軽くたたいてやると。塊はクリップを多量にくっつける磁石になります。

 一部を紙コップの中に入れ、川田さんのリニア用のコイルの上にのせ、交流を流すと、粒上の磁石が踊りだします。
 ペットボトルだと透明でみやすく、磁石が飛び出しにくいので最適です。

 中に発泡スチロールの球を入れてみれば、ブラウン運動の模型になりそうです。やってみると確かに球は飛び跳ねます。

 ペットボトルに水を入れたら、磁石は飛び出すだろうか、という声が。
 早速やってみました。
 水の量によって結果が違うのですが、どうなると思いますか?
 どうしても知りたい人はぜひ自分で実験をしてみてください。
 

 フェライト磁石はもろいのだけれど、粉々にす
 るのは大変苦労します。

スケルトンモーター
(臼井さん)
 誘導モーターのことをスケルトンモーターというのだそうです。
 扇風機のモーターを分解すると、銅のコイルで界磁を4分割して、回転磁場を作り出している構造です。(これがまっすぐならリニアモーター)
 回転子を入れるとちゃんと回ります。
 身近なモーターの仕組みを教えるということも必要ですね。

真の駆動力はどれだ
(臼井さん)
 自転車はどっちに進む(2005/7/17の例会の記録参照)かという問題の新たなアプローチです。
 模型も作って張り切っていましたが、時間切れで議論は後日になりました。



ヨーヨーはなぜ上がる、戦車はなぜ動く
(林さん)
 ヨーヨーを落とすと、最下点で反転して戻ってきます。これはどうしてか。
 戦車はキャタピラで動きますが、地面と接するキャタピラは水平には動かないのに戦車は前に進むのはなぜか。

 この問題提起も時間切れで議論は後日になりました。


 いずれの問題も回転と併進を含む問題で、頭を悩まします。どこかで、この問題にテーマを絞った集中討議が必要な気がしています。

   [前ページへ]