2009年9月26日(土)の例会の記録の第2ページです
金属管での磁石の落下速度 (田中さん) |
アルミパイプの中に磁石を落とすとゆっくり落ちます。 磁石の落下により、管の円周方向に渦電流が流れ、これが磁石に力を及ぼして重力とつりあって磁石は等速度で落ちていく、と定性的に説明しています。 田中さんは、この速度が定量的にどうなるか計算してくれました。 ・・・・・計算途中略・・・・・・ 金属管の内径 十分な時間がないので数値計算ミスがあるかもしれませんが、どうも桁が違うと思われる結果が出ました。 どこに間違いがあるかはっきりしませんが、意欲的な挑戦を続けてもらいたいですね。 |
|
ヘルムホルツ共鳴器 (船橋さん) |
ガラス製のヘルムホルツ共鳴器です。 470Hzに共鳴します。 耳穴を耳に入れスピーカーからいろいろな振動数の音を聞くと、470Hzの音が強く聞こえます。共鳴振動数の異なる多くの共鳴器があると役立ちそうですね。 でもこれひとつで¥5000。ちょっと高価です。 |
発電所の熱効率 (近藤さん) |
火力発電所や原子力発電所の熱効率は20〜40%程度。燃料の60〜80%は冷却水を温めるために使われているといっても過言ではありません。高温の水蒸気がボイラーで作られ発電タービンを回し復水器で水に戻るわけですが、この復水器のところに熱交換器を入れればもっと高効率にできるのではないか、と考えました。 復水器そのものが熱交換器であり、これ以上追加しても高効率化は難しいのではないか、という意見も出ましたが結論ははっきりしません。 装置で確認することは難しく、答は簡単には得られそうもありませんね。 |
雷起こし (林さん) |
雷は、積乱雲の中で氷の粒が接触し摩擦電気がおき、異種の電気が引き離されて高電圧になり放電したものだといわれています。 同じ物質の氷の粒でどうして摩擦電気が発生するのでしょうか。 これを確かめるために、大小2種の発泡スチロールを筒にいれ、ブロワーの空気流でかき回す装置を作りました。 上部に金網、下部はアルミ板で発泡スチロールの電気を集めます。 金網に箔検電器をつなぎ(床のアルミは下部のアルミ板とつなぎます)、ブロワーを動かすと、発泡スチロール粒子は筒内部で回りだし、検電器の箔が開いていきます。 |
ネオン管を近づけると光ります。金網部分は負に帯電していることがわかります。 1種類の粒だけでは帯電しません。大小2種が必要です。 |
||
さらに、大小の粒が上下で区分けされなければなりません。 自然状態では粒の重さと上昇気流により、雲の上部には小さな氷粒が、下部には大きな氷粒が集まります。この2種が異種の帯電をしていると、雲の上部と下部の間に大きな電圧が発生することになります。 この状況を再現するために、筒の内部にネットをいれてあります。 このネットで、大きい発泡スチロール粒子は上部の金網に触れることはありません。 実験結果から、小さい粒が負に帯電することがわかります。 |
緑色のネットが使われています。金属ではありません。 |
ブロワーを止めると、ごらんのように筒にたくさんの粒子がくっつきます。筒が発泡スチロール粒子との接触で帯電しています。 先の帯電実験に筒の帯電が影響を与えている可能性があります。自然状態では筒などありませんから・・・・・。 大小2種の粒子が接触により異種帯電するという事実の本質には影響ないとも考えられますが、完全にすっきりしたわけではありません。筒の影響をなくすうまい実験が考案できるといいですね。 |
【参考実験】 小型の筒にガラスのビーズを入れ、両端にアルミ箔で電極を作って、振ってやります。 両極は帯電しますが、同種の帯電になります。筒が異種の帯電をします。 筒が帯電に大きな影響を与えていることがわかります。 ビーズの代わりに発泡スチロール粒子をいれて振ると、みんな筒にくっついてしまいます・・・・・。 |
解体新書スピーカー (臼井さん) |
高速カッターを入手したので、何でも切ってみました。 まずはスピーカー。 黒いコーン紙を取り去ると、ダンパー(茶色のでこぼこ部分)が見えます。ダンパーにはコイル(ボイスコイル)がつながっており、磁石部分の丸い穴にコイルがきっちり入るようになっています。 ここまでは誰でも(?)できますが、磁石部分の内部まではなかなか見られません。 高速カッターの出番です。 見事に真っ二つ。 コイル部分に強い磁場ができるようになっていることがわかります。 |
||
磁束の変化でコイルの起電力を考えるとき、中心部の鉄が大きな役目を果たしていることがわかります。 鉄内部の磁束がコイルを貫くようになっています。 (右図では緑の部分が磁石です。中央に出っぱりすぎていますが・・・・) |
棒磁石の磁場 (臼井さん) |
棒磁石の周りの磁場を調べるとき、右のようなガウスメーターを使うと定量的に測定できます。が、何か無機質な測定のような感じで面白くありません。 そこで、1巻コイルを使い定性的に測定する方法を考えました。 写真のように配置し、コイルに交流電流を流します。するとコイルがブルブル振動します。 この振動の振幅が、コイルの位置で大きく変わります。中心部ではまったく振れません。 電磁誘導を学んだ後でないと意味が理解できませんが、(現状では磁場の学習の後で定量的な電磁誘導を学びます。)メーターの数値を読むよりコイルのブルブルを見るほうがずっと面白いです。 |
|
棒磁石の周り各所に1巻コイルを移動させて調べます。 |
体で知る慣性の法則 (山田さん) |
大きななべを写真のように紙テープ(ピンク色)で吊り下げます。 下の紙テープをすばやく下に引くと、下のテープがフックから切れます。 下の紙テープをゆっくり引くと・・・・・。 怪我をしないようにヘルメットをかぶり実験します。 頭へのショックとともに忘れられない記憶が刷り込まれます。体で覚えたことは忘れません! なべが軽いとうまくいかないので、なべに水を入れてやってみたらどうだ、という声がありました(冗談!)が、バラエティ番組(?)ではありませんのでやりませんでした。 |
高速回転板での実験 (前田さん) |
古い遠心分離装置に円形の回転台をつけ、各種実験に使えるようにしました。かなりの高速回転まで可能です。 | |||
ばねにおもり(車)をつけて回転させると回転数に応じてばねの伸びが変わります。 | |||
上部に無線で映像を送れるカメラがつけてあります。回転加速度系での見え方を映像で確認できます。 | |||
点滅するLEDをつけた状態で回転させると、右の写真のようになります。 LEDの点滅周期から回転数を確認できることを生徒に理解させることができます。 |
|||
このLEDの回転を横から見ると、単振動の動きが理解できます。中心部では長い光跡が、両端では短い光跡が確認できます。 |
一定振動数の音を出すスピーカーを設置すればドップラー効果を確認できます。 錘をつけて回転させると円錐振り子が確認できます。回転を調節しないと振り子が軸に巻きついてしまいます。遊園地の回転遊戯装置にはうまく回転させるようにアームがついているわけが理解できます。 |
筒に水を入れ(発泡スチロール球を浮かべています)回転させます。水面が傾くことが確認できます。 | ||
回転盤を自由回転できるようにして、盤上でラジコン自動車を走らせると、盤は車と逆回転します。作用反作用・運動量保存も確認できます。 まだまだうまい使い方が工夫できるかもしれません。 高速回転は遠心力で部品が飛び出すことがあります。部品の固定は十分に確実にしておく必要があります。 |